第54回体感バトル詩人部門

エントリ作品作者文字数
01おちていく神上小鳥322
02問題集空白86
03ラフ・ミー乃乎263
04小テスト148
05絶筆。21世紀少年337
06mement mori揚羽394
07ホムンクルス河崎 舞
08接吻永愛97
 
 
 ■バトル結果発表
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エントリ01  おちていく     神上小鳥


まっさかさまに、
落ちて、
堕ちて、
おちてゆく。

このままおちてゆくのなら
楽になれるでしょうか?


たぶんイエス・・・

被害妄想で、挙動不審な、アタシが、
消えてなくなったなら
もう辛くない。
アタシも、アナタも、その他大勢でさえ。

みんな幸せなのだから
それは、楽になった、  ということなのでしょう。


もう すぐ 地面。
でも こんなにも ココロが穏やかで
気持ちがいいのです。






ぼすん

と、大いなる間抜けな音を立てたアタシの体。

人の叫び声が遠くに聞こえたよう。

アタシなんかに見向きもしなかった、親と友達が
ちょっとおかしな位冴えた目にうつる。


おちてくる、たくさんの涙と声、

アタシの思いと 彼らの想い。


アタシは泣きながら、高く澄んだ空を見上げる。

うん。
今は、
もう、
辛くない。







エントリ02  問題集     空白


生まれてきてから

?だけ

増えていき

数えるのも

めんどくさく

本当に

知りたいことでは

ないのかもしれないと

自分で

また増やす

悪循環で

。で

結べる時は

何時だろうかと

またいらない

?が浮かんだ







エントリ03  ラフ・ミー     乃乎


僕なんてもう
要らないんだろう?
嘘、吐くなよ
眼、逸らすな
僕なんてもう
とっくに要らない
僕はもう知っている
この期に及んで取り繕うなよ
二晩も前から僕が見つからない
何処にも僕は見当たらない
要らないものなど
捜し出す必要もないのだけれど
思い知るのが怖いのさ

ほら、笑えよ
ほら、笑っていいよ
笑え
笑えって
笑え笑え笑えワラエワラエワラエワラエワラエ

安いおまけ、付けてみろよ
そんな付加価値、どんな効力も発揮しない
ただ、思い知るのが恐いのさ
僕の居場所なんて
輪廻の何処にも見当たらない
僕の意味なんて
何処にも有りはしない
ハヤク
そんな僕を
頼むから 笑ってくれ







エントリ04  小テスト     柊


風を孕んだカーテンが
大仰な翼のように天井を舐める
雲の峰で爆ぜるのは
中年教師が吐き出す英単語
最前列で机にへばりつくあなたの
帆のような白いブラウスと
襞スカートの下の脹ら脛に欲情
兎穴に飛びこんだアリスはワンダーランド


あなたはどこへ着くだろう


答案用紙は白いまましたたかに回答
鉄柵は固く編まれたレースの喪服







エントリ05  絶筆。     21世紀少年


子犬を殺して空き缶に詰めました
さて、これは子犬の死体と呼ぶのでしょうか?

世界が思いのままになるとして
さて、最初に思いのままにすることは?

不幸を両手一杯に持った少女が居て
さて、可哀想と思う?助けたいと思う?

日常に言葉が沢山転がっています
さて、此処から幾つの宝を見つけられる?

全てを遮る壁があったとして
さて、それでも運命の糸は繋がってる?

世界がまた、大戦争になったとして
さて、それでも心臓の鼓動のを信じれる?

宇宙の膨張が終わったとしたら
さて、人間の不安は消えていく?

星が全く見えない夜に
さて、流れ星に願いをかけようと思う?

飢えに苦しむ名も知れぬ子に
さて、どんな言葉を詩人はかけるのでしょう?


それでも僕は戦おう
戦う相手は幻想だ
幻想と戦うこと自体が
幻想だけど

現実逃避と駆け落ちしよう








エントリ06  mement mori     揚羽


仕方ないじゃない あたしだって寂しいし 恋くらいしたっていいじゃない

性格重視顔重視 才能あればなお良。 恋する自由はあたしにだってあるわ

でも会えないし 会いたいし 会いに行っちゃおっかなくらいの

夏は嫌い 体調悪い 日に焼けるし 真っ白でいたいのよ 外も中も

真っ白でいられたらな ショートケーキになりたい イチゴの赤が欲しい

でも夏はショートケーキのクリームだって溶けだす だから夏は嫌い

でも会えないし 会いたいし 会いに行っちゃおっかなくらいの

蝉が鳴く 五月蠅い ジージジジ 頭にくる そんな季節なの夏は

溶けだしたショートケーキは不味そうで それはまるであたしみたい

そんなあたしを受け止めてくれる人 だったらいいのになぁ

嫌いになられてもいい 無関心よりはマシだから

溶けだしたショートケーキ 不味そうなそれはミキサーにかけて

グチャグチャにして 冷凍庫にしまっておけばアイスクリームみたいになる



※作者付記: 私自身をあらわしています。
宜しくお願いします。






エントリ07  ホムンクルス     河崎 舞


真っ白な雪の上 染めるのは血の雨
凍えそうな白に 暖かな赤が降る

愛してください 見放さないで
こんなにも美しい白に 赤黒い影を落としても
私は貴方を待ってます

鮮血は美しく 君を映す真っ白な絨毯
何処から映しても素晴らしい肉片
肉食の私には たまらない光景

一つ一つを集めよう 
冷たい雪の中 暖かな臓器    







エントリ08  接吻     永愛


彼方の愛情表現が

苦しいほど 私の身体に纏わりついて

彼方の愛情表現が

愛しいほど 入り込んでくる

一歩一歩 音も立てずに

身体を這って
ズルリ ズルリ と

身体の中へ。。。

ただ 一心に何かを探して・・・