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第4回中学生1000字小説バトル
Entry2

甘い天使と月と僕

作者 : BlueBlue
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文字数 : 998
 ……今日みたいな、満月の夜だった。
僕は、二階の自分の部屋から、ぼけーっと月を眺めていた。
 思わずうとうとしかけた時………

「ねぇ、そんなトコで寝ると風邪ひいちゃうヨ?」
突然、声がした。
 ハッとなって顔をあげると、窓の外に、女の子がいた。
 浮いている。
「だっ、誰だっ?!」
「私?……誰だと思う?」
「……ぇ?」
「私、天使だよ。遊びに来ちゃった」
 嬉しそうな笑を絶やさない。
「…天………使……?」
「そ。天使」
彼女はくるんと背を見せた。
 見える。
 雲みたいなふわふわの羽根が生えてる。
「飛べるんだよ〜♪いいでしょ」
「いっ、いいでしょって言われても……」
 彼女は自慢げにはばたいたりして、その辺を飛び回った。
 微かに、甘い香りが漂う。
「?」
「……気付いた?」
振り向いて微笑みかける。
「何の香りだ?」
 僕がわざと用心深げに聞くと、おかしさを懸命にこらえた顔で、
「…ねぇねぇ、人間は、私達天使の羽根を、どう思う?」
「え?」
僕はしばらく考えて、
「鳥の羽根みたいな、真っ白なモンだと思うけど……?」
 彼女は、ふふふふっと、笑いをこぼしながら答える。
「それはず〜っと前の話。今じゃ、ホントに高級な天使以外は、こ
ういう羽根を持ってるんだよ!」
 少しはためかせる度に、甘い香りが立ち篭める。
「何の香り…?」
「あのねぇ、綿菓子なの!」
「はぁ?」
「皆は雲の羽根だけどね、私は綿菓子なの。そっくりだけど、綿菓
子の方が素敵だよね?」
僕は、『そうかな……?』と思ったけど、敢えて口に出さずにいた。
 彼女は、ふっと顔を伏せると、
「…皆、雲の羽根の方がイイって、私の羽根を馬鹿にするの。私の
羽根なんだから、いいじゃない。ちょっとぐらい違ったって、同じ
天使だよね?」
「……うん」
僕が答えると、彼女の表情がぱぁっと明るくなって、
「だよねっ!」
嬉しそうに笑った。

 彼女と僕は、しばらくいろんな話をした。
 普段は雲に紛れている彼女の事、月の光を浴びるのが好きな僕の
事。
たまに人間達の世界を見下ろしていろんなコトを見ている事、見る
だけで手出し出来ない自分がちょっとイラつく事……

 様々な事を話すと、月を見上げて言った。
「あっ、タイムリミット。またねっ♪」
 次の瞬間、強い光が僕の眼を叩いて……

気付いたら、うたた寝の形で窓辺にいた。

 何しに来たのかよく解らない、お気楽で無邪気でゴキゲンな天使。
あれから結局会ってないけど……

 また、会いたいな。






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