| # | 題名 | 作者 |
|---|---|---|
| 1 | おぬし、いかんぜよ | 矢沢一真 |
| 2 | ノクターン | 葉月 涙 |
| 3 | 磁石 | りっと |
| 4 | 成り上がることに成功した古典の河原芸能とは最早なんの関係もないその街 | 竹原 秀 |
| 5 | 心臓 | マッドビースト |
| 6 | サクラ | トモモ |
| 7 | 余裕はない? | Rio |
| 8 | 脱出 ★ | 大覚アキラ |
| 9 | 生き物 | 有機機械 |
| 10 | BLUE | 桔梗鞠娜 |
| 11 | 酒祀り | 木葉一刀 |
| 12 | 毒 | 少年 |
| 13 | トリ | 朱那 |
| 14 | スパーク | ロク |
| 15 | いつかどこかへ | 志乃 |
| 16 | 汚れなきもの | 羽倉諒 |
| 17 | ブラックコーヒー | しゅあ |
| 18 | 摂食障害者のつぶやき | かずみ |
| 19 | 浅瀬の魚 | ヒョン |
| 20 | 愛デンティティ | N・アームストロング |
| 21 | 懺悔 | 彩霞 |
| 22 | 彷徨へ。 〜ここではない場所〜 | 鷹央 かほ |
| 23 | 方程式 | 163 |
| 24 | わいぱー | 科長 |
| 25 | ただ、今は。 | 聖夜里奈 |
| 26 | ゆりかご揺れた | 葉月みか |
| 27 | なんでもアリな日 | Y.TAKEO |
| 28 | 川がある風景 | sachi |
| 29 | 闘魂(我が子Hの場合) | あかね |
| 30 | リンゴ | 深谷 章 |
| 31 | 睡眠 | kiss |
| 32 | オブジェクト | 暁 |
| 33 | 君には申し訳ないけれど | 翠 |
| 34 | 名無し | 彩 |
| 35 | や〜ん\(*>ω<*)/靴の中がベチョベチョ | 春九千 |
| 36 | (作者の希望により掲載を終了いたしました) | |
| 37 | パンドラの箱 | ぶるぶる☆どっぐちゃん |
| 38 | 時 | rin |
| 39 | 東へ | イグチ ユウイチ |
| 40 | 下水 | 空人 |
喉の奥にからまったはずの鳥のウンコがなかったせいで 僕は通りすがりの犬のおまわりさんにこう言われたんだ 「ブッブ脱糞、ブッブ脱糞」 仕方なしに足に塗ったハチミツがエジプトにいるアリを興奮させて そのうちの一匹が寝起きのエジプト首相の右乳首を噛んだ 彼は激痛と憤怒で押してはいけないボタンを押してしまった… 僕のせいかな? コート・ダ・ジュールでオマールは食べたか? 時計の針を五本にしてみろ! そのザーメン臭い手で昨日を掴むつもりか? 大丈夫、手は打ってある 安心してキーボードを叩くロボットたちを破壊しろ! 羽根があったら誰だって飛ぶだろうが! 俺? 地球の自転がピストン運動に変わっても生きてるだろうよ、、、 要するに この世のどこかに人生をやり直せるリセット・ボタンがあったとしたら 君はそれを押すのだろうか
終点を告げるアナウンスが流れ 降りたプラットフォームから 真っ白な月がみえた。 ツキガキレイダカラ 20字しか入らないメール 返事が来ないことはわかっているのに あの恍惚とさせる光が 悲しみも 切なさも 狡さや 弱さまでも やわらかく 包み込むように すべてが 許されているかのように 『輝く』 返事が来ないことはわかっているのに ポケットの中の 電話を握り締める右手も …… ツキガキレイダカラ ……… …電話(ベル)が 鳴る。
はさみを持って 歩けるように 食事をしながら 転べるように 磁石を蒔く 落したはさみは 地面に吸い込まれ 蒔いた磁石からは 眠れる匂いの草が生える とがった磁石を踏んだとしても はさみの音を忘れない 瞼は少し重くなる
