その昔華やか大好き西洋人は質素な生活好む日本を黄金の国ジパングと呼ぶ西洋人は想像した金の家金の道金の街金の暮らし1度ジパング来てみれば質素な街に質素な精神ジパング伝説見事に消える9月には金の穂のなる田んぼ広がる質素な街に質素な精神質素な稲は黄金だったジパングここに存在する
昨夜の悲しみに滴る夜空に堕ちてゆく自分の影を眺めながら愛を探し小さく光る星が瞬くあなたを見つけたよもうこんな暮らしはごめんだなんて言いながら夢に付き合い自由を求めてるそんな世界のちっぽけな場所で必死に足掻いてる私には必死に光る4等星のあなたが誰よりも大きな存在だって信じてるだってそうでしょうその光はスポットライトではないけれど私を乏しく灯してくれる優しい光何年先になるのかな夢に手を伸ばし続けてるあなたの分身があなたに光を届けているよ夜空よあの人をあなたのもとへ堕としてくださいきっときっと
もういいんだと思って捨てた貝殻をいまはなんてことしてしまったんだと海へ探しに行くんだこれでもあれでもなくて海の中でわだつみの神がおまえも一人なんだなぁとざざぁんざざぁんざぶざざんと一緒になって泣いてくれるものだからその嵐をどこかで聞いているだろう貝殻を探しているんだ 見つからず それでもなお一粒一粒砂を指に掴んではこの感触ではないと捨てるんだ一度海へ返したものは二度と返ってこないんだと知ってもなおあきらめきれなくて
シンデレラってガラスの靴落としたわけじゃないんだよだって普通おとす?おとさないでしょあれだよ、計画してたんだよだって落としたらまた王子様に会えるじゃないえ?そんな計画的な女じゃない?ばか。女の子はそんなもんなのまた会えるためならしちゃうよ私だって毎日あなたの家に忘れ物してくでしょ?そーいうことよかわいいでしょ?うん。そりゃーもう、ありえないぐらいあなたが好きよ
ほんの少しでかまいません私に時間をくださいほんの少しでかまいません私に光をくださいほんの少しでかまいません私に音をくださいほんの少しでかまいません私に言葉をくださいほんの少しでかまいません私にぬくもりをくださいほんの少しでいいんです最後に私が生きたことをかみしめさせてください
※作者付記: 誰だって一生懸命に生きてるんだ。
私の言葉には真がないという私の言葉には嘘はないが真もないという私の言葉には意味はあるが力はないという私の言葉には義務はあるが感情はないという確かに彼女の言葉には真も力も感情もあまりあると思うしかし彼女の言葉には嘘も意味も義務もない私の言葉が彼女に不快であるのと同じように彼女の言葉が私には不快であった同じことをしているのに被害者面な彼女が気に入らない「パトカーは違反を起こしても違反者を捕まえる権利がある」誰かがいっていた違うと思う正義は100%正義でなければ正義といえないのではないか1%でも正義でないなら私はそれを正義とは認めない100%正義なら「パトカーは違反を起こしても違反者を捕まえる義務はあるが権利はない」が正解だろう違反者を捕まえたら違反者と共に刑に服すべきであるそれでは警察官がいなくなってしまうだから「パトカーは違反を起こしても違反者を捕まえる権利がある」になるのだろうつまり警察は100%正義ではないなのに絶対正義を疑わない彼女が不快である彼女の鼻に右ストレートをたたき込むたしかに私の言葉には真も力も感情もないが渾身の右ストレートは真も力も感情もあっただろう彼女の鼻血に少し頭がくらくらした
台風がやってきたそれは大きくて強くて巨大と呼ばれているそうです家の中に閉じこもれ!何でも飲み込む雨が好きです何でも吹き飛ばす風が好きです月も星も見えないけど雨と風の行方を窓から眺めていました窓からじっとアメアメフレフレ
