第49回体感バトル詩人部門

エントリ作品作者文字数
01最後のページ桜井桃338
02サクラyusukelyu
03永愛(toa)永愛163
04うたたね神上小鳥131
05恋人〜コイジン〜375
06笑顔愛留174
07またも夜黒霧島男204
 
 
 ■バトル結果発表
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エントリ01  最後のページ     桜井桃


アルバムを捲る
写されていたのは
あたしの大好きな
太陽みたいなあなたの笑顔

アルバムを捲る
写されていたのは
あなたと約束した
希望溢れる二人の未来

アルバムを捲る
捲られたページには
あなたの姿も見えないくらいの
暗黒色した海の底

アルバムは突然に
この先に映し出されるものはないと
あたしに告げた

アルバムに
終わりがないなんて
思いもしなかった

あなたの笑顔はどこ?
あたしと約束した未来は?
あなたはどこ?

ずっとずっと
一緒にいようって
あなたの未来には
ずっとずっとあたしがいるって
言ってたじゃない

なんであなたは
いなくなってしまったの?

アルバムの続き
見たかったな
ほかの誰でもなく
あなたと一緒に

現実を
受け止める勇気は
今のあたしには
ないの

だから
もう少し時間をください

もう少しだけ
あなたとの幻想の空を
羽ばたかせて…?





※作者付記: 愛する人の突然の死。
すぐに受け止めることなんてできない。
あの人との時間はなににも変えれない大切な大切な刻(時)。
「アルバム」と言う名のあの人と自分との歩んできた道をこれから自分独りで歩いていかなければならない。
そんな「幸せな日々」と「絶望」の狭間で生きている人はきっと数えきれないほどいるのだろう。






エントリ02  サクラ     yusukelyu


「サクラ」



どこかで誰かと逢う夢を
春はどうして見せたがる
虚ろな頭を抱えていても
きみが座って待つ場所なら
不思議と靴が知っているよ


”ねぇサクラ、シリトリしよう
好きなものを言ってごらんよ”


今を盛りにつぼみが開き
咲いて誇って魅せられる
夜はとても艶やかに
昼はとても移り気に
暖かな南風に誘われ桜並木
立ち止まって愛でいれば
肩にそっと花びら舞い落ちる


”ねぇサクラ、シリトリしよう
好きなものを言ってごらんよ”


明日の話はするだけ野暮ね
また会いたいのは人の情
分かっているけど、移り気な
春に任せて来た恋は
春に任せて遊ぶがよいさ
もっと近くにいらっしゃい


”ねぇサクラ、シリトリしよう
好きなものを当ててみて”


後ろ髪引く恋しさにも
静かな別れを告げる春の息
静かに降る春の雨







エントリ03  永愛(toa)     永愛



どぉしてアナタゎ泣いているの?

哀しみゎ夜空に返して、今は笑っていて?

だって、僕の宝物はアナタの笑顔だから

泣きたいときは、一人じゃなくて、ぎゅって手をつないであげるから

笑いたいときは、一人じゃなくて、大声あげて一緒に笑おう

「もぉ少しだけ一緒にいたい」

アナタがそう願うなら、僕はいつでもアナタの側に

僕だって 一緒にいたい いつまでも







エントリ04  うたたね     神上小鳥


水深約80cmの海に漂いましょう

わずか三畳程の平らな世界は今や

僕らだけの貸切だよ

そよ風にそっと弾けて消える命

新たにノズルから生まれる命

僕らの意のままに続けられる一瞬の生

さあゆっくりとお眠りなさい

抱かれる熱の熱さは

約42度くらいだよ


目覚めたら

のぼせ上って

世界が逆転。







エントリ05  恋人〜コイジン〜     彗


人とは 変わるものなのですね。
たった半年で アナタの中身は まるで別人のように変わってしまった。
外見は変わっていないのに・・・。
それは 私のせいなのでしょうか?
 変わっていった人は もう元には戻ることはないのでしょうね。
でも 私は前のアナタが好きでした。 大好きでした。 愛していました。
残酷ですね。
 死んでしまえば 会えなくて 顔も見えない 声も聞こえない。
でも  生きていれば 中身だけ違えば 顔を会わせ 声も聞こえる。
私の大好きだった。 愛したアナタの顔や声はするのに でも私の愛したアナタは もうどこにもいない。
私が泣いてすがったら 前のアナタのままでいてくれましたか?
アナタを失ったのは私のせいなのでしょうか?
今のアナタを見るのは昔のアナタを思いだして
   とても......つらいのです。



変わることは普通 悪いことではないのに......







エントリ06  笑顔     愛留


嬉しいと思ったとき
面白いと思ったとき
ヒトは笑う

美味しいものを食べたとき
素晴らしい景色を見たとき
ヒトの顔から笑みがこぼれる

幸せを感じるとき
安心しているとき
ヒトは自然と微笑む

あなたが笑うと隣のヒトが笑う

幸せは伝染するんだとあなたは笑う

あなたが笑うと私が笑う
私が笑うとあなたが笑う


心から
愛があふれるその瞬間


私は笑うよあなたのために
あなたは笑うよ私のために







エントリ07  またも夜     黒霧島男


生きることとは
喪失感の繰り返しなのかと
嘆き泣いた夜
朝焼けが慰めに来て
ようやく眠る
目覚めればまたも夜

遥か遠くに思い馳せ
閉じ行く私の肉体は
風に吹かれ枯れゆく末
やはりどこにもたどりつけず
死に場を求めさまよい歩く
肥大しすぎた魂は
はまるべきところを失って
目をこじ開けては
拡大した肉体を見る

享楽とは
気休めに過ぎぬとは
何を迷って言ったのかと
酒を何度も飲み干して
歌い踊った夜
朝焼けが覚ましに来て
ようやく眠る
目覚めればまたも夜