諦めという名の優しげな笑みを張りつかせたキャバレーの呼び込み ホテル街へ抜ける路地でいつも会う中年のオカマ 上下同じ色のジャージを着たトルエン売りは聴き取りづらい言葉を連呼し 十字路で金切り声を上げながらヤクザさえも寄せつけない勢いで電飾看板を蹴り続けて いる年頃の娘はきっとまた精神病院で眠らされる わたしは誰一人として彼らの本名を知らない 慈愛の街 今夜も優しくわたしたちを包み込む 部屋へ戻れば 今日も薄い壁越しに聴こえるのは ポルトガル語の怒声と女の悲鳴 地球の裏側にいようが同じアパートに住んでいようが わたしと彼らとの距離は常に一定に保たれている ある人間のおかげで生きて再び朝を迎えたわたしが吐き気と闘いながら歯を磨いている その時 この街から三〇キロ程西にある駅で 誰かが電車の腹に抱かれた ダイヤが乱れ わたしは今日も遅刻だ しかし なにも気にならなかった
見よ 僕の心臓を 僕の赤銅の血を このマグマの熱さを そして聴け 核のように爆発を繰り返すこの鼓動を 全てを燃やす永久の機関よ さあ、僕を動かせ。僕の四肢をもて世界を蹂躙させよ 赤くも紅い真実の化身よ さあ、僕の血を吸え。さらにその身を朱に染め正義を求めよ 僕の胸に在る僕の心臓よ 明日もまた、僕を歩かせよ。明日もまた、一歩一歩、力強く。
桜を食む少女 黒い瞳でちらりと見遣り 「貴方も一皿、どうですか?」 散る桜 喰われる桜 唇から漏れる快楽の吐息は 誰かの逆上を呼び覚ます 桜を食む少女 白い首筋ゆらりとかしげ 「貴方も一口、どうですか?」 熟れた桜 惑える桜 言の葉は花に交じりて 尖った刃と突き刺さる 桜を食む少女 噛まれた指に滴る紅色 「貴方も一回、どうですか?」 萎びた桜 千切れた桜 崩れ落ちるは我が脚の感覚 見上げればそこは少女の笑い
アイスバーンの多い道を 誰もが うつむいて歩く 自分の踏みしめるべき場所だけ見つめ 注意深く足を運ぶ 自分のことだけで精一杯 他人のことなんて考える余裕はない 何度も転びそうになりながら僕は 氷の溶けるのを待っている
明日が今日になってしまった真っ暗な道で、アルコールの心地よい浮遊感 に酔いながら、ふと目をやったドブに捨てられていた昆虫の図鑑からは、 蝶のページだけが、まるでヒステリックな女が引き裂いた昔の男の写真の ように、激しく破り去られていた。そこに「ない」ということが「ある」 ということもあるものなんだな、などと酔っている割にはっきりとした感 覚でそう考えたおれは、それもよかろう、そうつぶやいて図鑑から索引を 破り取った。これで、この昆虫たちは索引という鎖に自分たちの名を縛ら れることなく、飛び立てるだろう。 展翅板の唸りが、おれには聞こえた。
ただの生き物でしかないはずの僕らはどうしてこんなに悩まなければならいのだろう。 ただの生き物でしかないはずの僕らはどうしてこんなに苦しまなくてはならないのだろう。 ただの生き物ではないはずの僕らはどうしてこんなに無知なのだろう。 ただの生き物ではないはずの僕らはどうしてこんなに弱いのだろう。 でもきっと、僕らがただの生き物でしかないということを本当に知っている人がただの生き物ではないのだろう。
空はどうして青いんだろう? そう大人に聞いてみたら 海がなんとかだから空は青いんだよって むずかしいことを言うかもしれない でも もしそういう大人の中に 空にも海があるんだ 神様たちの海があるんだよって そういう考え方のできる 大人がいたから とても"素敵"なことなど思う 私は空や海の様に透き通った そんなBLUEがダイスキだよ
金色稲穂の刈り入れ時期を 今か今かと男衆 白く輝く楕円の粒に 金色輝く麹の粒が 踊る白米湯気立つ舞々 今宵男衆酒造り 揉めや捏ねろや麹と米を 塩持て酒持て酒祀り 唄う男衆湯気立ち舞々 今宵月下の酒造り 静寂包まる酒蔵の中 生まる気泡は命の息吹 踊る気泡に漂う微香 今宵男衆月祀り 金色稲穂が波打ちたるを 今か今かと男衆 今年蔵開け唾飲む男衆 此処に出るは一番米酒 踊る男衆汗ばむ身体 今宵酒持ち月祀り 今宵月下の酒祀り
君の毒にやられたよ なんでもないようなふりして 振り撒く笑顔の裏側に 隠れたものを知ったとき 僕には君しかいなかった 君の毒にやられたよ なんでもないようなふりして 流した涙の裏側に 隠れたものを知ったとき 僕は君しか見えなかった 君の毒にやられたよ 君が笑い、君が泣くたび 僕は君を抱きしめた 君の毒が僕の心臓に届くと 僕はいてもたってもいられない 僕は全身、君の毒に冒されているから…
