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第6回高校生1000字小説バトル
Entry2

同じ時を

作者 : えむら
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文字数 : 995
 夏はもう終わった、暑い中、僕の中で僕はどれだけ変わったのだ
ろうか。何も変わってないのだろうか。何も変わっていないのでは
ないか。僕がいつも抱く疑問、何年前からだろう、変わらなければ
ならないと思って、結局何も変わらなくて。
 ある夏の日、僕は目覚めた、幻のような朝、いつも日は幻だと感
じていた僕。一日で何かが変わり、時は過ぎ、また一日時が流れ、
また元に戻る。そんなことが繰り返されていて、人は眠れば違う生
き物になるかのように思えていた。目覚め眼でいつものようにダイ
ニングに向かう、いつものように母親の声が聞こえ、また、いつも
のように朝食をとる。一日が過ぎて前日の喧嘩の痕もまるで無かっ
たよう、虚しささえ感じる。「今日は部活あるの?」母の、そう、
いつもの問いかけだ。その問いかけにいつものように僕も「あるよ」
と答える、朝食が終わり僕は制服に身を包んだ、今から学校へ向か
う、部活をしに、この部活の人間間係が今の僕にとっては最も複雑
で、最も厄介なものだ。
 学校へ向かう電車の中、僕はいつも思う、僕は何を見ているのだ
ろうと、焦点はどこにも合わず、宙ぶらりんな僕の眼差し、何かを
考えているようであり、実際何も考えずに「どこか」を見ている眼。
知らない間に学校につく、体がかってにそこへ行こうとするのだ。
何も思うことではなく、別段そこに行く願望も無いと言うのに。
 体育館の扉を空け、同級生達と挨拶を交わす、昨日は仲が良かっ
た、今日はどうなのだろう。おかしな話だが、僕はいつもこう思っ
て友人達と挨拶を交わす、いつもがいつもとは明らかに違う僕の立
っているこの社会。昨日の意識を今日に持ち越すことは許されてい
ないのだ。安定など無い、常に移り変わる仲の良さが毎日変わる、
この不思議な小社会。
 コートへ向かった、また違う友人の姿、同じように思いながらま
た挨拶を交わす。もちろん、昨日という日の話題などでる筈が無い。
しかし、僕達は別段仲が悪いわけではなく、むしろ他人目では仲が
いいとも移っているらしい、とても不思議な感じ、そこに先輩が現
れ、号令がかかる、そうすると練習が始まるのだ。
 何も変わらず、何も起こらず、次の日には全てが消えていて。た
った一ヶ月の間に、何が変われるのだろうかと僕はふと思ってしま
う、結局、何も変わらなかった、次の日がくれば、今日は継続して
はいない、違う社会が始まっているようなとても虚しい気に、僕は
いつも晒されていた。






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