第33回体感バトル1000字小説部門結果

おめでとうございます!

今月は、とむOKさんの『傘の居場所』が
一歩の差をつけてチャンピオンです。

エントリ作品作者得票
22傘の居場所とむOK3
06このまま、直進してくださいりょう2
09Back seat dog遠野浩行2
17蛸ウィンナーほんのむし2
18追憶の日諏訪2
20一寸のムシぶっきら坊2
02あの時、さくらは咲いていたジャンバラヤン1
03ヘッドホン ライク アムニオティック フルーイド  センス02沖 ヒロシ1
04正義の文化革命海野茂雄1
08夏がくれた贈り物−花火−せいか1
10オレンジの爪鈴木アコ1
14彼女の部屋しゅんすけ1
19セブン1
21電車のドア角さやさや1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

■傘の居場所  とむOKさん
 
感想: 近寄り難そうな雰囲気とのギャップがいいと思いました。まとまっていて文章も読みやすいです。素敵です。
他に、(01)ピエロ(12)オーロラ(14)彼女の部屋がよかったです。
(01)は、金だらいを落とされて笑われてるむなしさみたいなものを感じました。夢に見そうな雰囲気(12)は個人的ですが内容が素敵だったので。戻らない青春を一生懸命生きようとする不器用な由香里さんがよかったです(14)はなんかギリギリ感がいいです。とらえかたはいろいろあるけどいいほうに考えれば性による支配的なものと感じます。
票者:


感想:小道具としての傘が上手に使えていて、とても楽しく読ませていただきました。

気になった作品
『Back seat dog』
『オレンジの爪』
『蛸ウィンナー』

票者:このバトルへの参加作者


感想: 嘘だ〜って思うけれど、とっても楽しく読めてしまうのは上手と言うことなんだろうなあ。一票です。
票者:その他の作者


■このまま、直進してください  りょうさん
 
感想: ホラー仕立ての話が多かったのは何故だろう?
 怖がりにはツライ季節になってきたなぁ(汗)
 ということで、今回はほんのりホラーなエントリ06『このまま、直進してください(りょうさん)』へ投稿します。
「見なかった」コトにしたい、ジンワリした恐怖にとらわれました。
 文体的には好みじゃないのですけど(申し訳ありません)、この文体がうまいこと機能している物語だと思います。
 しかしカーナビって、時々本当にトンデモナイ場所へ引きずり込まれますね(汗)

 次点は下記4作品。
02『あの時、さくらは咲いていた(ジャンバラヤンさん)』
13『声(中井みうさん)』
17『蛸ウィンナー(ほんのむしさん)』
22『傘の居場所(とむOKさん)』

『あの時、さくらは咲いていた』は、雰囲気が素敵だと思いました。
 ただ題材が、ニュースでうんざりするくらい見慣れてしまっている事件であり、何処かで見たことがあるようなネタであり、「既存品」のイメージが払拭できなかった。
 ポイントを絞って描いて欲しい、とは思うが、ソレを1000文字で表現するのも無理なような気がする。
 1000文字向きの物語ではない、ということなのだろうか。

『声』は、「うぎゃー! こわぁー!」思いました。(←どういう表現/汗)
 徹底的に「私」の視点と心理の描写で、しかし痛覚の削除された穏やかとも言える文体が逆に陰惨さを煽る。
 その中で聞いた最期の声が――というラストも綺麗で秀逸だと思う。
 正直『このまま直進してください』と迷ったんですけど、綺麗な恐怖より、すっとぼけた「恐さ」の方が好みだったもので(スイマセン/汗)

『蛸ウィンナー』は、ホラーな話が多い中、とても安心して読める物語でした。
 主人公の心理もわかるし、それでもタコ(笑)の抗議に折れる優しさが可愛い。
 欲を言えば、文章にもう少し「落ち着き」が欲しい。主人公心理としては正直な描写だろうが、一見ゴチャゴチャと読みにくい。
 読者の視点も意識してみて下さい。

『傘の居場所』は、とても誠実な描写であり、人情話だと思った。
 描写が丁寧なのに、1000文字ピッタリに収めている技量も凄い。
 また人物が面白いですね! 完璧だと思っていた彼女の、とても親しみが持てる欠点。
「小説」には重要な要素でしょう。
 しかし、全体の印象として、何故か「まとまりがない」印象なんです。
「〜した」「〜いる(いた)」と、文章がブツブツ切れてしまっています。読み進めるリズムが続かないので、面白い話だとは思うのですけど、世界に入り込めず、印象が薄くなってしまう。
 この辺りをもうちょっと遊ぶか、いっそ極めてしまうか。
 単に私の趣味なのかもしれませんが(汗)

 で、最後に。
 Q書房は「作品投稿した者は、感想投票を行う」義務があります。
 っても自作に投票したらダメ(無効、あるいは失格)です。細かいルールはちゃんと「体感バトル」のページに書いてありますので、よく読んでみて下さいネ♪
(by千早丸)
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:カーナビの声という人間味があるのか無いのか判らないものによって恐さが増しているようです。こういうハッキリしないオチもありだな、と思えました。
票者:このバトルへの参加作者


