ここだよ
いとけないきみは
ときおりいたずらなかおでかくれてみせて
「ここだよー」と
つたないくちでいばしょをしらせる
「ここだよー」
「ここにいるよー」
そのつたなさが
まっすぐなようすが
がんらい にんげんにとって
ことばというものが
どういうものであったかを
わたしにおもいださせる
ここだよ
ここにいるよ
ぼくはここにいるよ
そのことをしらせるための
きみのことば
わたしはいったいいつまで
きみのそんなことばがとどくほど
ちかくにいつづけることができるだろうか
いつかどこかで
いつもどこかで
ちいさいこどもは
おもたいもののしたじきになり
あるいはおとなにくみしかれ
あるいはしらぬうちにやかれ
あるいはひとりでたおれ
いつかどこかで
いつもどこかで
たくさんのこどもは
だれにも
ことばが
とどかないところで
わたしはいつまでも
きみのことばのとどくばしょにいたいとおもう
ここだよ
ここにいるよ
ぼくはここにいるよ
そのことばをたしかにきいて
いつまでも いつまでも
たしかにきいて
きみが すきだよ
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