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詩人倶楽部

第6回詩人バトル
poem35

睡れる花

作者 : 狭宮良祇簾 [さくらしれん]
Website : http://willowslord.hoops.ne.jp/
花が散る
その名も知らぬ
憶えたばかりの花が散る


いつかまた
また廻り来るこのときに
三百六十五日の春に
移るその色を懐うだろうか

花弁の散ったそのあとに
萼の落ちたそのあとに
瞼に映る彼の色を
守っているのはひとりだろうか

樹上に宿った春の日は
見上げた顔を 忘れるだろうか
跡さえ残らぬこの土は


いつかまた
また廻り来たそのときに
ひととせかぎりの一度の春に
映る彼の色を見上げるだろうか

私の去ったこのあとに
節気の過ぎたこのあとに
跡さえ残らぬこの土に
誰があかしを 求めるだろうか?

花が散る
その名も知らぬ
憶えたばかりの花が散る

三百六十五日の春に
再び此処に立つことがなくとも
花の午睡は廻りを告げる

樹上に宿った春の日を
私は笑って 見上げている
どれほど冷たい土の上でも
足跡の続きは いつも 此処にあるから。






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