第42回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01煙草の匂い神上小鳥112
02空合鵯砂弐依177
03結婚だってさ氷雨水樹285
04楽しいこと霧一タカシ326
05とげと香りとやわらかさ葉月イロ181
06キチガイ深月諒107
07春の卵八白164
08詩詠いとして思ふ霧らふ284
09こびと愛留122
10ラスト・バレンタイン蒼貴 碧依
11交換りんりん
 
 
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エントリ01  煙草の匂い     神上小鳥


アタシに煙を吹きかける

それがアンタのお気に入り

咳き込み、涙目、抗議の嵐

さらりとかわして額へ一つ

キスかと思えば、またもや煙

ブチ切れアタシはアンタを殴る

ごめん、ごめんは常套句

あの頃すごく嫌だったのに

今ではそれしか、思い出せない。







エントリ02  空合     鵯砂弐依



また当たり前のように
誰か出逢ったことのない人の明かりが燈る
街の上に続く狭くはてしない寒空まで
霞んだ唄が届いて欲しい
そう、願いが叶わなくても善いから

君の声と懐かしき体温は光になって
牡丹雪の中私を包んでいた
静かに目を閉じれば
それを証明する鼓動が揺れていた

夏に残った花火達はしけている
私は燈ると思い過ぎていた
同じ空合なんて無いと
誰もが知って生まれてきた筈なのに








エントリ03  結婚だってさ     氷雨水樹


残業中にケータイのメールをチェックしてた

『友』から
結婚通知が飛んできた


結婚おめでとう

あなたは私と違って
笑顔も絶えず、器量も良い

だからあなたは
直ぐに大切な人を見つけるだろうと思ってた


その後がいけないのよ
私にだけ連絡が無かった

そうだよね
あの頃私は、NET出来なかったから

ケータイさえ、持たせてもらえなかったから

でも、それでも幸せだった
あなたのメールが来るまでは


今、あなたにお子さんが居ることを知ってる
アナログ派の恩師から聞いた

別に驚かなかった
夫婦だから当たり前でしょ?


そうは言っても
「結婚」か。

私には
どんな方が待っているのだろう?


探しに行きますか?
冷たい風の中、颯爽と歩いて






エントリ04  楽しいこと     霧一タカシ



私は強い。

私は勝ち続ける。

私は待ち続ける。

私は挨拶をする。

私はいろいろな人と会う。

私は歩いていく。

私はきれいだ。

私は頭がいい。

私は戦う。

私は歩いていく。

私は休む。

私は戦う。

私は相手を倒す。

私は勝つ。

私は強い。

私は歩いていく。

私は勝つ。

私は勝ち続ける。

私は戦う。

私は寝る。

私は歌を作る。

私は歌を歌う。

私はありとあらゆる事をする。

私は勝ち続ける。

勝つのは楽しい。

私は楽しみ続ける。

私は書き続ける。

私は詩を作る。

私は歩いていく。

私は勝つ。

私は勝ち続ける。

私は倒す。

私はいろいろな事をする。

私は映画を見る。

私は映画館に行く。

私は映画の感想を書く。

私は小説を読む。

私は何でもできる。

私は何でもできる。

私は戦う。

私は勝つ。

私は懐かしい歌を歌う。

私は戦う。

私は勝つ。



※作者付記: また新しい詩を書きたいと思います。

次はもっと楽に書けたらいいなと思います。







エントリ05  とげと香りとやわらかさ     葉月イロ


ろくじに起きて
花に水まき

じゅうじにあなたと待ち合わせ
少し歩いて早めの食事
口端上げて目を見つめ

にじに葉萌える公園で
あなたの話にオナカで舌打ち
指先からめ爪を押す

よじに肩見て額をあてて
あなたのみぞおち心で撫でれば
ほほえむ腕が腰つつむ

しちじ静かに日も暮れて
おれんじらんぷを愛でながら
くびすじ熱い息かかる


ろくじに起きて
薔薇を摘む

あなたの声に小首をかしげ

今日も目の奥覗いてる








エントリ06  キチガイ     深月諒


「はーい、時間ですよ〜♪
 みんな揃ってマシンガン発射〜!」
っていう発言のありえなさと

あの人が
「あなたが好きです」
って言ってくれることのありえなさと

同じくらいだって思っちゃうあたりで

…………ごめん
頭かち割ってくるわ






エントリ07  春の卵     八白


衝動を歩く
えんらの虜
既に始まった空気は足下で潰れた

季節の転回
重ねた腹を強請ろう
堅実な寒空を抱こう

共に捧ぐ
友に捧ぐ
供とせり

桁を凌ぐ
桜は上に
咲いた犬を捧ぐ


 夕立


迷った蟻を植え
雪原の殻を添え
禊ぎは風を融解させる

輝石に破れ
傀儡に尖れ
霜柱は名も限る砂に没す

傷の洗いを泥土に託す
初夏に語らう葉書の如く

蔵に至った裸足の鷺は、濯いだ胎を許せぬと






エントリ08  詩詠いとして思ふ     霧らふ


世界には

言葉がたくさん溢れていて

どんな

言い回しも 連なりも よみ方も

もう

とうの昔に 出し尽くされてしまった 気が

していたのだけれど

僕だけじゃない

みんな みんな

新しい言葉を 紡いでる 紡いでく どんどん

世界には

言葉がたくさん溢れていて

いつも

新しい言の葉が 生まれて

世界を 満たしていくけれど

その

端から はしから かたっぱしから

誰にも 聞かれないで 消えて

いってしまう

たくさんの たくさんの

叫びに

誰かの 心とか そんなところの さけ び に

祈りを 捧ぐ

世界には

言葉がたくさん溢れていて

その中の

ここに届くほんの ほんの ほんの一握りを

大切に 大切にして 生きて い く のだ


※作者付記: 題は「うたうたいとしておもう」と読んで下さい。(名前も「きらう」と読みます)







エントリ09  こびと     愛留


おっきな空
おっきな海
ちっぽけな自分

でっかい地球
でっかい宇宙
ちっぽけな自分

ちっぽけなのに
背伸びして

ちっぽけなのに
手を伸ばす

おっきな夢
でっかい野望

ちっぽけな自分にできること

ちっぽけだから
背伸びして

ちっぽけだから
手を伸ばす

ほんとの自分を手に入れるため






エントリ10  ラスト・バレンタイン     蒼貴 碧依


君の横の特等席
次は誰が 座るんだろう
君は優しく甘い
誰もを許してしまうから
せつない気持ち込めた
ビターチョコ
暖かい気持ち込めた
ラッピング
涙の色に染まった
リボン
最後の『ありがとう』
たくさん込めて…
それでも君は
笑って受け取ってくれるんだね


※作者付記: 即興で詩になりかけてない詩になってしまいました。。。







エントリ11  交換     りんりん


あなたのかんざし
すてきね
わたしのいちご
赤いでしょ
ふたりでいっしょにたべましょう
いっぱい
コンデンスミルク
あるんだから