つたう赤は命の欠片そしてあたしの涙のカタチ何にも知らない親どもはくだらない言葉で愛を語った「いつも気にかけているよ」貴方達の愛はそんなものか三年もの間気付かずにその事実すら知らないくせに貴方達の「いつも」は『三年に一度』のものなのか悲しくなった寂しくなった「死にたかったのか」どうしてそんなこと聞くんだ人が死を恐れなくなるなんてあたしには想像できないあたしは生きたかった生きたかったんだそうやって自分を確認しなくては生きていけなかった「死ね」何度言われ続けたら良い?この世の全てがあたしを憎んでいる気がした苦しくて寂しくてそれでも死にたくなかった死ぬのは恐いんだ死んだらきっと皆喜んであたしを忘れにかかるだから生きたかったこうしてでも生きたかった認めてほしかったあたしはここにいても良いんだと甘えだってわかってるよそれでも死ななきゃいけない人間はどこにもいないってそう信じたかったんだこの手をつたう命の欠片そしてあたしの涙のカタチ何にも知らない人間たちはくだらない言葉で世界を飾る
葬に捧ぐは 優しき鬱縋れず 涙す 忌まわしき刻今宵の月まで 彼方を抱き雫が奏でる儚さを 眠り 詠おう憐れみ悲しむ一輪の華窓辺は雨に濡れ 霞む夕間暮れ憐れみ散り逝く一片の夜悠遠は葬の底への回帰が招く行かないで 葉を散らす風木漏れ日に隠れ 交わす約束ただ今は巡り逝く四季を数えやがて咲き乱れよう 憐華に満ちた最期
右手に右手を掴まれて 微睡みまでもが跳んだ宵 夜の幕と立待月は それ、総て、 ハクチューム 何度目か、現実に戻れた 夏のコンクリの上だった 冷や汗、陽炎、自分の影 今までのものは幻だった 遠くで蝉が哭いていた 今までのものは幻だった まだ、眼を閉じているのに気がついた
諸君、状況は厳しい周囲8キロメートル四方を包囲されてしまった生還率は2%幸運を祈る出来るだけ遠くへ飛べ、希望を捨てるな風が吹く毎に、小部隊はそれぞれ空に舞い降りる遠くへ、遠くへ白い綿毛の落下傘は風に煽られ、乱高下する遠くへ、遠くへ報告!第3部隊は、下降流に見舞われ、ほぼ全員が墜落アスファルトと車輪の狭間で全滅状態全兵に告ぐ、遠くへ、遠くへ遠くへ飛べ5月の眠たい風は、大手町の交差点をすり抜けオープンカフェのパラソルにほお擦りしていきます「あ、たんぽぽ!」銀行の制服を着た清楚なOLが小さくつぶやきます銀のスプーンで、ミントンのカップに注がれた紅茶から白いタンポポの綿毛をすくい上げ、そっと歩道に零します今日も、暖かい、何事もない一日です交差点を配達のバイクが通り抜けていきます
振り返ると 足跡は無くて向き直ると 道筋は見えず笑うがいい私がいかに愚かで在るのか若年のものを見て 思う私は何も出来ていなくて自分だけ特別な気がして怒るがいい私がいかに幼稚で在るのか知らぬ間に流れていて気付かぬまま掬われていく嘆くがいい世界がいかに矮小で在るのか全てに等しく何にも動じず残酷に優しい その支配は明日を今日にして今日を過去にして過去を抱きつぶしてとどまる事を決して許さぬ
あなたのホンキを見せてみな。チャンスは1回。やり直しなんてきかない。つないだ手を離すのは、心の配線変えるのは、いつだって簡単。ただ忘れればいい。さあ、赤をきる?それとも青?やり直しなんてきかない。震えてるのはあなたの手だけじゃないんだから。チャンスは1回。さあ。あなたの本気を見せてみな。
ピ、ピ…ピピ…ピピピ…ピピ…たった4文字…だけど、この4文字はこの気持ちだけはどうしても君に送れない…送信ボタンを押せないのこのオヤユビがいつもキャンセルしちゃうから…ピ、ピ…ピピ…ピピピ…ピピ…送れない 『だいすき』 を今日もオヤユビで打っている。
「キスしても良いですか」 良いとも悪いとも言ってないのに唇を奪われる どうせするんなら聞かなくても良いのに そう 文句を言ったこともあるけど 素直に頷けるわけじゃないので よしとする「ずっといっしょにいれたらいいね」 そう囁く声に 頷いて 世界的なプレイヤーになるであろう彼の目を見ながら そのとき一緒にいるのは自分じゃなければいいのにと思った
好き伝えることはできないけど伝えることはしてはいけないのだけどスキだ授業中に寝言で名前を出してしまいそうなくらい思わず机にハートと名前を書いてしまうくらいぁあ・・・なんて愛しいのか苦笑いした顔も困った顔も楽しそうな顔も笑いをこらえている顔もその長くてでも不器用に動く手も逃げるのが速いその足も全部が君で君の全てでその全てが好きだよ豪腕力士に心臓をつかまれたくらい毎日苦しいのって言えばおおげさだよって笑うのかなでも胸をかきむしりたくなるくらい切なくて想うだけで愛しい君への想いはきっとホンモノ伝えてはいけないけど想うことは許してスキだよ好きなんだ
裸の女優パンツを脱いだ裸の王様天井に映る白いシーツに髪をなげ出した冷めた目と演技の温度差は朝が来る前に埋める眠り始めたら、本当の月の反射の下に抜け出すから
