エントリ1
風船
廣田 真理
アタシのこころが詰まっている風船。 不安の中を漂って・・ 追いかけなくちゃ・・ つかまえなくちゃ・・ 「アタシはそんなに強くないけど」 「アタシは何も出来ないけど・・」 つらくないの? 悲しくないの? そんなに長く浮いていて。 風船と一緒にアタシもどこかに飛んでいきたい。。 追いかけなくちゃ・・ つかまえなくちゃ・・ 始まらない。 どこまでも飛んでゆけ きっとアタシも追いついてみせるから きっと強くなるから、なりたいから。
エントリ2
憎しみの連鎖って知ってるかい?part.2
mint
世界中の悲しみを背負いんこんで 荒野を無理に選んで歩く男 正義を模索したら小さな憎しみが産まれた それは僕らが人間故の当たり前の弱さなのか 何なのかわからないし わからなくてもいいことなのかもしれないけど
砲弾で救えるものは何だ すべて命あるもの 砲弾で失うものは何だ すべて命あるもの 失えば悲しいと知っているのに
みんなが言う、オウムみたいなくちばしして 「憎しみの連鎖」って まるでついさっき見てきたみたいに そしてまた小さな憎しみが膿みだした 憎しみの連鎖を憎しみで切ろうとした それではダメなんだと僕は知っていたけど
因みに、僕はもう一つ知っているんだ 僕自身、何が正解なのか未だに解らないでいることも
エントリ3
念仏GIG
庭
ただ一心不乱に般若心経を唱える あなたの姿が
早朝に 昼飯の前に 夕餉の団らんの中に 私の夢現 微睡みの中にはいつも あなたの声が
あんた おい そうだよ あんただよ いい声してるな 低くてよく響く 極楽浄土に導かれる気分 ま あれだ もう夜中の2時だから あ 鼻毛 伸びてるよ
念仏な うるさい 私 イスラム教徒だから え? 念仏じゃない 読経? しらねぇよ イスラム教徒なんだから
ところで 些細なことではあるが ここ 私の仏壇すらない家で 般若心経 一心不乱に 読んでるあなたは 髪振り乱して 読み狂うあなたは 瞬きもせず 読み悶えるあなたは 鼻毛も切らずに 読み盛るあなたは
隣のオッサンなのに なぜ?
エントリ4
骨の髄まで愛した人む
毒薬透櫛
愛する人が死にました。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。 人を守って死にました。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。 人を守って死にました。 私を守って死にました。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。 人を守って死にました。 私を守って死にました。 愛しい愛しい人でした。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。 人を守って死にました。 私を守って死にました。 愛しい愛しい人でした。 例え体がひしゃげても 口が利けなくなっても、 呼吸をしなくなっても、 血まみれになったって、 愛しい愛しい人でした。
愛する人が死にました。 私を残して死にました。 人を守って死にました。 私を守って死にました。 愛しい愛しい人でした。 例え体がひしゃげても 口が利けなくなっても、 呼吸をしなくなっても、 血まみれになったって、 愛しい愛しい人でした。
白い衣に身を包み帰ってきました。 口元だけが面影を残していました。 白く冷たく変わり果てていました。
愛する人が死にました。
愛しい愛しい人でした。
だから私が食べました。
何も残さず食べました。
全て残さず食べました。
骨の髄まで食べました。
最後に何もなくなって、 愛しい人を食べたこの、 自分の体を食べました。
赤いスープをすすったら 愛しい人の手を取っても 彼の元へはいけませんでした。
そんな夢を見ました。
愛しい人が死んだとしても、 食べたら会えなくなるのです。
目の前では骨の髄まで愛してる人が眠ってる。
エントリ5
飛翔する死。
りら
鷹の目をしたあの男。 見えない血で黒ずんだ手は何の為。 何度も殴りつけたその腕と体を弄ったその足。 その男の体を見るたびに俺は愛しさに似た気持になる。 一体何人の人々を傷つけた。 殺したいくせに殺さない。 本当に殺したい。 その誰か一人の為に、その男は殺さない。 誰を殺したいのかは知らない。 俺も聞かなかった。 けれど、それが誰だか薄々わかってきたんだ。 俺は餞別のCAMELを買う。 男のジャケットに乱暴に詰め込んだ。 そろそろじゃないかと思った。 男がその誰かを殺す時。 次会う俺は腐乱してるんだよな?