どうにもならない私が捨てた 空虚で小さな籠の檻 私の役目は鳴き続ける事 どうにもならない私が捨てた どうにもなれないトリの役 籠の中から勝ち取った 空虚で小さなトリの役 どんなに温められてても 冷たい羽だけ凍えてて 白くて小さなトリの羽 もう私にはいらない翼 はばたいててもずっと独りなら 空があっても意味がないから
歪み、呻き、のた打つさまが 醜い程、薄汚い程に陶酔は深まり 怒りにも憎しみにも似た衝動に 突き動かされる コワレロ 身体中を駆け巡る コワレロ 止めどなく膨張する コワレロ 極限へ加速する ・・・・っああ 瞬間の恍惚に 粉々に飛び散る
果てない空に覆われて 果てない道を歩くことに 迷いなんて無いのです。 老人は分厚い本を読みながら呼吸をやめて、 そのベンチの片隅では男と女が唇を重ねて、 明るい陽射しを浴びた空腹のハトは イビツに空へと羽ばたきました。 突然、線を突き付けられたのです。 ここから先にはもう進めないのだと。 果てない闇が支配を始めました。 果てない道の真中で、涙は止まりませんでした。 朝が来て、一本の線に背を向けました。 かつて歩いた道を懐かしく思いながら、 いくつかのことを考えました。 いつかの老人の分厚い本の続きを、 今度は自分が読んでみよう。 いつかの男女に笑いかけ、 祝福の言葉を与えよう。 いつかのハトに豆をやり、 傷んだ翼を優しく撫でてあげよう。 置き忘れたものはあまりに多く、 どこまでも戻っていけるのです。 無くしたものを拾い集めながら、 いつか、どこかへ、辿り着ける。 それでいいんだ、と、思えたのです。
ゴミ箱の中で ゴミ達が捨てていく 曇らぬ宝石を
黒くて苦い飲み物 あなたはブラックで飲むのが好きだった 私は甘い甘いのが好きで どちらかいうとオレンジジュースとか ミルクティーなんかが好きだった おまえはきっと、いい女になるよ あなたはブラックを飲みながらそう言った まるで小さな子をあやすような目をして ちゃんと、幸せになれよ あなたはブラックを飲み終わってそう言った 私はあなたがいなくなってもそこにいて コーヒーをたのんだ お砂糖もミルクもいれなかった とっても苦くて、苦くて泣いた
あたしたちは、食べます。 お腹がすいていなくても食べます。 ある人はお腹がすいても食べません。ある人は、食べたあとに、吐きます。 食べても食べても――吐いても吐いても――いくら我慢しても―― あたしたちは満足できません。 もっと、もっとと誰かがささやく。 あたしたちは、飢えています。 貧困にあえぐひとびとの、栄養失調の姿を、あなたはきっと見たことがある でしょう。……TVで。 そのイメージは、ちょうどぴったりです。わたしたちの心象風景にぴったり とフィットします。 あたしたちは、感情を食べます。 目の前にうずたかく積まれた食物は、食物ではありません。 例えるなら、土です。感情を埋めるための。 食べずに死んでゆくひとたちは、感情を麻痺させるために飢餓感を使います。 あたしたちは、生きるために、食べ物を使います。 あたしたちを包んで護ってくれる、毛布のように。
言葉と人は浅瀬の魚 泳ぐことも浮かぶこともしないで 青い空の空気を吸い込んでいる 秒針はもはや時をきざまないし 時は思い出を記憶しないので 歌がきちんと記憶を記録しようとする それで毎日歌をつくることにするが 恋がどのようなものか知らないから それは歌ったとたんに恋の歌ではなくなる 僕らは夢を見ようか 眠るのには遠いし 起きているには浅すぎる
幕の内弁当を食べる順番なんて 誰も気にしたりしないけれど どんなにこだわったって 結局のところどうでもいいことなんだろうけど 後からかんがえたら、どっちでもよかったって やれやれってためいきつくようなことなんだろうけど それが私のポリシー? 誰から言われたわけでもないのに 誰に呼ばれたわけでもないのにふと立ち止まって 後ろを振り向く。 君はいったい誰なんだ ――眼 愛? ショーウインドーにうつった私の顔と眼と眼が合って 少しほほえんだ。 傾いた夕日に長くのびた私の影が、そんな私を軽蔑する 幕の内弁当を食べる順番なんて とっても大事なこと どんなにこだわったっておなかに入ればみんなおんなじ どうでもいいことなんだろうけど 順番待ちのコロッケが わたしの箸を待っているって ……ンなわけないか?
