第16回中高生1000字小説バトル Entry7
一昨日は曇りだった。昨日は少し晴れてたかな。今日は晴れ。
いつもいつも、毎日毎日。俺が見ているのは鉄格子の隙間から、いつだって見ることの出来る空だけ。白い壁に囲まれて、俺は何を考えているんだろう。
三年も前の出来事が、まるで昨日のよう…には感じられない。十年以上も経ってしまったかのような、そんな感じだ。俺は、学年一の不良だったし、けど根は本当は弱虫野郎で、けど強がっていたくて。ただのアホだった。病院にたくさん居るおやじ達。そう、医者だ。あの、医者の野郎が、何も言わずに俺をこんなトコに閉じこめやがって。くそ。母親は泣き崩れた。なんとなく、わかった。自分のことだからな。あれだ、「告知は受け止めきれないと判断しました」ってやつだ。はは。はは…。
多分、多分だけど、死ぬんだと思う。よく、わからないけど。
この、白い部屋の中では、携帯電話は使用禁止なので、しかたなしに、三年前ほどから、ノートパソコンを使用している。母親が、用意してくれたのだが…使い慣れるのにはかなりの時間がかかったものだ。まあ、慣れれば、携帯電話より便利なのかもしれないが、電話ができないもので。それに、メールだってもう。二年ぐらいはごぶさただろうか。二年前まで一番根気強く続けてくれたのは、チハル。カノジョというやつだな。チハルのことは、ホンキだったし。好きだったし。多分、本当に多分だけど、チハルも俺のことを好きだったのだと思う。けれど。けれど。
理由もなく、こんなところにとどまってる俺をいつまでもいつまでも愛してくれるほど、チハルだってお人好しではない。チハルはかわいいし、きれいだし?性格だってかなりいい。よく、俺なんかと付き合ってくれていたものだ。今考えると、かなり不思議である。
最後のメールはチハルからのものだったわけだが…。このメールは何度も何度も消そうと思った。消そうと消そうと努力した。けれど、無理だった。メールを読むたび、かなり自己嫌悪におちいったりもしたものだが。
『もう、一年ぐらい、そこにいるんだよ。長いよ。ねえ。そっちも、もう、さめたよね?もう、一年も…だもんね。あと、それから、このメール、返信しなくてもいいからね。ごめんね。これ、最後のメールだからね』
俺は、このメールに今から返信する。理由は、俺が明日死ぬからだ。
『俺、明日死ぬ。色々ありがとう。もう、この言葉につきる。あと、あ、好きだった』