第5回詩人バトル
poem25
・・・まるで。 まるで私だけが、世界の中に取り残されたみたいに。 ちっぽけで、何も出来なくて。 無力で、悲しくて。 何の、長所も無いから。 私だけが。 私だけが、一人では生きて行けないみたい。 ――そんな、気がした。 まるで。 それは、月の様。 自分では、輝くことも出来なくて。 夜空にぽつんと、仲間も無く。 風に、吹かれるかのように。 ・・・それは、ただ。 静かにたたずむ。 本当に。 ・・・本当に、ただ、それだけ。 にわかに、降る。 雨が、降る。 ・・・月の光に照らされて、 地面に、降り来る雨が溜まり、輝く。 ・・・それも、まるで月の様。 自ら、輝くことも出来ず。 そしてそれは。 ・・・いつか、誰も気づかぬ間に。 ・・・消えて、しまうんだ。 眠れない夜には。 ただ静かに、夜の闇を見渡すと。 風の音も、ゆれる木々の音も。 ただ、静かに。 静かに、夜の世界に響いているんだ。 ・・・勝手に決め付けてしまって、本当に申し訳ない。 けれど、ごめんね。 私はどうしても、あなた方と一緒のような気がする。 どうしてもどうしても。 ほら、考えてみてよ。 夜の世界は、ほら、考えてみて。 朝の世界とは、同じようで、全然違う。 ――寂しいんだもの。 一つ一つの輝きが薄れて。 だから、寂しいんだもの。 ・・・私も、寂しいんだもの。 自分が、ぬれていることにすら気がつかず。 ただ、夜の世界と一つになりたい。 朝なんて、来なくても良い。 だって、私は―― ・・・朝なんて、嫌い。 ――ただ夜に、溶け込みたかったから――
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