第10回高校生1000字小説バトル
Entry1

ビバップを料理屋から。

作者 : 梅田 小径
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文字数 : 1000
「なぜ震えているんだ。ミフェール?」
「なぜかって? 2つあるんだ。ジャエル。一つは、今日読んだ小
説で、会話の最後に『私たち終わりね』(爆)って書いてあったん
だ。革命が起きたと思ったよ。先住民の大量虐殺だよ」
「フュー。そらすげえや! そいつは革命だね。悪い方の革命だ。
思わず踊っちまうぜ!」
 そう言って、ジャエルは阿波パラパラをブルーグラスで踊りだし
た。
「踊るなよジャエル。ともかく、それは重要じゃないんだ。むしろ、
もう一つの方が重要だ」
 なんだよ。って、今度は1人ワルツを踊りながら、ジャエルは訊
いたんだぜ。ミフェルはぶるぶる震える指を俎板に向けた。指をさ
したんだ。詰めたんじゃないよ。
「あのフィッシュが、俺を睨むんだ」
「ヴゥラザー。 そんなことあるわけが無いだろう。あったとして
も、向こうは死刑囚。こっちは死刑執行人。君が断然有利な立場じ
ゃないか!? 一気にやっちゃえよ」
 阿波パラパラ〜ワルツ〜トンガダンスの移行期に入ったジャエル
は、そうミフェルを諭した。
「君はウェイターだから言えるんだ。コックの僕は、たくさんの生
命を殺めてきたんだぜ。君は天国いけても、僕は地獄さ。地獄の女
教師2さ。地獄のコップ2さ」
 落ち込むミフェルを、ジャエルは、
「そんなこと無いぜ。なんだったら、俺の天国行きを君に譲っても
いいよ。」
 って、慰めたのさ。いい奴だぜ! ジャエル。たいしたタマだよ。
あんたは。
「じゃあ、もう一度だけやってみるよ」
 ミフェルは、が俎板へ向かったんだ。そこには、穴子のようなカ
サゴが、桜海老みたいなおめ目をしていたんだ。カタギじゃないら
しく、刺青に『喧嘩上等』って、書いてあったよ。
「どうやってするんだ?」
 『喧嘩上等』を呆然と見ながら、ジャエルはそう言ったんだ。く
そ。俺のトークは小堺の5分の1ぐらいだ!
「許せ水族!」
 ミフェルは、容赦なく、力の限り、冬季限定のマックスパワーで、
料理斧を振り下ろした。真っ二つになったよ。容赦なく血を噴いて
ね。暴走カサゴの最後さ。穴子も桜海老ももう忘れた。そこはさな
がら殺人現場。
 2人は、手をたたきあって喜んだ! 血まみれだったけど、ハッ
ピーだった。
「やったな! ミフェル! これで君は一人前さ」
「ありがとう。ジャエル。これで、君がいなくてもやっていけるよ」
 じゃあ、早いところ料理を作ってくれ。客が待ってる。分かって
るよ。そう。
「さあ、僕を料理して」(爆)