雨が降る名前を聞いたこともない異国にその音を聞かずそれに濡れることもなく我々はそれを眺めることもないだが、想像してみようそして、そこになにがあるのか検討立ててみようそして、身近に降る雨を見ようその雨と我々が想像した異国の雨とにどんな違いがあるんだろうか今でも、あなたの庭にあの雨雲はあるのだろうかもう、消えただろうかあなたとわたしはそれぞれの前から消えてしまったもう、我々は異国の人雨雲は、流れ流れ我々に哀しみや喜び、生と死、幸福や不幸、を注いでいるからあなたはうまく笑えていますか?あなたはうまく泣けていますか?このにわか雨はわたしの降らしたあなたの雨その雨とあなたが想像した異国の雨とにどんな違いがあるんだろうかあなたはうまく注いでいますか?あなたはうまく眺めていますか?あなたの身近に降らせ降る雨を。その雨といつか異国に降る雨とにどんな違いがあるのでしょうか
日が昇りざわめきだす街並みなんとなく繰り返される日々に虚しさを感じた赤信号死に急ぐ人たち警告を飛び越えた爆音が耳を劈いていくそっと目を閉じてみても勝手に肥大化していく世界が蠢き飲み込んでいく身体声もなく静かに蝕ばみ続ける白い闇を拒絶するのに もう声が消えない匂いが消えないぬくもりが消えない残像が消えないあの日の紅いアナタが 焼き付いたまま悲しさも超えて悔しさも超えて痛みも超えて愛しささえ超えてぐちゃぐちゃになった心は もう強い手で 突き飛ばしたあの日は もう遠い 夢のように強い手で 一緒に連れて行って欲しかったあの日は まだずっと めぐり続けるもう 自分さえ見えないのに
木星へ行くぼくは木星へ行く満月のひだりがわをわたってそらに還るさかなと星を廻す象とぼくは行くなにも持たずぜんぶここへおいてぼくはぼくは木星へ地球のそらに星の雨が降るよいちばん夜がきれいなときあおい星が舟をだす木星へ向かう舟を波がよせてくる沖へいざなう波がぼくは舟にのりぼくは木星へ行く
ヘッドフォンの中はMAX 部屋に一人 あたまの中は嵐頭の外では空が夕立が始まるといった。雨粒は次第に大きくなりスピードを増し予言どおりだった。ベース音と重なり プラスチックの振動音が聞こえる 夕立と混ざって音は漏れているだろうあたまの中の嵐の中で鉄のように動かない事実もう 見えるのは 一人がいなくなった 空間だけ ただそれだけ (もう趣味の違いでヘッドフォンから漏れる音を気にすることもなくなった ただそれだけ もうヘッドフォンなど必要ないのにヘッドフォンをしている)
「本能」心の正しい動きに入り ありのままをありのままに捉えるようになり 全てを夢のようにながめ時と空とを自由に行き来できるものになりあらゆる世界と一体化する過程の中でやっと目覚めた本能が秀才の習得した2千パターンの知識網と達人の会得した5万パターンの情報網とを突き抜けて起こり得る世界を破る既存のものを調整することから来る変化 つまり想像力と創造力とでは敗れなかった壁を 光のように突き抜ける本能が超えてゆくそれはまったく新しいものを生み出すことであり 自他共に未知の領域からの贈り物なのだ
※作者付記: こんにちは。