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第5回高校生1000字小説バトル
Entry3

白い友達

作者 : 神條あかね
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文字数 : 994
  彼を見たのはちょうど7年前の今日だった。
  たしか小学校3年生の時。
  彼は寂しそうな目をしていたっけ。
  私が側によるととても喜んで近づいてきたなぁ。
  でも、どこに住んでたのかわからない彼を家に連れて行く事は出
来なかった。
  その日、お母さんに彼の事を話してみた。
「だめよ家では。面倒見れないでしょ」
「やだ!  放っておくの、すっごく辛かったんだから!」
  その後お母さんの事が嫌になって家を飛び出した。
  もちろん、向かった先は彼の居た公園。

「ごめんね、さっき置いてっちゃって。でももう大丈夫だよ。
ずっと一緒にいてあげるからね」
  そして、白い小犬を抱きかかえたんだ。
  そう、彼は捨てられた子犬。公園に来てすぐだったんだろうな。
  毛並みが奇麗だったのを覚えてる。
「あなたは今日からシロだよ。あたしの大切なお友達」
  その日は夜遅くまでシロと一緒に居たんだ。
  家に帰りたくない、そんな風に思ったの初めてだったなぁ。
  もう真っ暗になった頃、お母さんが心配そうな顔をして私の名前
を叫んでたっけ。
「アヤ!  よかった無事で・・・・」
「・・・・シロと一緒にいるもん。1人にしたくないもん!」
  その時は必死だったなぁ。
  やっと大切な友達が出来た気がしてさ。
  離れたくなかったんだよ。
「アヤ、あなたの気持ちよくわかったわ。そのワンちゃん家で飼い
ましょう。新しい家族のシロちゃん、よろしくね」
  あの時はとっても嬉しかった。小さな彼を小さな私がきゅっと抱
きしめる。
  自然に涙が出てきた事も覚えてる。
  でも、彼は・・・・シロはあの時に・・・・

「シロー、どこにいるのー?」
  私が散歩に連れていった時に、前から走ってきた自転車に驚いて
彼は逃げてしまったの。
  体育が嫌いだった私は当然のようにシロを見失った。
  泣きながら探した。あの日と同じように、夜遅くまで外にいた。
  それでも見つける事はできなかった。
  あれから5年、私の部屋にはまだ彼の写真が飾ってある。
  いつ戻ってきても良いように。

  私はいつの間にかあの日彼と出会った公園に来ていた。
「くぅ〜ん」
  小犬の泣き声?
「わんわん!」
  小犬が駈けてった先に一匹の犬がいた。
  私の目にたくさんの涙がたまった。
  そこにはシロがいたのだ。私達が出会った場所に彼は戻っていた
のだ。
  でも、私にはわかった。彼がもう息をしていない事を。

  私はシロを埋め、彼の子供を飼う事を決意した。
  大好きだよ、シロ。






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