九月 騙りなど 入る余地無し 自己紹介 十二月 久しぶり 出会ったラスト ウィンター 一月 私にも センス下さい 恋手紙 二月 あなたにも 微熱をあげる 魔法チョコ 三月 いつか来た 道を二人で 帰り道 四月 騙された ふりして隠す 軽い笑み 五月 誰だって 心に煙突 持っている 六月 質問す サマーウォーズ 見に行こう 七月 風に乗り 飛んで行きたい 入道雲 八月 百者に 宣言したい 幸福と 九月 ま、どうしよ 今更ながら あせるキス
倒れても起きなくちゃいけない 高校受験に落ちた僕におばあちゃんは言った 落ち込んだときに元気の出る音楽が一つもあれば良い っておばあちゃんは言った。 僕は、それはアントニオ猪木の入場曲かなって答えた。 僕はおばあちゃんに会うと いつもの人見知りを発揮して喋れなかった おばあちゃんを思い出すたび、聞こえてくるこえは 「元気ですかー」という言葉。ぼくはいつものことと思って一度も答えたことがない。 おばあちゃんの棺が遠くに行く。 猪木のテーマとウルトラセブンとリンダリンダ おばあちゃんのみんなを元気にする曲が流れる それは全部、僕とかおにいちゃんとか親戚のにいちゃんとかのみんなが元気になる音楽だった。 だから、笑っちゃったんです。 だから高校生にもなって、お父ちゃんから殴られてお母ちゃんから叱られました。 でも、泣いて笑って泣いて、最後には笑い転げていた だって、ウルトラセブンが入棺のとき流れてたから ありがとう、おばあちゃん 僕は元気です