盃一杯程のを どうか 苦しみながら、溺れて果てた此の人に 唇にそっと、あてがって上げて下さい 身体の腫れも大分ひいてきました 曲が聴こえますか、貴方の旋律が 返事を下さい 聴こえているのでしょう 「先生、身体から溢れた水分が 器官の隅々まで伝って、涙をくれるってことは まるで、無いのですか」 ああ、湖で もう一度きり 僕とバレエを踊っていただけませんか
桃色から発泡するフィズの溜息 デジタルだから時間は無口テールライトはコミカルに流れるいつわりの赤外線たち浄水とメタルの瞳 無機質だから温度はない愛はよくわからない指先の記憶していることだけ
夢を書き綴った紙切れに 僕らは何を書き足すのだろう。前に進むことを恐れる僕らは 後ろを向いて 後ろ歩き。愛想笑いの内面は? 本当は気づいてほしいのに。あの日のちょっとした忘れ物 実はずっと 探しているんだ。僕がついた やさしい嘘 嗚呼なんで君は 泣いているのだろう。伸ばしかけた右手と 君の背中 ごめんね その場面を絵にしてしまったよ。「好き」っていう言葉だけは 軽々しく口にしたくないの、か。わからないよ。あの紙切れに君は 結局 「バイバイ」って書き足したんだね。僕はなんて 書こうかな・・・。
今という時間が余りにも長すぎて 途方に暮れて動けなかった 続いていく想いに気を取られて 歩みを止めた 諦めた訳ではない けれど保証は出来ない 優しい鎖に繋がれたまま 変わらない今日を明日に願う 何をする気も起きない そんな毎日を飽きもせずに繰り返す もう優しさは要らない 忘れて欲しいと願うよ 同情を掛けなくても良い そこまで弱いとは思っていないから 無理に話さなくても良い 話したい時に話してくれれば 無駄な決心をしても いつも覆される 自分で決めたことでも 駄目と言われれば駄目 ごめんなさい いくら謝っても謝り切れない ありがとう もう此処には戻らない
ごめんねアミコいつもいつも迷惑ばかりかけちゃってほんとに私はなさけなくてあなたがいないとさみしいの優しいあなたが好きですよはなれる日がやってきたわさいごにもう1度いっしょに遊びましょほんとは行かないでほしいけどあなたのために笑うわ泣いてる私をお願いだから見ないでおいて好きよ アミコついに行ってしまったねたまには手紙を書いてねあなたがいなくてもがんばるわとりあえず部屋を片付けてカーテンをかえてみようかな私がんばるから 次にあなたに会えるまでだからあなたもお元気でアリヴェデルチ!!
昨日見つけた部屋に置いてきたのは、君の亡骸青筋を立てて僕をこれでもかと罵り、泣き崩れたと見せかけて裏拳を放ち、本当に泣き崩れちゃった君の亡骸匂いがきつすぎると、タバコの銘柄にまで牙を剥き、僕のTシャツの柄を罵倒し、昔好きだったアイドルの両親まで責め、謝る僕に蹴りをいれて、玄関から飛び出した君の亡骸。夜中にそりゃないよ。コンビニぐらいしかやってないんだから。女が外へ着てくには、あの緑の花柄シャツはダサすぎる。足にひっかけたのはミュールのつもりだったろうけど、玄関から無くなっているのは僕がコンビニへ行く時に履く健康サンダル。変な男に連れ去られたらどうするんだよ。いくら服がダサくても、健康サンダル履いてても気にしない男だっているんだぞ。 とばっちりを受けたタバコは、風呂場の床で水を吸った。青筋って、女でも本当に立つんだなあと思っていた僕の亡骸も、食器棚のガラスにガムテープを張る僕の亡骸もついでに置いてきたから大丈夫。目尻のアザと、食器棚にぶつけた傷は軟膏じゃ消えなかったけど痛みは置いてきたから大丈夫。もう二度とバカはしないと決めたから、美術雑誌で見たスペインのあのホテルから、品と風格の毛を抜きまくった代わりに、ストーンズの曲と蛍石を溶かしたぐらい、居心地いいはず。あと二、三ヶ月もしたら、きっと墓参りもできるさ。
成績を伸ばせ感受性を育てろ倫理を身につけろ おかあさんはいいましたでも何もしなくても私の髪は爪は身長だって少しずつ,伸びてゆくのですだったら,周りに向けて微笑む度に削られていく私の心臓はそれ以下の存在なのでしょうか誰か私に答えを下さい,原稿用紙三枚以内で。
生きる限り続く悩みを抱えるか捨てるか寝て起きるだけの毎日が退屈で仕方ないのに迷うだなんておかしいだろ?逃げ切れなかったからここに居る佇んだまま動いていない誰かの背中を追って走っていたのに見失ったからここから動けない人にもたれかかってばかりの僕を否定する人もいるだろうがその方が今よりもずっと生きていたんだ誰も自分以外の事など分からないくせに好きなことを言うなそもそも自分の事だって分かっていないくせに好きなことを言うな強がりだと分かっていても僕は言いつづけるでなければ寂しさに潰れてしまう僕は何を怖れる?何に怖れるのかわからないそれが怖い