あたしは悪い子です 喫うのが好きです 呑むのが好きです 大人のふりをするのが好きです 平日の昼間のドトールが好きです 傷つけるのが好きです ペンケースにカッターを入れるのが好きです だから長袖の服が好きです 白い錠剤が好きです 真夜中が好きです 貴方の声が好きです 茶色の髪が好きです 冷たい手が好きです そして影が好きでした もういない貴方が好きでした。
居心地のいい場所を追い出されて、僕らは泣いた。 泣き続けて、疲れて眠った。 目が覚めて、今日からはここが『世界』なのだと、気が付いた。 そして、ゆっくり、立ち上がる。 青いヴェールの向こうから、僕らを呼んでる声が聞こえた。 だから、僕らは歩き出した。 大きな壁に戸惑って。 小さな石につまづいて。 分かれ道で立ち止まる。 それでも僕らは前を目指す。 僕らのゴールはどこにあるのか。 僕らのゴールはまだ見えない。 ゴールの先には何があるのか。 僕らはまだ、何も知らない。 だけど、僕らは歩き続ける。 それは、きっと、大切なこと。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彷徨へ。
答えを求めている と いうよりは 式にあてはめて落ちつきたい そんなぼくら
雨の日に ヘルメットかぶり 原ちゃ乗る ヘルメットに 水が引っつく 見えにくい ワイパーが 欲しいって思う 信号待ち 「ヘルメットにワイパーって 晴れの日じゃまじゃん」
・・・まるで。 まるで私だけが、世界の中に取り残されたみたいに。 ちっぽけで、何も出来なくて。 無力で、悲しくて。 何の、長所も無いから。 私だけが。 私だけが、一人では生きて行けないみたい。 ――そんな、気がした。 まるで。 それは、月の様。 自分では、輝くことも出来なくて。 夜空にぽつんと、仲間も無く。 風に、吹かれるかのように。 ・・・それは、ただ。 静かにたたずむ。 本当に。 ・・・本当に、ただ、それだけ。 にわかに、降る。 雨が、降る。 ・・・月の光に照らされて、 地面に、降り来る雨が溜まり、輝く。 ・・・それも、まるで月の様。 自ら、輝くことも出来ず。 そしてそれは。 ・・・いつか、誰も気づかぬ間に。 ・・・消えて、しまうんだ。 眠れない夜には。 ただ静かに、夜の闇を見渡すと。 風の音も、ゆれる木々の音も。 ただ、静かに。 静かに、夜の世界に響いているんだ。 ・・・勝手に決め付けてしまって、本当に申し訳ない。 けれど、ごめんね。 私はどうしても、あなた方と一緒のような気がする。 どうしてもどうしても。 ほら、考えてみてよ。 夜の世界は、ほら、考えてみて。 朝の世界とは、同じようで、全然違う。 ――寂しいんだもの。 一つ一つの輝きが薄れて。 だから、寂しいんだもの。 ・・・私も、寂しいんだもの。 自分が、ぬれていることにすら気がつかず。 ただ、夜の世界と一つになりたい。 朝なんて、来なくても良い。 だって、私は―― ・・・朝なんて、嫌い。 ――ただ夜に、溶け込みたかったから――
わたしの中には赤ちゃんがいるのよ 名前はつけてないの だってこの子 育たない子なんだもの とってもかわいいのよ ゆりかごに乗っているの きらきら笑うのよ ふにゃふにゃ泣くのよ それから 神様みたいに怒るのよ ゆりかご揺するその手は誰のもの? ゆうらりゆらゆら ふうらりふらふら くうらりくらくら ぐうらりぐらぐら がたりがたり ごとん ゆりかご揺れる ゆりかご揺れる わたしの中には赤ちゃんがいるのよ よく似てるって言われるの ゆりかごに乗っているのよ
明日は世界中の人々 なんでもアリな日 ホラー メルヘン 強盗 SF ポルノ ファンタジー コメディー 大怪獣 全部 アリな日 何をしても 許される日 なんでもアリな日 そんな、凄い日に 俺は何をするか というと お前に会いに行く ただ、これだけ つまり、明日は なんでもアリな日