エントリ6
優しい音
ききょう
優しい音が聞こえていたから 私は涙をこぼさなかった 例えばこのまま離れても 貴方を想うのでしょう 忘却という言葉そこにはなくて 貴方と夢の中 繰り返す逢瀬
甘い煙草の煙に包まれて 口付けた 些細なことさえ忘れないでしょう 貴方の想いが痛すぎて 残された傷跡は 死ぬまで塞がらない
涙を止めて 愛しい人 離れるときは 確実に近づくけれど 貴方に傷はつけないから すぐに笑える 忘れることが出来るから 人は幸せです
貴方は独りじゃないから 忘却の波にさらわれ 私は独り夢の中 夢幻に続く記憶の中の貴方との逢瀬 堕ちそうな空は いつも貴方と私を繋げてくれる
エントリ7
シアワセノコトバ
黄加
「明日会おうね」
心に響く1つの言葉
一番ほしかった言葉が
一番うれしい言葉が
今 ここにある
想いつづけてきた
出会った日からずっと
ほしかった言葉が
そっとしみこんでくる 私の心に
まだ片思いの身だから
こんなことしかいえないけど
明日は言おう
あなたに「おはよう」って
緊張するけど 大好きだから・・・
エントリ8
繭を紡ぐ
水音
つま先から口に含んでくださいませ
右の踵を手のひらで包みながら どうぞいつものようにゆっくりと
その間アタクシは 糸を紡いでサナギになりますゆえ 充分に湿った繭をつくりますゆえ
ひとつたりとも零すことなく 口に含んでくださいませ
内側からこみあげるモノと 外側からうちよせるモノと 交互に折り目正しく細胞を伝います
神経を尖らせ 感覚を澄まし この糸を手繰り寄せながら いつのまにかアタクシは 繭をうっすらと紅に染めるのです
その滴にカラダを洗われながら アタクシはますます湿ってゆきます この糸を噛み切りたいような衝動を抱えながら アタクシはますます湿ってゆくのです
エントリ9
うずまき
373
僕が起きるには朝は早すぎて 僕が見るには朝焼けは眩しすぎて 僕が望むには夢は大きすぎて 全てが勿体ないくらいだ
全て覚えておこう 怒りも憎しみもそのココロも、君には必要なんだから 喜びも悲しみも愛さえも、君には大事なんだから
僕が運ぶにはそれは重すぎて 僕が歌うには綺麗すぎて 僕が許すにはあまりにも酷すぎて 迷いがつもっていくようだ
全て正しいわけじゃない 利益も地位もその声も、君には似合わないんだから 罵倒も静寂も愛さえも、君には難しいんだから
何かが起こってしまっても、そのままでいてくれ 不確かな言葉は言わないで、ありのままがいい
マイナスかもしれないチカラだって、今の僕には必要なんだ。
エントリ10
無題
M i sa Й
誰のせいでもなく
誰も愛せずそれゆえ切なくでも誰かに愛されていたい
かかわりあうものすべてにやさしく包まれていたい
時は無情に動き暴れ宙に浮かぶ水のような あたしのアイデンティティーを絶えず破壊しようとする
何故なの壊そうとするのは
幸せの怖さを知っていますか
空の青さの孤独をまだ泣けますか
君に伝えたい わかってほしいことなど ほんとは伝えたくない
傷つく顔など見たくないの
現実はあなたのガラスみたいな 心を破壊するばかり
自分のことのように それ以上に痛いから
明るい歌しか聴きたくないのは真実から目を背けたいからですか?
エントリ11
死別
李衣
其処からの眺めはどうですか?
とても良好よく見えます
明日は雨が降るそうですが・・・
午後には雨は止みますよ
風が少し冷たいです
そろそろ雪の季節です
もうすぐ日が暮れますね
きっと今日は星が綺麗
どんなに貴方に問いかけても どんなに貴女に答えても
答えはアナタ届かない
エントリ12
願ひ
久遠
赤く燃える太陽よ、どうか焼いて、この体を焼いて。何も残らぬように。何も残さぬように。 笑えない子は役立たず。汚い羽の小鳥は目障りで、愚かな私はお荷物です。 無くした物を探そうと、ふらふら ふらふら 彷徨って、いつか忘れてしまうんだ、何を探していたのかを。そして泣いてしまうんだ、自分が何かも分からずに。 私の紡いだ言ノ葉が、空へと飛んで雲となり、地上に雨を降らせたら。降らす事が出来たなら、あの子も我慢しないで泣けるかな? 何の為に此処に居る?何をしたくて此処に居る?
エントリ13
冬の海
ユウキ
ひとり、涙を流す 真冬の海に向かい 耳に残るのは 患う胸に込み上げる嗚咽のように 打ち寄せてくる波
すべて、何も変わらず 曇る空は語る 凍てつく寒さに思うのは あなたの口から吐出した 私を切り裂く言葉
青白く染まった唇を真っ赤な紅で縁取れば 吐血の様を表すよう
空に掲げる松明で あなたの遺体に火を放つ
きく、あなたの香り 立ち込める煙の中 燃える火に 過ごした日々が過ぎてゆく 幸福な時
いつか、美しかったと 思えるよう 冷えた心の中 あなたの火で温める 煮えたぎる欲情
潮風に吹かれ荒れた唇で囁けば あなたを恨む言葉ばかり
鈍く光る剃刀を 数回手首に滑らせる
エントリ14
愛・言葉
ToWa
あなたは私に言葉をあたえてくれた
あなたのその言葉で私ははげまされた
あなたのその一言で私の心がやすらいぐ
なぜだろう??