吐き出す術も知らぬまま剃刀の刃を飲んだただあの人の目から隠せればよかった誰に気づいて貰えなくても嗚咽さえ消えていく彼方の海誰の涙と問うことさえ恐ろしくて出来ない靴を脱いで髪留めを外し、同じようにこの眼さえ外せたなら肉を脱いで血を洗い白い骨だけになれたなら、きっと清潔になれるのに沈黙の灰に埋もれた声達の骨を拾う弔い人憧れは何一つ動かさず温い日々に溶けていく血の匂いは確かに嗅げるのに傷がある場所が分からない滑らかな肌を残らず撫でて息苦しさに嘔吐する骨を抜いて灰に還り風に乗れたならどこまでも遠く塵に消えることが出来たなら弔い人になるためなら何を捨ててもいいのだとそう誓った遠い日に今も帰れるのだろうか治らぬ傷をもう一人に移植したいつどこで知ったのだろう、そんな術をいつどこで忘れるだろう、その日の痛み移植されたもう一人
手にしみる 冬の風 誰よりも キミを 一番 世界で 一番 幸せにしてあげたい こんな姿でも 時を 刻むことしかできない 僕を 大切そうに 抱きしめる 誰かからの 贈り物・・。 世界で 一番の 幸せモノは幸せにして あげたいと想う 人の存在(い)る 僕なのかも しれないね キミが 誰を 想おうとも たとえ 誰を 愛して いようとも 僕は キミを 幸せへと 導きたい 時を 刻む事しかできない ガラクタでも 負けない 想いを かみ締める キミを 抱きしめられなくても いつも キミを一番に 想ってる 誰より もっと 幸せに・・・
例えるならロボット登録された情報以外の行動はできないそれが僕の仕事状況毎日データを更新してもお客様の言動は予測不可能それらしい受け答えも僕には不可能頭の中は真っ白口内はカラカラ焼き切れた思考回路役立たず思考迷路例えるならパペット命令された内容以外の行動はできないそれが僕の勤務体勢毎日ルールが更新されて上司様の発案は予測不可能それらしい賞賛など僕には不可能頭の中は真っ白視線はフラフラ焼き切れた思考回路役立たず思考迷路苦情電話で思考停止
いつからだろう君に偶然出会うため学校帰りに遠回りするのは今日もまた計算された偶然に驚いたふりして笑ってみせるねぇ気付いてでも気付かないで君いっぱいの私のココロ
深々と降り続けては心身へ滲み溶けますゆらゆらと風と共に揺れ癒羅癒羅と業を映し出すそんな雪はいりませんか?寒々と凍える空から参るむざむざと消えるためだと知ってますそれでも在るのは冬に導かれる罪と「…」灰色の雲が嘆いてやがて黙這い入ろの引きずる想い出底出るそれは儚きかな人々が愛する瞬と旬の美学でしょう
それは垂れ目のフリするパンダこれは焦げ目のついてるパンだなんだときかれたらパンだと答えるパンダかんだの誰ときかれたらパンダと答えるパンだなんだパンだかんだパンダかんだパンはのんだパンダ三次元パンダはパン見ても知らんぷり眠そうなお尻向けてごろり
あたくしの身体は 真っ白なわけでは無い純白の天使時代は とうの昔に捨てましたしかしながら真っ黄色に染まっちゃいない少しだけ黄ばんで すごく優しいクリーム色あたくしの洋服は 濃い桃色なわけが無い華やかな咲き頃は 終わってしまいましたそして黒ずむ洋服をそれでもクリーニングには出したくないピンクブラックホワイトクリームどんな時代も ハートは緋色
振り返る術も無ければ避けて通る術も無い真夜中に摘む花は伝い流れ堕ちる雫を乞い指し示す標に絶望するどうか今すぐに砂にまみれた君のもとへ
気持ち悪いその事を例えば外連味の死体は気にするから無くしてならば戸惑うにはその場凌ぎのまた空を突き指が目を踏み鳴らし通り過ぎた
- その壱 -頬染めて寂しく歩く冬空は星輝いて我を見ている - その弐 -月がまた追いかけてくる夢を見る怖れて走る足掻けど醒めず- その惨 -旅の空流るゝ雲に身をまかせ触れ得ず眺む浮世の恋か
我々はいつか言葉に仕返しされるだろう。なにが不適切?なにがいいかんじ?言葉に差別はない。差別は精神に宿る。不適切な言葉など存在しない。不適切なのは言葉を吐く者の精神にある。言葉のなかの魂を捨てて平等平和はあり得ない。
ぬめりという感覚が頬をつたう ポタッ 滴に怖れが混じる ボタッボタボタッ いつからだろう 窓際から赤紫の雲が漂う かすかに聴き覚えのある音がさまよう チンチロリン チロチロリン まぶたの裏に熱さが込み上げる なぜだろう 宙を浮かんでるそんな感じ 体を煙が纏わりつく チンチロリン この音だけが聴こえてくる チンチロリン この音だけがまともに聴こえる