第37回体感バトル1000字小説部門結果

おめでとうございます!

今月の一位作品は、Orange Quinceさん作『田中ブーム』です。

エントリ作品作者得票
10田中ブームOrange Quince5
02サーキュレイション センス06沖 ヒロシ4
06神さまの住む場所へみらくる。3
08笑学部唐変木1
09人形師の人形risuka1
13(作品A)Q嶋億人1
20湖畔の声鵯砂弐依1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

■田中ブーム  Orange Quinceさん
 
感想: 発想が面白く、一気に読みました。テレビに
影響される社会現象を見事に皮肉り、終わり方
もその続きを感じさせて良いと思いました。
票者:このバトルへの参加作者


感想:数ある苗字の中で田中を選んだセンスがいいですね!

票者:このバトルへの参加作者


感想:08 笑学部 唐変木 さん とで迷いました。こちらは、出だしの数行で、発想がとても面白いなと思いました。ただその後がさらっと終わってしまったのでちょっと残念でした。もっともっと奇妙な、面白い“笑学部ワールド”にどっぷりと浸かりたかったなと思いました。
10 田中ブーム Orange Quince さんは、オチがなんとなく予想できてしまいましたが、終わりにたどり着くまでの間にテンポ良く様々な事柄が出てくるので、夢中で最後まで読んでしまいました。楽しめました。良い文章には心地よいリズムがある、ということを聞いたことがありますが、その通りだなと思いました。
ということで「田中ブーム」に一票です。
(生意気なことを言って申し訳ありません)
票者:このバトルへの参加作者


感想:文字数は少なすぎる感じがしましたが、アイデアは面白かったです。
願わくば、もう少し内容に展開があるとさらに面白くなっていたと思います。
票者:このバトルへの参加作者


感想: 半分は文字数が規定外だと思うんだけど、一応全部に目を通して、心に引っかかったのはこの作品一つだけだった。発想が良いし、文章が整っていてきれい。
 付記は蛇足だと思う。よろしくっていうのは掲示板に書いた方が良いのでは? でも、初めてだってことだから、ま、いいか。
票者:その他のQBOOKS参加作者

■サーキュレイション センス06  沖 ヒロシさん
 
感想:私は好きです。
票者:このバトルへの参加作者


感想:ちょっと、悩みました。しかし小説、散文としての力があるし、
読んでいて伝わるものがあったので即決めです。

他に良かったのは、
05自分の道 
       この作品は例外です。
       小説としてというより、思春期ラブ!
       作者の心情でしょうか?話がしたいです。        

06神様の住む 神様とはそういうものだと、思わせるのが上手。
  場所へ   ラストがもうひとひねりほしかった。

10田中ブーム 面白いー。世間を風刺している感じが
        好みです。しかしこれもラストが典型的でした。
14わたしは貴方
 を待っています。実は最終候補でした。
        その女の子がうらやましい!
        私にしてはすごく単純に楽しむ事が出来ました。
        でも読者として純粋に楽しみすぎたのか、
        ふたりが仲良くなることを期待してしまいました。
        すみません。      
票者:このバトルへの参加作者


感想:やっぱすきだなぁこういうの。穏やかで、広がりをかんじます。
さすがシリーズ?というかんじです。

あとは、「汚れた手のアリア」、「人形師の人形」です。
・汚れた手のアリア
表現はすごいなぁと思ったのですが、題材が少し…感動というところにはいかなかったかなぁというかんじでした。

・人形師の人形
静かなふいんきは好きでしたが、正直「それで?」と不満足に終ってしまい、なんとなく書ききれてない気がしました。字数制限があるから仕方ないけれど、伝えたいことの焦点が分かりにくかったのが残念です。