■Back seat dog  遠野浩行さん
 
感想:描写が丁寧でよかったです。ショートフィルムっぽい感じがしました。
ただ、キャラクターや設定がもっと個性的だったらいいのになと思いました。
人のことは言えないんですけども。
やっぱり、テーマというほどではないにしても、その文章の中でのウリというのをはっきりさせないといけないのかなあ。着眼点? 隙間をねらう?
いや、好きにやるのが一番大事。
いや、わかりません。変な文章でごめんなさい。松本荵でした。
票者:このバトルへの参加作者


■Back seat dog  遠野浩行
 
感想:良かったです。
the pillows知ってるし。
1000文字だったので、それも勿論評価にいれて。
票者:このバトルへの参加作者

■蛸ウィンナー  ほんのむしさん
 
感想:タコウインナーって今でもお弁当の定番なんですかね。懐かしかったです。「蛸じゃないじゃん」という場面が、面白かったです。
票者:このバトルへの参加作者

感想:「01」 ピエロ 不条理に対して言うのもなんですが、現実との繋がりをもう少し書くとリアリティが出て「気持ち」がこちらまで届く様に思います。
「03」 ヘッドホンライクアムニオティックフィフルーイドセンス02 こういう形は自分でもよく書くので共感しました。
「05」 バァスディプレゼント 「貴方」の存在が希薄な気がします、彼にその気配がないので、妄想なのか現実なのか分からなくなってます。それが狙いかもしれませんが。
「06」 このまま、直進してください カーナビとの会話のセンスは好きです。もうひとひねり、何か暗示させるようなものがあるともっと良いのでは。
「10」 オレンジの爪 ワンシーンでの心の動きが良く書けていると思います、なんとなくゆるいんだけど空気は好き、出だしも好きです。
「13」 声 日常からの材料の切り取り方が面白いですね。もう少し状況や心理を描く言葉を精査して書くと、もっと良くなる気がします。
「17」 蛸ウィンナー 全体に流れる雰囲気が優しくて好きです。蛸のキャラは面白いですが、最後の会話にもう少し手をかけてもいい感じもします。
「22」 傘の居場所 さすがに常連さんだけあって文章が上手いですが、テーマというかこのストーリーの意味が少し見えにくい感じがします。

迷いましたが「蛸ウインナ−」に1票を。今回は新人さんが多かったでしょうか。
それと、偶然でしょうが列車内を書いた作品が多かったですね。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■追憶の日  諏訪さん
 
感想:こんなに短い文なのに、とてもどきどきしました。
続きなんて無いんだけど続きが気になります。笑
票者:このバトルへの参加作者

感想:一度読み終えて、またすぐに読み返したいと思えた作品でした。少し不思議なお話で、けれど文の構成がとても読みやすかったです。
票者:このバトルへの参加作者


■一寸のムシ  ぶっきら坊さん
 
感想: 前作も良かったけど、今回も良く練りこまれている。嫌悪しているのか愛しているのか、もうわからなくなっている主人公が哀れを誘う。

気になる作品。
09 Back seat dog
最後の一文をどう考えたらいいのか悩んだ。
「運転席=自分が主となって彼女を守る」
「ずっと傍にいる=何も言えない自分を解き放ち、彼女を守ろうと決意した」という解釈でいいのかな。
気になるのは、彼女は親友と付き合っているのに、それを祝福したり納得したりするより「(自分は)愛を表現できず犬以下」と言ってしまうこと。ちょっと違和感がある。
12 オーロラ 松本荵
いい感じ。読みやすい。ストレートで。「守」がいきなりすぎるかな。
17 蛸ウィンナー
ありがちだが、読み手を引き込む作品の空気感があっていい。
18 追憶の日
簡潔で読みやすい表現。でも日記が予言だとしたら今、9歳?
票者:このバトルへの参加作者


感想: ぴかぷー。

01  ピエロ    椎那
 対象は大マジでも周りから見ると面白い、というコメディーの基本を提示している。やりたいことはわかるが、それ以上は何もない。

14  彼女の部屋    しゅんすけ
 御意見。セリフがいかにもつくられた「棒読み」で面白くないし、この二人だからこそ、という関係性も見えてきません。なんだか浅いところで書ききって満足している感じです。面白くありません。

20  一寸のムシ    ぶっきら坊
 で、投票作はコレ。少々説教臭いところは見受けられるが、1000字という枠の中でほ序破急、展開というモノを意識している作品が、今回は他になかった。どうもグロテスクを目指している作品が多かったが、趣向としてのグロテスクではなく、意識の結果としてのグロテスクの片鱗が見えるのも興味深い。(M)
票者:その他のQBOOKS参加作者


