第41回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01ブラックホール鵯砂弐依147
02天上人(てんじょうびと)shino
03世界、見えねど、聞こえる、ような。神上小鳥412
04楽しむ霧一タカシ291
05Drivin’深月諒224
06希望妃咲191
07アストロ ベリー☆蒼貴 碧依106
08君に伝えたいことがある氷雨水樹205
09卒業せいか110
 
 
バトル結果発表
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エントリ01  ブラックホール     鵯砂弐依



生まれた時から堕ちていた

大人になる程広くなる空の

白鳥のような青さに

掴めないと知って手を浸す


(冷たい流れを感じた)


生まれてこうして立っている

世界を変える両眼をもっている

それが私と君だった

闇に咲く黒い花


唄とか愛とか時間とか五感とか

そういうものとは次元が違う

失いたくないもの


崩れてゆく中、放さないから








エントリ02  天上人(てんじょうびと)     shino


 

 どうしても天使になろうと思っていたら

 転ばせるように身体(カラだ)が浮遊している

 マーブル模様に濁った水幕の上を歩くように

 氾濫した空流に足を取られた


 
 ああっ……今 私は浮いている

    羽が生えたように


 ああっ……今 私は浮いている

    相手の意思に乗れなくて(ある意味孤独で)


 ああっ……今 私は浮いている

    足場が無くなり転落していく


 
 天上人とは 落下しているだけかもしれない






※作者付記: 即興詩人なのでうまくいっているのかわかりませんが、なんとなく天使と落下していく人間、両方とも翼が生えたように堕ちていくので、この詩が浮かびました。







エントリ03  世界、見えねど、聞こえる、ような。     神上小鳥


昨日も今日も明日も、ない
暗闇に顔をうずめた
何も見たくなくて
何も聞きたくなくて僕は
どこまでも落ちていくことにした
不安や苦しみは他の何かのせいで
僕は何も悪くないんだと、
そう、思いたかった


あの日君のいた音のない世界で
あの白く染まり上がった世界で
今、誰かがが泣いているよ
ただ静かに、声もなく、ねぇ
寒さが肌を貫いていくの
なんだか、暗闇の中と似てるんだ
だからきっと、何一つ
目をあけても何一つ、見えないね
耳を塞ぐ手、もう離しても、良いですか


音を拾い始めた耳に、あぁ、君の声
あの日君のいた音のない世界で
僕を呼ぶ君の声
落ちていく暗闇は、どこにもなかったの

光を映し始めた目に、あぁ、舞い散る白銀の宝石
あの白く染まり上がった世界で
泣いていたのは僕ですか
滲んだ涙が一層に、世界をキラキラ揺らした


僕の醜さも全て染め上げる白
どうして人はこんな時、涙がでるの
焼き付けておきたい景色なのに、よく、見えない


「……ねぇ。
 明日は久しぶりに、話をしませんか…?」






エントリ04  楽しむ     霧一タカシ



戦いに勝っていこう。

戦って勝っていこう。

戦いに勝っていこう。

戦って勝っていこう。

戦いに勝っていこう。

戦いを楽しんでいこう。

勝って楽しんでいこう。

戦いを楽しんでいこう。

勝ちを楽しんでいこう。

戦いに勝っていこう。

勝っていこう。

深呼吸をしていこう。

勝っていこう。

戦いに勝っていこう。

勝った。

嬉しい。

楽しんでいこう。

戦って勝っていこう。

勝って楽しんでいこう。

戦いに勝つことを楽しんでいこう。

戦いに勝っていこう。

勝っていこう。

私は歌う。

高らかに言う。

私が好きだと。

私が愛している。

私を。

私は何でもできる。

私は何でもできる。

私は息をする。

私は面白い。

泊まっていく。

戦っていく。

戦う。

戦いに勝つ。



※作者付記:
前に書いた詩で使った技術を応用してみました。
楽しく読んでくれると嬉しいです。









エントリ05  Drivin’     深月諒


終わらない繰り返しに疲れて
握りしめたハンドル
ふらーり ゆらーり
空っぽの頭で見知らぬ角を曲がる

誰も自分を知らない場所 人波
これ 一番身近な別世界
胸に積もったモヤモヤぐにゃぐにゃから
ちょっとだけ開放されたような錯覚

「考えてみたらこんなことって
 もうだいぶ長いことやってないよね」
何回繰り返してみても
必ず出てくる同じ台詞

このまま夜空へ飛んで行けたら
なんて衝動をぐっと抑えて
なんとも胸につかえる勇気で
また行き先を日常に向ける

……さてと また頑張るかな っと






エントリ06  希望     妃咲


目覚めたら新しい日々で
音も、
色も、
ひかりも
すべて形をかえた
時は進み、世界は確実に老いていくという
そして嗤う、鉛色の空

この手がふれたすべてのものから
受け取ったぬくもり
わたしはその儚い繋がりを
一生求めていくのだとおもう
だからなにも、かわるものはない

頬を抓ってくれてありがとう
直線道路を走り抜ける風
白銀の世界でひとり
夢から覚めた12月のわたし


いまどこかで産声をあげた春が
一歩一歩近づいてくる







エントリ07  アストロ ベリー☆     蒼貴 碧依


甘い甘い 真赤な服
三角帽子の紅い ベリー
少し甘酸っぱい
ココロの苦しさ
『側にいたいよ』
そう小さく呟いて
飲み込めば
少し錆びた歯車
動かす合図
薔薇を赤く塗る様に
鳥が少年を孵す様に
堕ちた星屑 瞬く頃
君と一緒に
もう少しダケ…


※作者付記: もしょろしければおいで下さい♪
http://kanoko-com.hp.infoseek.co.jp/







エントリ08  君に伝えたいことがある     氷雨水樹


君に伝えたいことがある
大切なことを伝えたい
たったひとつの想いを
今 ここで君に伝えたい

そこに優しい想いはあるか?
涙溢れるほどの悲しみはあるか?
今 ここにあるのはただひとつ
『空虚』という単語だけである


君にほどいてもらいたい
この大切な心から
空白を消し去るために
暗闇から ほどいてもらいたい

その前に
私は君に 悲しみを告げなければならない
たったひとつの 光のために
君に協力して欲しいんだ


私の悲しみを
優しさに変換するために






エントリ09  卒業     せいか


 雪にさらされ
 北風にもまれて
 それでも
 その小さなつぼみで
 じっと待っている
 暖かい春にふれて
 咲くときを

 「一期一会」

 出会いと別れ
 春がきた
 さくらが咲いた
 冬の冷気が雫となって
 泣いているかのように
 静かに落ちた