「月を見上げて」もふいんきはよかったのですが、小説ではなく詩というかんじで、「話を作る」というものではなかった気がします。


票者:このバトルへの参加作者


感想:「もう彼はいない」のところでぞっとしました。
よかったです。
票者:純粋読者


■神さまの住む場所へ  みらくる。さん
 
感想:読みやすく、不思議感覚でよかったです。
現代人に足りないものは神様かもしれません。
見えない神様をみかたにすればおそらく人生はラッキーになるでしょう。
票者:このバトルへの参加作者


感想:02 沖ヒロシさん いつもレベルの高い作品を書いてらっしゃいますが、自分はこのシリーズでは一番好きな作品です。前半のその能力の設定とその副作用がすごく良くできていただけに、終わり方がありがちに見え物足りなさを感じました。次点
05 夏紀さん とても共感できる心情ですが、「小説」と呼べない気がします。心情そのままの文章は物語とは認識できません、あくまで自分の基準ですが。
09 risukaさん 風景が見えてくる、きれいな文章だと思いました。ですが、ラストがただ「現れなくなった」だけ、というのは少しもったいない気がしました。1000字では難しいかもしれませんが、自分はもうちょっと種明かしが欲しかったです。
14 あきらさん この唐突さとさらっとした感じが好きです。まあもし自分がやられたら…、と考えるとコワイですが。「返事はいつでもいい」なら考えるかな?。
15 山本パンダさん 設定や物語の進行は珍しくはないですが、少女や猫の描き方やラストの風景が美しくて良かったです。ですがそれ故、逆にSF的な文章と上手く馴染めていないように感じました。そこだけが惜しい。これも次点
18 セニョリータ長谷川さん こういう突き抜けた作品好きです。きっと手加減というか「どこまでやるか」が難しいでしょうが、もう少し行っても良かったかな、と自分は思いました。「コシアンル〜〜〜レット!!」は大好き。

06 みらくる。さん 今回はこの作品に1票。『両手を少し広げたのより少し小さいくらいの穴に、白緑色の液体』という神様はとても雰囲気があって美しいと感じました。主人公の気持ちの動き方と書き方も巧いですね。神様ってその人それぞれに見え方や感じ方が違うような気もします。

票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:(――感想としての小説、小説としての感想。)


 近所の道を歩いていくと、保育園帰りの子どもを自転車に乗せた母さんが、私を追い越しざま、「車に気をつけないと、さっきの猫ちゃんみたいに、ぺちゃんこになっちゃうのよ」というような、ちょっと違うかもしれないが、そんなことを言う声が耳にとびこんできた。
 保育園と私の家とは三百メートルくらい離れている。だから車に轢かれた猫は、私の家の近所の顔見知りの猫たちとはたぶん違う猫だろうとは思うが、そうでないとは言いきれない。行けばまだ片付けられずにそこにいるかもしれない。しかしわざわざ確認しに行く勇気はない。なにかが轢かれているのが遠くに見えると、私はまず「猫か!」と思い、近づいて猫でなかったことを確認すると、ひとまずはホッとして、次にその轢かれたカエルとかなにかに同情する。でも、それは目に見えたときで、目に見えない猫をわざわざ見に行きはしない。
 頭の上でカラスが鳴いている声が、ただならぬ感じだったので、見上げると、高い空でカラスがもう一羽に、激しくぶつかったところだった。
 ぶつかられた方は必死に羽ばたきをして逃げるが、攻撃した方は、「ガア、ガア」威嚇の声をあげながら、さらにしつこく追いかけ、追いついたと思ったら、今度は二羽が縺れ合って、錐揉み状態で落ちていった。
 と言っても、鳥なので、カラスは下まで落ちることなく、民家の屋根よりずっと高い所で離れて、いったんは別々の方向に飛んだ。が、戦いはそれで終わらず、一羽が方向転換して再びもう一羽に襲いかかり、今度は羽と羽で、平手打ちの応酬のように激しく叩き合った。叩き合いの最中でも、一羽が追い、もう一羽はそれから逃げている。そして、二羽はそのまま飛んで、私の視界から消えてしまった。
 カラスをまだちょっと探していたら、紙が風に舞うように、黒い影みたいなのが、ゆらゆらひらひら飛んできた。コウモリだった。コウモリは好きでも嫌いでもない。
 近所の踏切の手前あたりはいつも車がだらだらと、とぎれそうでとぎれずに、中途半端な間隔を開けてやってくる。信号はない。
いま渡ろうか、もう一台見送ろうか……と迷っていると、足下に猫が来た。その猫は商店街を回遊している猫で、大らかで堂々としていて、何軒かの食べ物屋には常連客のような顔で入っていく。
 私が渡るのをためらっていると、猫は二、三歩進み出て、「わたるよ」という素振りを車に向かってしてみせた。しかし車は止まりそうにない。猫は諦めて元の位置まで下がった。また車の間隔が少し開くと猫は再び進み出て、運転手が自分を見たと判断すると、まだ止まってもいないのに、さらに二、三歩前に出た。それを見て車が止まり、猫は落ち着いて続きを渡りきった。私も猫に従って無事渡った。
 まだ歩いていく道は続くけれど、これぐらいにしておく。
票者:その他のQBOOKS参加作者


