第46回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01友達mix253
02教室の風景コドモの王国
03コントラスト152
04問一 そのカレーの危険度は?村方祐治258
05死亡原因第二位神上小鳥444
06学校コティー451
07黒霧 島男341
08二律背反Orange Quince112
09ハイブリットA.K.T
10女の魅力せいか181
11人生幸崎隆司
12同床異夢Puffy127
 
 



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エントリ01  友達     mix


ねえあたしをやっちゃってよ

前後不覚になるくらいに

視野が狭くなるくらいに

すべてがおれんじいろにみえるくらいに

友達のふりしてきたけどほんとうはすごくあいしている



ねえあたしをやって欲しい

すべてをメチャクチャに崩壊させて

いままでつみあげてきた友情をブッ壊して

男女の友情なんか成立しないって

冷たく薄くあたしを見下ろしてわらって欲しい



だけどかれがそんなことしないのあたしが一番知ってる

かれは友達を傷つけたりなんかしない

そこも含めてかれをあいしている矛盾

かれといると息ぐるしい

でもはなれることは出来ないすごくあいしている






エントリ02  教室の風景     コドモの王国


 螺旋階段を登る囚はれ人の群
 踏み外した無数の魂が雨のように降り注ぐ 真昼の死
 取り残された若い身体は 時の雫が滴り落ちるのを
 待ってゐる人形 螺旋の頂点 悪魔の階級
 啜り泣く国中の民から掻き集めし金銭で
 己が饗宴に陶酔す 国沈みし今も
 責めは負はない呪はれし支配は凱歌を唄ふ

 かつてはきらきらした瞳で見上げてゐた
 大人を信じた季節は終焉を告げて
 悪魔生誕の母胎に成れと
 我の時間を食い物にする裏切り者を睨みつける

(学歴による、階級決めのための階段を登らされる
無数の群れ。大部分の子どもは既に脱落していて、
真昼のその時間は死んだような時間を過ごす。
授業中、心は教室には無く、肉体だけがただ時間が
たつのを待っている。まるで人形のように。

この階段の頂点、一握りの勝者は役人となり、
国中の人から掻き集めた金銭を自分たちのために
使い、国は破綻しかけてもその責任は負わず、
勝ち誇っている。

大人たちの言うことを信じていた幼かった
日々は終った。
学ぶ「知識」は決められ、それ以外の「知識」は
認めていない場所で、長期間過ごす。

国が沈む無能ぶりを発揮しても、責任を取らない
特権階級。この階段の頂点に登りつめた「勝者」という
免罪符で。許される横暴。

その悪魔を育てる母胎に、自分たちの時間が
使われている。
我々は裏切られている。)


※作者付記: http://blog.goo.ne.jp/kodomooukoku/







エントリ03  コントラスト     泪


さらさらと降り続ける雨
地面の水溜りに波紋をたてる

雨が多くの命を奪う
マンションの階段に横たわる虫
其処にいる 何故?

自然の力に命が奪われること
空が晴れて雨が止むということ
当然だと思っていた

僕だけのハートを
君と一緒のハートに
僕が吸う煙草を
君は嫌って

カタカタと揺れる窓
過ぎてく雨 流れる風
夏の匂いを感じさせながら






エントリ04  問一 そのカレーの危険度は?     村方祐治



砂漠   駱駝
蝶の言霊 シンヴォル

影 見え隠れする
岩 岩 岩 岩
魚の鱗も見えるね



香辛料

塩?
砂糖?!
牛乳、牛乳・・・
ルウ(・・)b
香辛料
香辛料!!
身元不明の可哀想な野菜たち
■▲●★
レシピはアドリブで。

人生に間違いなど・・・
法令に反しない限り・・・
ありません!!!

火山から吹き出た
沢山の溶岩とガスを覗く
---激しいね ああ
情熱の塊のようだ!

こだわりを持たないのが唯一のこだわり

食うに値するかどうか?
---そんなのは知りません

ケフモ勝手ニ量産チフ。
試食希望は、ご自由にどうぞ
命の保障は、致しません。
命の保障は、致しません。






エントリ05  死亡原因第二位     神上小鳥


頬は、腫れ上がり
口は、切れて
髪は、ひき千切られました

手は、カッターを握り
腕は、切り傷だらけ
心は、もう暗闇から抜け出せなくなって、、

そう、なってしまったと、思っていました。


空にまた 太陽が生まれ
大地を照らしてゆきます

そのうち

太陽はその息を止め
空にまた 月が顔を出します


涙を流せますか?