夜鳴きラーメンのチャルメラを夜汽車の響が刻んでる鉄橋下のおんぼろ長屋、裸電球が指揮してる破けた畳にちゃぶ台一つ、影がワルツを踊ってる貧しいけれど、正直です学は無いけど、頑張ります身寄りも無いが、幸せです今日は嘘をつきました小さな嘘訪問販売してみたけれど、口下手なので辞めました紹介された町工場、体がきつくて逃げましたやっと作った借金で始めた飲み屋も営業停止一生懸命やってますだけどなんだかついてないやる気ばかりが空回り今日もまた嘘をつきました見え透いた嘘ゲーセンのちんけなパンダの縫いぐるみ深夜の茶店(さてん)でこっそり泣いてる女にやったやさしいのねって、女房になった大事にするさ、昔のことは忘れなよ嘘だと知らずにつきました夢という名の嘘いきつけの居酒屋で顔がきくのが自慢です人の気持ちが分かるのね、いい人だって言われます気前も良いし、明るし、親身に話を聞いてます所詮は女房の稼いだ金です職もないから時間もある嘘で洗った嘘です通りすがりの嘘それでもいいじゃないですか飲み屋に集まる常連なんて刹那刹那の仲間たちどこに帰るか知りもせぬありがとうなんて言われたらなんだか嬉しいじゃないですかやさしいねなんて囁かれたらとっても気持ちいいじゃないどうでもいいじゃないですかみんなでついてる嘘なんだから優しさごっこもいいじゃない誉め合いっこもいいじゃない夜鳴きラーメンのチャルメラを夜汽車の響きが刻んでるここから出たら夜風が冷たいからだから、いいじゃないですか
あめを舐めていると舌に痛みを感じて甘いあめの味と赤い血の味が混じる急いであめを取り出すとあめがクレーターのようにへこんでいたそこで舌を切ったみたい傷はいつの間にか癒えていたまるでそれは愛していた人に裏切られ傷ついた心のようだけどそれがそんなに早く治らないということぐらい知っている
安らかな寝息たてて向こう向いて寝るあなたにこの距離がこれ以上遠くならないようにとせめて私の鼻の目の前にあるごつごつした手の甲に指の先だけ触れたそれは偶然左手の薬指でそれが偶然なだけでうれしかった
沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。崩壊していく精神みたいに。虚無。失笑。絶望。海にまで埋もれし見苦しい醜い心境。埋め尽くしてしまうよ、、全部(埋まってしまえよ。)海は汚れし世は嬉し憂い。何か大切なものまで海に沈んでしまった様で、何かが無い。何も無い。そんなもんだ。それを人はこういう。沈没。 沈んで仕舞えば終りなのです。其れを知らずに人は自ら沈没してゆくのです。それを後悔と云う。
※作者付記: 気持ち悪いくらいに深く沈んでゆく。そして人間は結局それの繰り返しなのだと思う
貴女の選んだ香りを身に纏い、日長一日街を彷徨う。道行く人々には何の事は無い人ごみの一香に過ぎなくとも、僕には特別な香り。貴女の髪の香りも胸の柔らかさも、手の届かぬ至高の宝。近づく事さえ出来ぬのであれば、せめて記憶の海へ漕ぎ出すしかない。厳冬の街角で、必死にマッチを擦った少女のように。酔いそうな程たくさんの人がいるというのに、何故貴女だけがいないのか。この香りに導かれて貴女が姿を現すなんて甘い幻想も、喧騒に掻き消されて、肩も触れんばかりの人出の中で、僕はいつまでもたった1人なんだと思い知らされる。向上すべきは心か魂か?貴女を失うこと無しにそれは適わなかいことなのか?貴女を失った今、一体僕はどれほど向上したと言うのか?貴女の本意は、ただ逃れたかっただけなのか?貴女の選んだ香りを身に纏って街を彷徨う。特別なその香りにも記憶の中の貴女を現実にする力はない。
三日月、十三夜、十五夜、十六夜、…昨日まではよく見えていたのに今日は雲の中。あなたは月のような人。
