掴めるものがあるなら 手を伸ばしたい。 なんて思っても 手を伸ばす前に 足を動かさなきゃ。 届く距離には限りがあるから。 近づこうよ その足でさ。 想いが届いて キミが掴める その距離まで。
自分を嘲笑って 世界を見下して 他人を責めながら 心に怒りを溜める それが僕の生きる糧 それが僕の原動力 自虐的になって 自暴自棄に陥って それを他人の所為にして 世の中に責任を押し付ける そして被害者ぶって感傷に浸る それが僕の生きる糧 それが僕の原動力 堅く閉ざした扉を 乱暴に叩く音 ノックのつもりか? 僕は無視をする やがてノックの音は止み 代わりに轟音が鳴り響く 電動のこぎりの刃がにゅっと顔をだして いとも容易く扉に穴を開けた 堅く閉ざされた扉から 強引に入ってきた君は チェーンソー片手に にっこりと笑った そして言った 嘘 それは全て後退するための 言い訳燃料 うなるチェーンソーを華奢なその手に携えて 柔らかく笑う君を綺麗だと思った そうか、これ 恋ってやつか 君に会う 僕が喋る 君が笑う 僕も笑う これこそ僕の生きる糧 前進するための確かな燃料 僕の原動力
※作者付記:チェーンソーのあたりはものの例えだと思っていただければいいなぁと思います。 ですが、どうぞご自由に解釈してやって下さい。
仮令ば ボクはキミが好きだと云ふ 大切にしたいと云ふ 抱きたいと云ふ けれどそれら全て、美しい感情だとは云い切れない 仮令ば ボクがキミに好きだと云ふ 冗談ではないと云ふ ボクを信じろと云ふ けれどそれら全て、綺麗な感情だとは思えない まさかそれら全て、本気で信じている訳じゃないだろう? だけどそれら全て、…全てが嘘な訳でもない 本当に伝えたい事は口に出来ないのさ 大切にしたいからこそ、軽々しく音に乗せるなんて アイラヴユー。 届いたかい? 真摯なのは何よりも。 キミを包む腕、だったのだけれど。
時はいつも 私だけを置き去りに 足早に通り過ぎていく 私はいつも 取り残される 未来へと追いつけないのは 通り過ぎれば 皆過去と呼ぶ 現実との齟齬を来たしたからなのか 夢と現実を混同している 嗜好の仕業か 未だ答えも見つけられずに 時の中にひとり 埋もれる あなたのひとみは 既に 違う誰かを みつめているというのに 私は今も まぶたに浮かぶ あなたを想う