■あの時、さくらは咲いていた  ジャンバラヤンさん
 
感想: 和んだから。

 あと、エントリ23の『嵐と親指』はどこかで見たことがある気がするのですが、気の所為でしょうか?
票者:その他の作者

■ヘッドホン ライク アムニオティック フルーイド  センス02  沖 ヒロシさん
 
感想:温かい雰囲気と不思議な世界観がよかったです。
何か私も少し元気をもらったような気がしました。
ということでこの作品に一票。
気になったのが確か前回も作品を出してたと思うんですが、登場人物がかぶっているのは偶然でしょうか?
それとタイトルの「センス」っていうのは、「感覚」のことなんでしょうか?としたら次は「味覚」あたりですか?
よかったら教えてくださ〜い。
票者:このバトルへの参加作者


■正義の文化革命  海野茂雄さん
 
感想:全般的に非常に内容の薄いものが多く、どこかで読んだというもの多かった。もっと冒険心を持った作品を読みたいと思う。
以下にあげるのは、比較的よかったもの。ちょっと今日は辛口。気に障ったら失礼!

ピエロ(椎那)……「正義の文化革命」とどちらにしようか、少し悩んだ作品。内容やテーマといったものはいい。だが、表現が非常にくどいように思う。笑い声を多用することで、読者の恐怖感を煽ってはいるが、逆に私は冷めてしまった。もっと淡々とした文章でも良かったように思う。

ヘッドホン ライク アムニオティック フルーイド  センス02(沖 ヒロシ)……「 始まりと終わりがくっついて回り続ける環状線が母胎の代わり。ヘッドホンから流れる音たちが羊水の代わり。」という表現が非常に面白かった。ただテーマに一貫性が見えてこなくて、じゃあ、何が書きたかったの? と逆に尋ねたくなる話だったように思う。

CD世界(偽悟空)……付記を見て、ああ、なるほど! と思ったのだが、やっぱり付記を見ないとよくわからない作品。最後に指が出てきたのが、問題をややこしくしていたのではないかと思うが、どうだろうか?

さて、今回は海野茂雄さんの「正義の文化革命」に一票。
ご本人も付記に書いている通り、今までにない作品だったように思う。こういう形式の小説は、個人的には“ダルい”印象を受けるのだが、目新しい感じがあったのか、受け入れることができた。宇宙人が地球政府に介入するという話は、さして珍しいことではないが、やり方コスいところが面白かった。もちろん、人種、男女差別といった問題は、解決していかなければならないが、人間自身を弱くし堕落する政策を取る方向には向いてはいけないなと、考えさせられました。
票者:このバトルへの参加作者

■夏がくれた贈り物−花火−  せいかさん
 
感想:水城さんが言った、「線香花火は他の花火と違って生きた証を残している、そう思うんだ。だから終わったときは小さな丸い亡骸を見て切なくなる。でもそれが、生きた証に見えるから美しいと思える」という言葉に感動しました!!私もこの中に出てきた「私」同様、うまくいえないけど線香花火が花火の中で一番美しいと思います。
票者:このバトルへの参加作者

■オレンジの爪  鈴木アコさん
 
感想:10「オレンジの爪」に投票します。一見ややこしいようでいて読めばわかりやすく、最後の一言も効果的。惚れてしまいます。好きです。

なぜかホラーが多かった今回。他の作品で良かったものは以下。
06「このまま、直進してください」は、読み返すと怖い仕掛けが効果的に作用していい感じ。
09「Back seat dog」は全体的な雰囲気がいいのですが、最後の台詞は状況にそぐわしくないのでは?と思ってしまいました。
13「声」は序盤からの緊迫感が良いのですが、途中からもたつく印象。ラストは間延びしているように感じました。
18「追憶の日」は不気味な面白さを描くことに成功していると思います。不可解だけれど不満ではない。
20「一寸のムシ」は生理的嫌悪感を催す話だけれど、ちゃんと読ませるし面白い。
22「傘の居場所」は単純な話だけれど、傘の扱いに関する不快感に共感できるので、爽やかなラストまで素直に読み進めることができました。
票者:その他の作者

■彼女の部屋  しゅんすけさん
 
感想:懐かしいような、興奮するような、羨ましいような、不思議な気持ちになりました。
票者:純粋読者


■闇  セブンさん
 
感想: 淋しさと強情さ、そして最後残った「闇」。感動とは言いがたいですが、何か考えさせられるものがありました。ネットによる他人と繋がる容易さ、その中の人の傲慢。しかし、それはやっぱりヴァーチャルの世界の出来事でしかなく、何も残らなかった。主人公の淋しさをぐっと引き立たせている話の設定になっていると思いました。他にも「このまま、直進してください」「蛸ウィンナー」は面白く読まさせていただきました。 
票者:


■電車のドア角  さやさやさん
 
感想:一番印象に残ったので票を入れます。作者名のように心地よく読み、明快で深みがあると感じました。ただ、最後の一行だけは、ベタベタになっているように思ったのが残念です。
票者:このバトルへの参加作者