気味の悪い程の鮮明さの空の青と、学校の屋上との境界線まるで違うものなのよと嘲う、雲結局私はこの灰色の校舎にとどまるどこにもいけないのだ私にいける場所など限りがあってそれが余計に私という小さな存在を証明して羽なんてあってもなくっても飛んでる感触なんて、ないただ落ちているだけ今に地面に叩きつけられて姿さえ見えない太陽に嘲われるいらない、もう愛していたものも憎んでいたものも心を散々荒らして風のように消えてった君も今度こそここから全て捨てられるだろうか灰色と青の境界線に踏み込んで侵すのお願いだからどうか。君の存在のない場所へ灰色の世界には君はいるけれど私の前にいない、私のモノじゃない青の世界には君はどこにだって存在しないから早く、早く、この世界を飛び出して私は青の世界へと。青い、青い、刹那の世界背中にひどい痛みを感じて私がたどり着くのはきっと土色の茶の世界あぁけれどこの目にはただ青の世界しか映らないからここは青の世界
鈴みたいなものですが鈴よりずっと簡単にコロコロ鳴る優れもの歯ごたえはたいして期待できませんがつるりと飲み込めばあなたの中でコロコロ鳴りますその辺に転がしておけばけつまずいた時にもうれしそうにコロコロ鳴ります寒い日もコロコロ玉ひとつであったかくなれます転がってきたコロコロ玉をつき返してはいけません火炎瓶ならともかくただのコロコロ玉ですから「コロコロ玉にまつわる衝撃の真相!」と騒ぐほどのこともなくそのまんまのコロコロ玉です「ほんとうは怖いコロコロ玉」あんまり飲み込むとしゃっくりが出るとか出ないとかわぁ なんて恐ろしいんでしょう「戦国コロコロ玉に学べ!」学べないこともないでしょうがあまり実用にはなりません 「お腹が空いたらコロコロ玉」余計に空くような気もしますがごはんが少しだけおいしくなるかもしれませんそんなはじけるコロコロ玉あげるわたし底抜けだからいくらでもあげるいらなくてもあげる余ったら猫の首に下げてもいいしもしかしたらアメ玉のかわりにもなるしキャッチボールだってできる たぶんだから両手いっぱいコロコロ玉あげる他に何もあげられなくてもコロコロ玉あなたにあげる
愛など形の無いものどう信じろというのだ証をくれ でなければ信じない何でもいい 与えて欲しいだけど欲しがってはならぬ 冷めるだけだ貴方の言葉は難解だ私の脳では理解に苦しむだが私の心は理解に応じる貴方は寂しいだけなのだろう空の器ならば入れる水を探せばいい今のままでは零れ落ちるのだから留める術など自分で探せそこまで私は庇えない証が欲しい自分だけに与えて欲しいそれはわがままだろうか?せめて言葉ぐらい自由にさせてくれてもいいだろう
早い早すぎる 月日の流れがまだ若い それでも、もう少し若かったアノ頃に戻りたい友達と遊んで時間を経つのを忘れてバカしてた日に何をしても楽しくって悲しい事や嫌な事があってもスグ忘れ前へ前へと日々前進していたアノ日々へ人間としての器が小さく何を言われても腹を立てていた自由を求めていた 早く学校なんて卒業したい強がってはいたが毎日毎日、本当は怖かったもっと楽に過ごせないか もっと自由に暮らせないか金が欲しい 時間が欲しい 友達が欲しい欲しい欲しい欲しい 何もかもが欲しい不安なんてイラナイ 勉強なんてイラナイまだ16何でも出来るさ まだ17コレからさまだ18・・・もう18・・・早い早すぎる 月日の流れがまだ若い それでも、もう少し若かったアノ頃に戻りたい友達と遊んで時間を経つのを忘れてバカしてた日に
※作者付記: 仕事で疲れ帰ってくる度に思います。半年前は疲れて帰ってきても友達と遊んだものです…もう戻れないのかな、、、
香る煙を辿ると 君に落ち着く 僕を見上げて笑うけれど セピアが濃度を増し 蒼く、残像は浚われて行く 今、陽が暮れたのでしょうか 崩れた灰が最期に息を吹いた 目に沁みる、ね