私はいつの間にかあなたを愛していた
あなたは私に愛をあたえてくれてたんだね
ありがとう 愛する人
あなたをずっとずっと
アイシテルヨ
エントリ15
以下、詩ではない。押し付けでないから詩ではない。
八白
死ね。
と言われて死ぬか普通。 気狂い沙汰のてんてこ舞いは秋の日の夜長に雑巾が一対。 俺は拭く、拭く。 雑巾で? いやいやハンケチーフでだ。
味噌ラーメンを食べていない。 辛いから。 でもキムチは食える。 美味いからだ。 あと脂肪を燃焼させるらしいですよ。 辛いから。
俺は拭く、拭く。 雑巾で? いやいやハンッケチィーフでだ。 必需品? いやいや。
言葉の大きさ
なんか赤い。 雑巾が? いやいやヘンッケチィィイフがだ。
赤い? 嘘だもの。 青いのだもの。 イカの血は。
ヘモシアニン [hemocyanin] 甲殻類や軟体動物の体液(血リンパ)中に存在し、酸素運搬にあたっている銅を含む複合タンパク質。血青素。
でも人の血は赤いよね。 赤は情熱の色だから。 だから朱色。 心身喪失状態。 虹色。 虹彩。 にじにじ。
にじむ。
血が。
ヘンッッッッッケチィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイフに。 バーゲンだつのた。 百万両? 嘘。 560円税込みのハンカチ。
あなたこれから殺す? 食う?
食えば?
以上、詩ではない。押し付けでないから詩ではない。
エントリ16
雪が降る
ひよこ
僕が歩いたあとに雪 こんなに暖かくて明るいのに そこに僕がいたというだけで雪
一歩下がって物を考えてみよう 一歩進んで手を差し伸べてみよう
君が言っていたのはあの日の出来事 謝ることは簡単だったあの日の出来事 それでも逃げてしまった、あの曇り空の日
太陽はやがてどこかへ 前にも後ろにも動けない僕は凍てついて 発した言葉を飲み込めたらいいのに そんな考えだから僕はいつも凍りついている 太陽はもうどこにもいない
だから 僕が歩いた後に、雪
エントリ17
不幸な英雄伝承歌
むん
自己陶酔の人ほど 正義を盾に 自分の思う正しいことを押し付ける 世の中対 アナタ アナタの世界はとても醜い だけど正義のヒロインなアナタは 英雄気取り 不幸が人を優しくするのでは ない 不幸を盾にする人間のなんて多い事か
エントリ18
終演
さくら
ちょっと聞いてくれる こんなに愛していても ひたすら君のことを想っても 苦しかったんだ 辛かったんだよね でも最後に幕が降りる前に少し私に時間くれないかな? 少しでいいから振向いてくれない? 最後に君のために 今からの俺のために 今まで迷っていたけど やっと踊れる時が来たんだよね。 独り舞台じゃ 辛いよ 観客もいない、照明もない、音楽もないけど 君独りでいいんだよね。 最後の舞台を見てくれないかな
一ヶ月前に 君はもう強がらないと言っていったから その言葉を信じていた 少しずつ強がるの止めていってくれるだろうって 信じていた。 けれど君は、病状が悪くなるにつれ 強がってしまったね。 そんな君だったけど俺は、 「おみまいもいらない」 「食事もいらない」 そんな君の言葉を信じていた。 やりきれなかった俺は、そんな君から逃げるように 仕事に没頭し 友達と遊び 君への気持ちを、 どうしていいのかわからない気持ちを、 隠そうとして明るくふるまっていた。
俺って大変な勘違いをしてたんだね。 心配性でどんなに苦しい時も 1人だけ強がって苦しい所見せない君のことを もっとそばにいて 愚痴でも何でも良いから 話を聞くだけでも良いから 心だけでも軽くしてあげられていたなら 君の強がりを見抜いていたはずなのに しっかり向き合っていたら 君だけを見ていたら 今さら遅いけど そう思う 俺達は、すれちがいも多かったけど いろんな事話し合ってきたよね これだけは何があっても良いように お互い意見を交換しとこうって だからね 決めたんだ 今日君の本音を聞こうって 家族や俺のためとかじゃなく 心から生きていたいって思える? 俺は 君の真っ正直な気持ち 素直に受け入れたくて 人は心底生きたいって思わないと 義務やぎりで生きていたって 本人が1番辛いって話したこと覚えているかな? だから俺は 君の心からの気持ちを受け入れます だけどね このオバカな奴だよね はじめて気がついたよ 2年8か月かけてやっと かなり時間はかかったけど 君が何より 誰より大切な 大切な なくてはならない相手だってことに 愛している 心底愛している だから もし疲れて死を選ばないのなら 俺にもう1度 チャンスをください もう1度 最後にもう一度愛という舞台を見せたいんだよね。
エントリ19
灰色パラダイス
三浦
黒と白 君と僕 どどん どどん どどん お父さんが言ってたよ お父さんが言ってたね 僕(君)と君(僕)は なかよくしちゃいけないんだ どどん どどん どどん ばっ 危ないよ 関係ないさ 君と 僕で 灰色に なっちゃえばいいんだ ほら つかみあったこの手は 今 瓦礫の粉で ね うん そうだね
エントリ20
16
閑流
正規の手段で手に入れよ 標準価格で売り出せよ いつまで経っても価値は不変 だからこそ現状意地に、翻弄
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