第8回高校生1000字小説バトル
Entry2
「なんだこりゃ?」 俺は思った。なぜなら俺の畑に(俺は一応農業をやってる)大きな 穴が開いているのだ。 大きさは直径が約1m、深さは大体2、3mって所だった。 昨日は何も無かったはずなのに…。 「参ったなぁ」 誰の悪戯かはわからないが急に腹が立ってきた。 本当にただの穴だがよく見ると奥の方に取っ手のようなものが付い ている。 「なんだってんだ、クソッ!」 誰が聞くともない悪態をついてみた。 だが事態は何も変わらないのだ。俺はなにかしら行動を起こしてみ る事にした。 「とりあえず埋めるか?」 そう思ったがふいにあの取っ手が気になり始めた。人間の欲という ものは始末が悪い、俺はこんな事を考えてしまったのだ、あとで後 悔するとも知らずに…。 「あの取っ手、引いてみるか。なんか埋まってるかもわからないか らな」 だが深さ約3mの穴うかつに潜るほどのバカではない。一旦家に戻 り鉤付きの棒を用意することにした。 翌日俺は例の穴のそばに例の棒を持って立っていた。 はたから見てると訳がわからないだろうが俺は速やかに棒を穴の中 に突っ込んだ。 満身の力を込めて引っ張る…ほどでもなかった。取っ手はスルスル と俺の足元まで上がってきた。 ここでわかったのは取っ手の下には金属製の蓋がついていることだ った。 「本当に訳がわからん」 妙だったのは足元まできたその蓋が押しても引いてもビクともしな いことだった。 仕方が無いので上から土をかぶせて何も無かったようにするしか俺 には出来なかった。 その夜俺はTVのニュースを見て仰天した。内容はこうだった。 「こちら東京湾沿岸です!現在何らかの原因による急激な海面の上 昇により日本列島の周囲一帯が水浸しになっています!このため付 近の住民は避難を始めていますが死者、行方不明者ともますます増 える…」 俺は叫んでいた。 「違う!逆だ!海が上がったんじゃない!日本が、日本が沈んだん だ!」 原因はわかりきっていた。 知っていましたか?海面が2m上がる、または日本が2mほど沈む だけで日本の沿岸部に壊滅的な水害が発生するんですよ。
![]()
◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
◆投稿された各作品・画像等の著作権は、それぞれの作者に帰属します。出版権はQBOOKSのQ書房が優先するものとします。
◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。