時の果実がなる樹さん 一つ私にくださいなたとえ逃げだと言われても私は過去に戻りたい今は冷たい風が吹き未来は私に味方しない過去はやさしく迎え入れ私の全てを受け入れる甘い香りのする果実私を誘惑する果実人の命でなる果実それは魅惑の人面果時の果実がなる樹さん一つ私にくださいなたとえ誰かの命でも私は過去に戻りたい
ゆっくり歩いている風向きは気にしていない未だ あなたの髪の毛のしつは解らないはずなのに触れないのにしっかり前を向いている風向きも気にせずもはや 風任せのあなたの髪の毛は解るはずが無い 触れられるはずが無いそれなのになのだけれどきっと柔らかなのだろうと信じています
星が滑って夜に刺青が泳ぐ願いを唱える間もなく、感嘆!きみはぶどう酒を撒き散らした立ち昇る日が新しい朝を呼ぶ花が露に揺らめき、もう一回草むらに蛇が忍び込んだ射抜けイエロー、きみは居候の身にして美しいダンスを踊るたとえるなら管楽の、いや、別珍の天蓋の、ええい、ままよ!見抜けば誰でもご一緒に素晴らしい音楽を記譜だけで表すのかい?なんて正気の沙汰でない土曜の夜「さあ、笑えよ!」猫の夫婦が笑っているなんだか似ているね、と笑い合ったもういいかい草むらの蛇が卵を吐き出した煙を食んで腹を満たしても私は仙人ではない射抜けイエローそれで自分は二人になってしまう算段間抜けはどっちだ言ってみせろ
風が冷たくて太陽が少し早く暮れてネオンライトが灯り始めてやがて賑やかになっていく街の中で風が冷たくて貴方が少し強く抱いて繋いだ手がいつもより嬉しく思えてやがて賑やかな街から静かに二人は・・・雪が降り出して私が少しだけ願っては見つめてる貴方が微笑んでやがて二人だけの冬に二人が・・・深々と 降る雪眺め 離れない見上げた空の 白い雪よ詠んでも上手くいかないけれど風は冷たいけれど雪は小さいけれど二人はこんなに・・・
闇に変わりたい燈の中で強さを抱きひたすら想いを押しあてて転がる日常を掬い上げた髪を口にしその輝きと触感に眩暈するただ それらの事柄を夢のゆめと我説くのみ
君は怪我した背中が痛いと言う寒くなってきたからねとひそひそ耳打ち
裸になって 黄色い光を浴びる おなかの真ん中に まあるいかたちの 月焼けできて その上を 白うさぎが飛び跳ねるから こそばゆくって 笑っちゃった もう帰りたい って鼻水まじりのつぶやきに いつもの返事は まだだよって やさしい月の波
白い紙まだ…何も書いてない。いや、書こうとしたんだ。何度も何度も書こうとした。(簡単なことだよ。)(自由なことだよ。)そう、そうね。私が私であるために、とても必要なこと。(でも・・・。)バスから降りた。いつもの高い高い空・・・。私は首をうんとそらしてみる。空気は澄んでいる。空は朱色。私の両手は空いている。(ああ、そうだ。)夢見ることは、きっとこんな感じだ。感じていることは真実なんだ。かっこつけじゃないんだ。確かにはツカメテイナイ。(そう、そうそうそう!!)(そうなんだ!)足が坂道の上に私を引っ張ってく。私はつかめない空気を決してつかむことはなかった。けどシバレタ手には感触があった。
※作者付記: 最近ずっと、私は私を疑います。自分で自分を欺いてるような気がしているんです。でも、案外とそうではないようです。そういう気持ちを書いたつもりですが…。