雨が土を分けて そこに川ができて 海まで通じて 魚が下って また戻ってきて 延々と命が育まれることが望ましい 鳥や虫もいて 人もいて いつでも帰れる場所がいい
「お母さん。絶対来てよ」 我が子Hが、目を輝かせながらそう言った。 「ボク、ドッチボール得意なんだよ」 自信たっぷりにまた言った。 クラス対抗のドッチボール大会が 楽しみでしかたがない様子だった。 さてその当日の 熱気に包まれた体育館のコートの中 我が子Hは、 すさまじい勢いで飛んでくるボールを たじろぎもせず真っ向から 身体を張って受けて止めて 周囲の歓声を一人占めしている いわゆるヒーローの ちょうど影に隠れて 逃げていた。 その逃げ方は 半端ではなかった 誰よりも真剣に 誰よりもすばやく 追ってくる敵のボールの行方をキャッチして 逃げて逃げて 逃げまくっていたのだ あの子はおそらくいつもよりずっとがんばって 逃げているのに違いない あたしが見ていることを意識して 一生懸命に逃げることによって あの子はあの子なりに ドッチボールと闘っているのだ 終わったら駆け寄っていって よくやった。 よく逃げた よく逃げきったね と ほめてやろう あたしだけは あたしだけは せいいっぱい あの子を
丸いかたまりを 一口かじった 甘酸っぱさが 口の中に広がった それは あなたと僕の間にある 赤く大きなリンゴです
眠れない、眠れない、眠れない。 Betに入っても眠ることが出来ない。 薄明かりのこの部屋にわたしは眠れずにいる。 このBetには温もりはない。 寂しい、寂しい、寂しい。 この広いBetにちっぽけなわたしがひとり。 目を閉じて静かに身体を静めてみる。 眠りに落ちたのならそこにあなたは居てくれるのですか? 夢を見させてくれるのですか? 愛したい、愛したい、愛したい。 あなたにこの愛を捧げたい。 思いきりこの身体に愛を感じたい。 病んだこころをあなたの愛で治して欲しい。 あなたはもう眠ってしまったの? わたしも早く眠りに落ちたい。 目覚ましの鳴るまでの時間、わたしを愛してくれますか? 夢の中でもいい、あなたと愛し合いたいのです。
天頂の青 四角い枠に囲まれた空の下 床に転がった僕はようやく その単純な事実に気付き始めた 根元の残雪に向けて その扉は開かれているけれど 木陰の静けさに沿って その道は伸びているけれど 僕は床の上に転がった 固くて冷たい ひとつのピンセットに過ぎなかった 床の上に転がった 金属製の小さな ひとつのピンセットだった 中空の銀 夜闇を登る月の下 冷たい光を浴びながら 鈍く輝きもするけれど 錆びついたその切っ先に 金糸を摘みもするけれど それでも僕は ひとつのピンセットだった 床の上に転がった ひとつのピンセットだった 残雪だったなら 静けさだったなら 扉の軋みを聞いたんだろう 道の往来を見下ろしたんだろう 床の上からでは ピンセットに過ぎない僕では 四角い青空を信じる事もできなかった 扉の軋みを聞く耳を ピンセットは持てなかった 道の往来を見やる目を ピンセットは持てなかった ピンセットは夢を見ている ピンセットはいつだって、夢見ていた
眠る前に君の手を握るのは 別に愛しいからじゃない。 意識が遠のく その瞬間 ただ一筋の温もりに すがっていたいだけ。 ただ それだけ。 それなのに 他愛無い癖だと 微笑み返す君。 きっと また鉛味の黒い夢しか見ない。 仕方ないから 手を握るだけ。 その温もりが 苦しくて 抜けだせないだけ。 君には申し訳ないけれど 君だって僕をこんなに苦しめるじゃないか。 だから 今夜も手を握らせて。
形なきものに乾杯。新しき可能性を存続。計算外の憂鬱に晴れておおきな実りをささごう。 けだるい神秘の群れに敬愛。語る声から頭の上を思う。それ全てに感謝をまた注ごう。
厚底の コギャルうらやむ みぞれの日
