第10回中高生3000字小説バトル
Entry1
「駄目ですね」
「え……?」
「今の医学では、この病を治療することは不可能です」
「そんな、そこまで重いと言うことはないでしょう?」
「しかし、そんなことを言われても、私のコンピュータデータベースを見ればすぐに分かるんですよ。私がいくら素人でも、このコンピュータの選択によって、全て分かってしまう。もうそんな世の中になってしまったんですよ。そう、もう医者なんて、アルバイトでもできるようになるんですよ、いや、全て機械で制御されるようになるかな」
「…しかし、もしもそのコンピュータが壊れていたらどうするんですか?そんなの納得できませんよ」
「いえいえ、そんなことまずありえません。だってそのコンピュータも、また別のコンピュータによって管理されていますから、まったく心配は無いんですよ」
「………」
僕はだんだん怖くなってきた。この医師の理屈は、彼に通用することで、僕にはとても信用できるものではなかった。僕は医師の顔をもう1回じっくりと見た。
医師はあくまで優しく笑っていた。その笑顔はかえって僕を不快にさせ、恐ろしくさせた。医師はニコニコと笑っているが、腹の中では何を考えているのか分からない。僕のことを重症患者と言い捨て、一体何をされるのか分かったものではない。
「ではこちらに来てください。、大丈夫ですよ」
「何が大丈夫だって言うんですか!!このまま僕をどうしろというんですか。僕はもう帰ります」
「まあまあ、待ってください。このまま死を待つっていうのも考え物でしょう。もしも私の言っていることが正しかったらどうするつもりですか?」
確かに、万が一彼の言っていることが正しかったとすれば、ただ僕は死を待つことになる。それが一体どうしたというのだろうか。
「それで、何だって言うんですか?」
「コールドスリープですよ」
「え……?」
「体を凍らせて眠り、この病の治療法が発見されるまで待つ。既にこれを実行している患者は少なくありません。あなたが救われるには、この方法を使うしかないのですよ」
「………」
僕は結局、自分が死ぬのが怖くて、冬眠を実行することにした。 医師に案内され、何かのカプセルがある場所へと案内された。
「さあ、この中に入って、横になってください」
僕は言われた通り横になると、目を閉じた。
暗い…栓が閉じられたのだろう。これで、僕は、何十年も老いもせず、タイムスリップしてしまうのだろうか…。
「………?」
おかしい。少しも変化がない。冷凍システムが作動するわけでもない。
…まさか!!
システムが壊れたのか!? すると、僕はずっと死ぬまでこの中に居なければいけないのか!!?
「おい!!開けてくれ!!システムが壊れているんだ!!このままこんな所に閉じ込められるなんて嫌だ!!助けてくれ!」
医師は遠目にそれを見ながら、電話をかけた。
「ああ、動物園のかたですか?」
餌ヨウ トリアツカイ注意
「食料が足りないって、言ってましたよねェ…?」
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