うちの実家に赤い紙が張られましたもう人が住めません壊れそうなあたしの家余震は止めを刺す築100年というすごい古い家雪が何メートルふっても耐えてきた家そこにひいおじいちゃん達は引っ越してきたのはまだその家が幼い顔をしていた頃おじいちゃんの兄弟が騒いだ家家族とお手伝いさんと会社の人と賑わっていた家おばあちゃんはそんな大家族のところに嫁に来た結婚式で初めておじいちゃんの顔を見たって高島田を結った頭で眠るのは難しかったって昔話大好きなあたしに教えてくれたかわいがってくれた両親から離れて悲しくても影で泣く暇もないほど忙しかったってやがてすぐ戦争は激しくなる会社は軍事工場になったもののない戦時中ひいおじいちゃんが人望と商才を生かして闇屋をしていたっておばあちゃんがこっそり教えてくれたお父さんが生まれた家お父さんと兄弟がいっぱい喧嘩をしてた家悪がきだったお父さんがひいおじいちゃんに閉じ込められて泣いた蔵お正月にはいっぱいの親戚が来て、子供自慢をしていた居間こっそり芸者遊びをしたひいおじいちゃんに一喝入れたひいおばあちゃんの定位置は囲炉裏の正面ひいおじいちゃんが死んでいっぱいに並んだ花は町の誰よりも多かったひいおばあちゃんが死んだとき病院からタクシーでおじいちゃんは抱きしめたまま運んだ綺麗な着物が売れたからうちは裕福になったって町一番のうちの会社その会社の上司と部下として出会ったお父さんとお母さんはやがて恋に落ちたお母さんが家にやってきたそこにあたしが生まれて妹が生まれて弟が生まれたお父さんの兄弟は各地に離れてもお盆には増えた家族を連れてきた広い家が狭く感じる 楽しかったときお父さんとお母さんが喧嘩して布団かぶって泣いた夜は毎日お互い頑固で譲らない似た者同士会社はうまく行かなくなってお父さんはお酒ばかり飲むようになったいつもいつもお母さんを殴るお父さんをあたしは憎んだ会社も倒産して息苦しい我が家出来損ないのあたしに居場所はなかった勉強の出来る妹と弟は殴られることはなかった家出したあたしへの分の暴力は全部お母さんに行ってそしてお母さんもどこかへ消えたまもなく妹も弟も進学のため家を出たお母さんを失ったお父さんはみるみる痩せてゆき病気になった入院のしたくはあたしがした家出しててもここはあたしの帰るところお父さんはお父さんだったお父さんの倒れていた二階今ではあたしの近づけない場所触れた脈は感じられなかった人工呼吸でいれた息はそのまま返ってくる心のどこかで駄目だと分かっていた心臓マッサージをしながら出た家にお父さんは生きて帰ってこれなかったおじいちゃんとおばあちゃんだけになった家息子を早くなくしてだいぶ老けてきたけど二人で喧嘩しながら広い家を支えてきたけどもうすぐ寿命のあたしの家それを早めた神様のいたずらもうあたしの帰る家はない
※作者付記: 地震・台風被害のいち早い復興をお祈りしています
よこしまな心に芯は揺れ揺られ炎はほそくたよりなく燃ゆ夢のさき行く末怖じてすすまぬと月日のはやさに老い越されゆく少年夢見難く老い易しなれの果てはうそざむき哉
脳漿澄み渡る そこは奇跡の星だって?華麗にして饒舌 端麗にして一本気リアルは残酷で正直 本当だから誰も変わってはくれない誰も教えてはくれない片足で綱渡りしてる気分やっとつかみ掛けた離すな 止まるな 日の出 日の入り 陽光浴びて
この世は善なのか? この世は悪なのか? そういう質問は、その世のものだ! 天国と地獄、ヘブンかヘル、 そのどちらか一方にしか住めないのが「あの世」だ。 この世は天国と地獄、ヘブンとヘル、善と悪、美と醜、信実と虚偽、 それらが交錯する唯一の場所が「この世」だ。 森羅万象の楽しい世界を、単純な二つの、 そう、お前の、その小さい頭の中で作り上げた、 二項対立の、ママの下着にくっ付いたペーパーの回答のような、 つまらないものにしたけらば、お前だけやれ。 Do it Do it Do it 三回聞こえてきたなら、すぐ、やれ!「生きるべきか? 死ぬべきか? それが問題だ」 ママをパパの弟に寝取られた、陰気くさいベイビーの声が、 今夜も天井裏から聞こえている。 それの何が問題なんだ。 ママの愛し方を間違ったベイビー、お眠り。