そのやわらかい髪の毛だとかそのワイシャツの肩幅だとかそのグレーのスーツ姿だとかその薄情そうな薄い唇だとかそのわざとらしい指輪だとかその細く乾いた指だとかその慣れた手つきだとかその煙草を燻らせ黄昏る背中だとかそのすれ違いざまのほのかな香りだとかその白々しい笑顔だとかその余所行きの声だとかその愛しそうな目つきだとかなにもかもが甘美で潤いが否めないから甘い言葉でわたしを陥として
※作者付記: もう終わりにしなくちゃって思ってるのですが。
いかないで背を向けないでこっちをみて 拒絶しないで頑張るからあなたにきらわれないように どうしてもあなたはいくのもどれないの……分かった。待ってるから、私あなたのコトずっとずっとこの場所で だから、 ―――――――気が向いたら、会いにきて。
切なさに心臓が止まりそうだった切なさに喉がかき切られそうだった幾度となく握った拳をゆっくりと開いては呼吸を整えていました知らずにあなたはいるのでしょう無造作にあなたは笑うのでしょう罪だと気づきなさい虜囚のように捕らえては離さないのは罪なのですこの翼をもいでこの鎖をとって飛べなくなってもいいからこの束縛から逃れたい無意識に私を絡め取る枷を取って もうここへ来ないで嘘本当は失うことなんてできないだけそうこの檻の鍵は私が持っているのだから
「好きだよ」真剣にあなたにそういったのに返された言葉は、「私も」という冗談な気持ち。どうして真剣に受け取ってくれないのだろう。それは同性だからという、単純な言葉ですまされるのだろう。違う性でしか結婚できないという、変な理屈のせいで、私の片思いは一瞬でくずれさってしまった。どうして愛し合うものが一緒になってはいけないのだろう。いつかそういう固定観念とか、偏見だとか、すべてこの世から消え去ったら、一緒になろう。 お互い愛しあうもの同士として
ある日 突然いつも見なかった夜空を見上げて柄にもなくセンチになることはありませんか?ある日 突然忙しさの中に消えていった思い出を埃をかぶったアルバムから探すことはありませんか?ある日 突然疎遠だった友人に会って思い出のあの曲を歌いたくなることはありませんか?ある日 突然大勢の人の前で泣き喚いて誰かに慰められたいと思うことはありませんか?ある日 突然自分が「自分」であることをやめて人気のない海へ行きたいと思うことはありませんか?「孤独の定義」
※作者付記: 高校時代に書き溜めた詩の一つです。
もうサンダルでもいい季節です ペタペタ桜が全て散った木々の隙間から垣間見える事象はきっと 全て このどこまでも続く木の為の事象そこを借りて小鳥はおかあさんの待っている羽毛飛び散るおうちへと 上手に 弧を描ける様になってそれを ファンタオレンジ飲みながら 去年のサンダルで ふらふらしちゃう それ以外の子 他の子
ごみばこ に入れるにおぃの擦り傷 呼吸する 元のばしょよわくひらいた
コツンと床に落ちた音。伸ばす 伸ばす手、とどかない。こぼれ落ちた隙間覗きこんだらビー玉のような青いガラスが転がっていた。中に君が映っている。並木道にあるあの喫茶店窓際の席に座っていたときの外を眺めていた横顔茶色い目にも髪にも青が滲む。誰にも言えない秘密がベッドと壁の隙間に転がっている。ぴったりの青だね。秘密を隠すには丁度いい。
慌ただしく見えるこの街もこの川の土手からは静まり返って見える欲望渦巻くこの街を夢掴むために走りぬけ辿り着くのはいつもこの場所夢はいくらでもあるさ!だけど一番やりたいことなんて分からないその答えが分かるわけでもないのに屁理屈と言い訳を並べてただ退屈しながら意味の分からぬ授業を受けているからからに喉が乾くほど夢語り合いたいよ!手は届きそうだけど何かがそれを遠ざけてしまうここに辿り着くと いつも涙が溢れる黄昏た空に映し出された街のどこかで暮らしている誰かの 夢を追い続ける足音が聞こえる
この社会に知らぬ間にばらまかれた命皆 自由に動くことすら考えもせず生きているある日 俺は自分が動けることに気付いたそっと だけど力強く大地踏みしめこのまやかしの世界を出ていった偽りの社会構造俺一人消えたところで気付きもしないあらかじめ与えられた大地の上に我がもの顔で立っているそんな奴に俺はなりたくない
誕生日 毎日が充実している 喜びに悲しみが混じり 苦しさに楽しさが隠れている 腹の立つことも多いけれど 捨てたもんじゃないと思えることもあって 少し人生が判りかけてきた 今日は私の誕生日 この世に生を授けてくれた 二人に感謝をする日 子供の誕生日を忘れた母 そうか誕生日か忘れてたな 少しさびしげに話す口ぶりに 思いを素直に告げられなくて お祝いを言って欲しかったんじゃない ありがとうを伝えたかった 今日は私の誕生日 この世に生を授けてくれた 二人に感謝をする日 八十になるこの歳まで 祝ってもらったことなどないという父 いまさらそうじゃないとも言えず 口ごもる私 誕生日だから一緒にいたくて 感謝の気持ちを伝えたくて でもできなくて そっと心の中でつぶやく 今日は私の誕生日 この世に生を授けてくれた 二人に感謝をする日