今、すぐに。

暖かな、満たされた、涙を。


私が今、ここに存在し
誰かの何気ない言葉や動作に、愛を感じ
幸せ、と思えることは

満たされているということと、何の違いがあるんでしょうか


日々を駆ける 様々な事柄は
一切の輝きを遮断され続け
見つけられず もしくは 忘れてられて
ずっと私たちのそばにあります

そのことを言葉で伝えられても
わかった気になるだけで
実際のところ何も、わからなかったりするものです。

それを今、感じられるのだとしたら、、


あの、何もかもに絶望した
地獄より苦しい想いも

今の私には、糧と、なっているのでしょう。


生きることが すべてで

生きることが はじまり

現実から 目をそむけないでいて欲しい

今苦しんでいる あなたも。






エントリ06  学校     コティー


「学校」
 学校が苦手です
 学校が、苦手です
 同じ教室の中には
 拒否する権限もなく
 いろんな人種の30人
 その一人一人を
 見て
 分析して
 気を使って
 この人とは仲良くなれそうだ
 この人とは仲良くできなそうだ
 この人は私をよく思っている
 この人は私をよく思っていない
 そんな事を考えるだけでも
 大変なのに
 授業で知識が詰め込まれる
 拒否する権限もなく
 まだ私はこの問題について
 納得していやしないのだ
 もっと言えば
 根本的に
 マイナスとマイナスをかけて
 プラスになる理論さえ
 納得していないのだよ
 おかまいなしだ
 おかまいなしに
 とってつけた解説をつけて
 授業は進む
 あまつさえ集団の暴力だ
 これでもかと私を否定だ
 良い成績をとって何になる
 
 ある日私は逃げ出した
 何も見ず何も聞かず何も読まない事にした
 ただ白い紙を見て
 ただそこにある文字の羅列だけを感じて
 自分で作った夢を見た
 今私は教室にいないのだ
 今私は
 どんな困難にも打ち勝つ
 カリスマを持ち合わせた
 小説の登場人物に
 相談を持ちかけているのだ


※作者付記: 久しぶりに投稿してみました。20編書いたうちの一つです。
思った事をそのまま書いたら変人ぶりが浮き彫りになってしまいました。







エントリ07       黒霧 島男


「花になりたい
 人に色添え水吸って
 そんな私になりたいの」
娼婦は言って男は笑う
狭い畳の長屋部屋

「中身はないの
 私のそれは空だもの
 ただ骨だけが残るのよ」
娼婦は泣いて男慰目
雨打つ窓に虚ろな目

朝焼け時の囁きは
昼まで持たず死にゆく煙
花咲く野原に散歩へ向かう
女微笑みなびく髪
覗いた顔に涙が滲む
花に沈みて消えぬかと気が気でなくて
半透明の夏の葉は空気を掴み
鮮やかな声朝の日に響くけど

「まだ見ぬあの世
 まったく怖くないものよ
 私はすでに死んでるの」
娼婦が言って男は困る
静まる部屋に鳴くは蝉

夕焼け時の喧騒は
出遅れてきた死にゆく煙
影亡き野原は紺に沈みて
浮浪人もやっと涼めるこの隙間
女も涼み沈みゆく
覗いた顔には安らぎか
陶器のような白き額を男は見つめ
刻まぬ時間その目でしかと刻み込み
ふと気がつくと一人部屋







エントリ08  二律背反     Orange Quince


僕らが笑っている時に泣いている人がいる

僕らが喜んでいるときに悲しんでいる人がいる

僕らが食べているときに飢えている人がいる

僕らが遊ぶときに体を売る人がいる

僕らが温まる時に凍える人がいる

僕らが愛し合うときに殺し合う人がいる






エントリ09  ハイブリット     A.K.T


神は

自分に

才能を与えてはくれなかった



才能を与えないことで

自らの力で 

考えて     行動し     成長する




ということを

のぞいては...................................


それこそ チャンスだね (笑)











エントリ10  女の魅力     せいか


顔が可愛いこと
スタイルがいいこと
性格がいいこと
常識があること
センスがいいこと
料理ができること
お菓子が作れること
洗濯ができること
掃除ができること
作法ができること
趣味を持ってること
ハンカチを持ち歩いてること
髪の毛が艶やかなこと
爪がきれいに磨かれていること
涙を武器に使うこと
好きな人を大事にすること
好きな人に甘えること
好きな人との間に子供を授かること
家族を愛すること…






エントリ11  人生     幸崎隆司


 よく働いて
 よく食べて
 よく眠る
 
 宇宙について考えるにはどうやら短すぎる
 
 よく働いて
 よく食べて
 よく眠る
 
 たまには遊びたいから死ぬまで忙しい






エントリ12  同床異夢     Puffy


歌う、金田一春彦が歌う
歌う、舘ひろしが歌う
歌う、日本赤十字も歌う

同じ言葉同じメロディー同じ歌
「ちかごろわたしたちはいいかんじ」

金田一は歌う
「近頃私達」は良い漢字

舘ひろしは歌う
近頃、私、舘は良い感じ

日本赤十字は歌う
近頃渡した血は良い感じ


皆違うけど、良い感じ


※作者付記: これからも、よろしくね。