その箱には触ってはいけないよ、と神様は言いました 「箱の底には『希望』なんていう厄介なものが眠ってるからね」 そしてここにいる。 悪意に脅え、憎悪に駆られ 希望に侵され そしてここにいる。
いつだって 砂時計を逆さまにすれば 3分先が見えて 繰り返すごとに 3分の未来は約束されて 何度繰り返しても 砂が減る事はないし 何度繰り返しても 砂は規則的に落ちる 「使い捨てのように時間を消費した」 いつか砂時計は 倒れ 転がり落ち 砕け散り 時を刻まなくなる。 当たり前の事が 当たり前でなくなる時 時を刻まなくなる。
「ここには何もねえよ。」 「この先には何もねえよ。」 霧のアドリア海を抜けて、終点サンタルチアに着く。 この街はどうだ。おとぎ話だ。 覗き込んだ水面に映るのは、俺の顔だ。 Venise!Venise!Venise! 俺はここまで来た。 あんたはどうだい?
バスに揺られながら 窓の外を眺めていた すべてを溶かすほどの 熱い風に吹かれて いつまでも暮れない夕日は 別れを惜しむように 影は伸びて 形はぼやけた 長い長い道を 僕はひとり歩いている 捨てられてた蒼い スカートが雨に滲む いつまでも止まない声は 命を惜しむように 影はとぎれ 気持ちがあふれた プールで息を止めたら 懐かしい想い出よみがえる 枯れた赤い涙 下水に流れた 気がつけばそこは 深い深い水の中 忘れられた想いが 遠く遠く沈んでゆく 色あせた景色の中で 空気も薄くなる 喉は渇き 朝日は歪んだ プールで息を止めたら 懐かしい想い出よみがえる 枯れた赤い涙 下水に流れた サイダーの泡のように 消えるための衝動 何もこわがることはない 流れるままに
投稿受付───2月28日迄(終了)
発表───3月1日〜
投票───3月1日〜3月28日迄
結果発表───4月1日
次回参加される皆様に。
詩人登録と作品投稿は別メールで送ってください。
作品には必ずお名前とメールアドレス、HPのある方はアドレスを記入してください。
お名前なしやメールアドレス不明作品は掲載できません。
また40字改行のないものも掲載されない場合があります。
投稿前に必ず確認してから送信してください。
参加作者は必ず投票をしてください。
第5回詩人バトルチャンピオンは、
poem8『脱出』大覚アキラさん作に決定しました。
大覚アキラさん、おめでとうございます。
票を得た方もそうでなかった方も、次回でまた頑張ってくださいね。
感想票をお寄せいただいた読者の皆様ありがとうございました。
| 作品 | 票 |
|---|---|
| 脱出(大覚アキラ) | 3 |
| や〜ん\(*>ω<*)/靴の中がベチョベチョ(春九千) | 2 |
| ノクターン(葉月 涙) | 2 |
| 磁石(りっと) | 1 |
| 時(rin) | 1 |
| 毒(少年) | 1 |
| 成り上がることに成功した古典の河原芸能とは最早なんの関係もないその街(竹原 秀) | 1 |
| オブジェクト(暁) | 1 |
| 生き物(有機機械) | 1 |
| 川がある風景(sachi) | 1 |
| ブラックコーヒー(しゅあ) | 1 |
| 方程式(163) | 1 |
| 摂食障害者のつぶやき(かずみ) | 1 |
●脱出(大覚アキラ)
●や〜ん\(*>ω<*)/靴の中がベチョベチョ(春九千)
●ノクターン(葉月 涙)
●磁石(りっと)
●時(rin)
●毒(少年)
●成り上がることに成功した古典の河原芸能とは最早なんの関係もないその街(竹原 秀)
●オブジェクト(暁)
●生き物(有機機械)
●川のある風景(sachi)
●ブラックコーヒー(しゅあ)
●方程式(163)
●摂食障害者のつぶやき(かずみ)
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