■笑学部  唐変木さん
 
感想: ぴかぷ〜★

・サーキュレイション センス06    沖 ヒロシ
 効果としては成功している。でも、三回はくどい、三回は。
 演出は一回に掛けるほうがよかんべえ。

・神さまの住む場所へ    みらくる。
 自分の中でのルールを構築する子供、という描写は巧くいってる。
 でも、ちゃんとかけているかどうか不安なのか、言い訳がましいところが難点。もっと堂々としてたらええねん。

・笑学部    唐変木
 ほのぼのした。ちゃんと教養がある。教養ゆえの芸だ。

・人形師の人形     risuka
 貴族に人気があったら貧乏ということはまずあり得ない。
 もっと、自分の書いている世界に想像力を膨らませるといい。

・田中ブーム     Orange Quince
 落ちはベタベタだが、張り紙に吹いた。
 要はネタじゃないんだな。演出と視点。

・肉まんとコンビニ店員    セニョリータ長谷川
 とりあえず、こしあんルーレットを、動画で。

・心を開いて     blue bird
 上の作品とのザッピングで読んだ人も少なくないはず。

 さて、「神様の住む場所へ」か「笑学部」かだな。
 自分の作品について堂々としている「笑学部」にしよう。決定。(M)
票者:このバトルへの参加作者

■人形師の人形  risukaさん
 
感想: 人形に恋する人形師と人形師に恋した女の子。悲しい話ですね。

票者:このバトルへの参加作者


■(作品A)  Q嶋億人さん
 
感想:皆さん上手だなぁ。はぁ。って思いました。
迷いましたが、13「(作品A)」に一票入れます。
手に汗握る感じが凄い伝わってきました。
55kmとか全然遅くて頼りなさげな所に益々ハラハラしました。
早く山道を抜けろぉーって心の中で叫んでみたりして。
3メートル位って一番恐い大きさだと思います。
トイレに入ったら出た時バージョンとかも面白そうですね。

他にも以下の作品が特に気になりました。
05学部のシステムがアメリカ式か、東大式だったら割と問題解決ですね。
06大事なものという雰囲気が伝わってきました。
何か文章に臨場感を感じて関係ない所でドキドキしました。
おじさん達が振り返ったら逃げた?もしや口が裂けてる?目が3つ?きゃー。
…って工事のおっちゃんであったか。ぐは。
08想定が面白いと思いました。続編を考えたくなりますね。
09世にも奇妙な〜に出てきても普通に馴染んでしまいそう。
バブル終盤にババ引いちゃったみたいな感じでしょうか。
票者:このバトルへの参加作者


■湖畔の声  鵯砂弐依さん
 
感想:しっかりした文章を書く人ですね。幻想と現実のバランスが取れていて、荒唐無稽になっていないところが良いです。
票者:純粋読者