しょっぱいのは 涙が溜まってできてるんだ。 そう誰かが言っていた・・・。 この星は涙でできている。 これも誰かが言ってた・・・。 なら、これは星の涙なのかな。 それともみんなが流した涙かな。 ただ、みんなが笑っていたのなら ここはどんな姿なんだろう・・・
何もないね と わらう 君の美しい顔 表情 言葉 君は美しい人 とてもとても 儚くて 触れたら消えてしまいそう もう終わりだね と 言う その唇に ぼくはただ目を奪われるだけ こんなにも静かな 終わりもあるんだね 君はとてもとても 美しい人
サービス満点な太陽の光 風鈴の音 誰かの笑い声 そして僕のため息 これぞ夏 あぁ夏だ 床と一体化して 僕よ 何を思う 思考が停止した頭で 気力を失った身体で 何が出来る? 何をしたい? 庭に寝転ぶ犬は ただひたすら眠っていて 「お前が羨ましい」なんて呟いてみるけど 実際 そんなに羨ましくもなかったりして 「どっちだよ」なんて笑ってみるけど 全然 可笑しくも何ともないし 床から見上げる窓越しの空は 雲一つなくて 青くて とても青くて 奇麗なんだけど 神秘なんだけど それよりも喉が渇いて仕方がない 僕がこうして無意味に呼吸をしている間にも 地球は回り続けている 偉大なる惑星に生きる 小さ過ぎる僕 「それがどうした?」 くだらない言葉達が僕を取り巻き それでも刻一刻と時間は過ぎる 動け 僕の頭よ 身体よ あぁ暇だ
あたたかい風に 見えないはずの桃色が混じる。 自信に溢れているのに、決してでしゃばらず控えめな あの美しい植物は 今年もやはり咲いている。 甘ったるくて妙にけだるくて、 どうしようもなく柔らかい 腹の底からふんわり溜め息がでるような 季節がまたやってきたのだと 1番最初に言い張るのは やっぱりおまえでなのあろう。 こちらはそんな綺麗すぎる季節など 一切興味はないが おまえのその 寂しく美しい清楚さは どうしてそんなにも人間を惹きつけるのか。 欲深い心を真っ白に そして時々ほのかな桃色にそめる 穢れを知ってなお 清くいようとする樹に、 サクラと言う名の ベタな樹に やっぱり今年も…惚れるのである。
時が告げる終焉の報せ。 見果てぬ地で今日も誰かが消え果てていく。 自分の与り知らぬ所で、静かに眠りに落ちていく。 当然の如く、有り触れている事象。 淋しいなんて言葉は、居合わせなければ出て来ない。 見えなければ、そんな感情は湧き出ないから。 ー 何て、都合が良い様に出来てるんだろう。 針が指定の時間を指し示した時、自分は消える。 一つの物語に終点を。 誰も読み返す事が出来ない盛大な軌跡。 読了者は唯一人、自分自身。 時が刻む毎に誰にも知られずに 文字達が霞んで消えていく。 作者の意に背き。 綴ってきた物語が端から消え果てる。 丁重な造りで出来ていた筈なのに、 些細な事柄も事細かに書き連ねたのに、 いとも簡単に紙面は色身を失い、一枚ずつ抜け落ちていく。 手元に残るは中身のない色褪せた表紙だけ。 タイトルから汲み取れる事は、 其処に物語が在ったと言う事位。 本は無数に生み出され、捨てられていく。 今日も又、廃棄される誰かのストーリー。 積み重なっていく本の屍。 本の世界に飛び込めたのなら、 君の話しを少しの間、自分の中に留められる。 残す事が出来ないたった一つの本、 少しの間でも構わない、君の物語を紡いでいたいんだ。 繋いでいれば、いずれ誰かの心に刻まれて伝っていくだろう。