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poem9
葉月みか
Flash

あたしは泣いてるあたしを見た

そのあたしは水の入っていない金魚鉢の中で膝を抱えて座ってた
傍らでしおれてる水草が嫌だったけど
足元に死にかけの金魚がいないだけましだったのかもしれない

泣いているあたしはひどくみっともなかった
泪でベトベトの頬に髪がはりついてたし
横隔膜に癖がついていびつなしゃっくりをしていた
それを見てたらあたしはなんだか無性に腹が立ってきた

――そんな風に泣く子はキライよ

金魚鉢の中のあたしが死にかけの金魚よりも早く跳ね上がった
でもそれより驚いたのはあたしの方だった

――あんたのその目が嫌だって言ってるでしょ

怯えた眼差しを隠すようにすばやく目を伏せたあたしを見て
ものすごくイライラしながらトゲだらけの言葉を投げつけた
あたしにも止められなかった

まるでママそっくりだった

あたしはその声でその口調であたしにとどめを刺す

            *

あたしは泣いてるあたしを知った

目が覚めたら泪でベトベトの頬に髪がはりついてた
陽光に晒されてユラユラきらめいてる金魚鉢の中で
ピクリともしない金魚が微かな悪臭と一緒にただ漂っていた







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