第4回詩人バトル
poem11
夏の嵐に 吹かれた風鈴 縁側に落ちて割れた 幼い悪戯か あわれな姿で 風にさまよっている 聞こえないはずの風鈴で なぜだか目が覚めた 鳴るはずのない風鈴の音 夕暮れに響く 僕の耳には届くはずもない もう奏でない風鈴の音 息を殺しても 無口な浜風にさらわれるばかり あの日の君に もらった風鈴 縁側に落ちて割れた 幼い思い出は あわれな姿で 風にさまよっている 消えそうな君の歌声が 聞こえたような気がした 鳴るはずのない風鈴の音 夜空に響く 僕の耳には届くはずもない もう奏でない風鈴の音 息を殺しても 記憶の彼方に埋もれていくばかり
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