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詩人倶楽部

第5回詩人バトル
poem15

いつかどこかへ

作者 : 志乃
Website : http://home.att.ne.jp/wave/siro/
果てない空に覆われて
果てない道を歩くことに
迷いなんて無いのです。

老人は分厚い本を読みながら呼吸をやめて、
そのベンチの片隅では男と女が唇を重ねて、
明るい陽射しを浴びた空腹のハトは
イビツに空へと羽ばたきました。

突然、線を突き付けられたのです。
ここから先にはもう進めないのだと。
果てない闇が支配を始めました。
果てない道の真中で、涙は止まりませんでした。

朝が来て、一本の線に背を向けました。
かつて歩いた道を懐かしく思いながら、
いくつかのことを考えました。

いつかの老人の分厚い本の続きを、
今度は自分が読んでみよう。
いつかの男女に笑いかけ、
祝福の言葉を与えよう。
いつかのハトに豆をやり、
傷んだ翼を優しく撫でてあげよう。

置き忘れたものはあまりに多く、
どこまでも戻っていけるのです。
無くしたものを拾い集めながら、
いつか、どこかへ、辿り着ける。

それでいいんだ、と、思えたのです。






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