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詩人倶楽部

第4回詩人バトル
poem9

エデンは右手に 追放の地は左手に

作者 : 羽倉諒 [ハクラリョウ]
Website : そよ風の扉
働くことこそ人生なりと 歳多く生きることは幸いなりと
人は学ばされ 教えさせられもする
折れた刃を笑い 鞘の中の剣を尊ぶ
誰が教えたのか
きっと 数を増やすことが得意な者達だっただろう
生き残るのが上手だった者達だろう

地球は動いてなんかいないのだと 私達こそ全ての中心なのだと
人は学ばされ 教えさせられもする
揺り起こす手を払いのけ 物音しない宵を喜ぶ
誰が気づいたのだろう
きっと 智慧の実が苦しみの種であることに気がついた者達だっただろう
本当よりも嘘のほうが居心地がいいことを知った者達だろう

私は私でいたいのだと 誇りを持って死にたいのだと
人は学び 教えもする
千年ぶりの光の剣 催眠術師をこの手にかけて
誰が目覚めさせたのか
きっと 自分の弱さに胸を痛めた者達だろう
虚偽と欺瞞に耐えられなかった者達だろう

右手には安息が待つ 左手には真実が待つ
安息はすぐ側に 真実は陰すら見えず
皆が角を曲がっていく 共に歩いてきた者達が
私は一人 どうやら見えもしないところへ向かうらしい
嘲笑とあざけりを背中いっぱいに浴びながら






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