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第2回小説参加作品/エントリー7
旅幸まりあ
文字数994


薬剤師エリカの独り言(仙人)

あたしはエリカ26歳。薬剤師。
今日は薬局に仙人がやってきた。仙人といえばボロボロの衣装をきて山奥でかすみを食べて生きる老人を想像するかもしれないが、現在の仙人はほとんどが高級マンションに住んでいて若い人も大勢いる。食べ物は主に有機栽培された無農薬野菜だ。

収入はといえば、多くの仙人が風水師みたいな仕事をしていて、大きな会社に雇われている。気を読んで会社の方向性を示していくのだが、風水師によって実際に会社は大きく違ってくる。
また、医者のような仕事をしている人たちもいる。

今日の仙人は、まだ30代だろうか?ベンツのオープンカーに乗ってきた。一見仙人とはわからないのだが、以前も一度来たことがある。仙人でないと扱ってはいけない薬草があり、それを買いにきた時に、仙人証明証を見せてもらったのだ。助手席には、こないだと違う美しい女性を乗せていた。
仙人はなぜか、色事にもたけていなくてはいけないらしく、どの仙人も異性とのつきあいは派手なのだ。ちっともモテナイ仙人は証明証を剥奪されてしまうこともあって、いまどきの仙人はいろいろと大変らしい。

「簡易コンタクトレンズをください。」
「きちんとしたやつは、眼科でもらってくださいね。」
「はい。わかってます。なくしたみたいで。緊急に必要なんです。」
「わかりました。」
視力と乱視の具合にあわせた簡易コンタクトレンズを棚から取り出して渡した。
「一万円です。」
仙人は喜んで、さっそくコンタクトを装着した。
「ああ、よく見える!午後からの試験に間に合います。これに受かればとうとうA級仙人ライセンスがもらえるんです。あなた今、さみしい独り者ですね。気が滞っていますよ。今度僕とデートしましょうよ。すぐに陰陽のバランスをとってあげられますよ。ははは」
真っ白い歯を見せてさわやかに仙人は笑った。
寂しい独り者!!まったくよけいなお世話だわ!

しかし、そのあとすぐに事件は起こった。
車に戻ったとたん仙人が叫び声をあげたのだ。
「お前・・・!男だったのか?」
美人の女性?が憮然として言った。
「違うわよ。手術してちゃーんと女になってるわよ。昨日の夜でわかってるでしょ?」

「昨日はコンタクトがなくて気が見えなかったんだ!なんてことだ。陰陽の交わりのはずが・・陽と陽の交わりをしてしまった!すぐには元に戻らないのに・・これじゃ、面接試験で落ちてしまうよぉ。」

現在の仙人はいろいろと大変なのだ。



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