第24回体感バトル小説部門結果

おめでとうございます!

今月のチャンピオン作品は、沙風吟さん作『方向音痴』です。
おめでとうございます!

エントリ作品作者得票
35方向音痴沙風吟6
29雨日余話3月兎3
2護るに値するものいつまでん2
1我が恋人工藤凛1
4贈り物日生藍香1
6プレゼント姫野1
8知らない人へ愁夜1
10天性のハンター東 暁彦1
14入道雲忠 美希生1
16さよなら第三惑星偽悟空1
17Sample.No0001遠野浩行1
20さらば提督順平1
22傍観者strangeexpectant 1
25はんぶんタカギミツキ1
26豚の尻と竹箒メソポタ1
27蒼の持つ風紅の持つ森雪恋う1
32おくじょう1
37IN THE BLUE TIME蒼月1
なしなし1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

方向音痴  沙風吟さん
 
感想:一番印象に残った作品です。トリノくんに会ってみたい気持ちにさせられました。
票者:純粋読者



感想:アイディアと言うかリズムと言うかそんなのが気に入りました。
票者:このバトルへの参加作者


感想:37作のうちの大半が、書き出しや最後の一文で損しているというか、読む気に
させてくれる「つかみ」も、余韻を残せる「オチ」もなく、私的で、感傷的で、
まるで日記を読まされているみたいでした。
死を扱うのも、他に想像力を働かせることが出来ないことを暴露しているように
思えて、正直、積極的に読む気がしません。

今月は、この一作だけですね。比較対象がない、というのもありますけど(笑)。
票者:その他のQBOOKS作者



感想:非日常的なことが自然に書かれていて、抵抗無く読めました。
技術と発想を総合して考えて、この作品を推薦しました。
票者:純粋読者



感想:こういう日常描写 みたいなのが 好きです。
票者:純粋読者



感想:文字数のことなんか大して気にせずに選考していたのに、残った作品は1000字と999字。やっぱりな、と思った。以前にも書いたかもしれないが、1000字、あるいはやや少ないぐらいの作品しか持たない魅力があるような気がする(文字数に対する意識が関係していると思う)。規定外となる作品も多く混じっているが、1000字の魅力をもっと大事にして欲しい。
残った2作品について。
エントリ29  雨日余話    3月兎さん
改行が多すぎるし、1つのセリフと短い描写が交互に繰り返されるのが単調で、そういう点では感心できないのに、初めから終わりまで1000字にちょうど良く進行している。1000字小説をいくつも書いてきたからこそ、という感じだが、登場人物の魅力や見せ場を作っていくと、もっともっと味わい深い作品になるのでは。
ラストは、マイナスイオンという言葉の使い方といい、上手くまとまっていると思う。元気→祖母くらいの年齢という情報の出し方も、主題を引き立てる狙いが見られて良かった。
エントリ35  方向音痴    沙風吟さん
「言葉だけで構成されている」というのと「少し見覚えがあるような場所に来ると」という情報がうまく頭の中で繋がらなかった。結局は「バイク屋」とかいう言葉じゃなくて、視覚に由来するんじゃないのかな、と。ちょっと分かりにくかった。あと、固有名詞を持ち出したら「つぶれた」などとは書かない方がいいのでは。
情報量は多すぎるけど、エピソードについては関連性が保たれているので分かりやすく、これだけ詰めてもいけるものなんだなと思った。だんだんと現実離れしたエピソードへと持ち込むところが面白い。
何より、書きたいことを真っ向からぶつけてくる姿勢とパワーに1票。従って、「雨日余話」が次点。(日向さち)
票者:その他のQBOOKS作者


雨日余話  3月兎さん
 
感想:とても透明感のある文章に惹かれました。
票者:このバトルへの参加作者



感想:以前掲示板でも話題になりましたが、暗い話が多いですね。
物語の主題というかテーマというか、そういうものが似てしまうと印象に残りにくくて、文章として良く出来ていてもその分損をする気がします。
「そんな中だから」という理由もありますが、「3月兎」さんの作品は特別ではないシーンをキレイな文章で上手くまとめていて、心に残りました。
次点で33の沙風吟さん、いつも「設定」を作るのが上手いですね。
それから18の嘉手納・瑠魅さん、現実と非現実の境目って本当はこんなものかな、と思いました。


票者:その他のQBOOKS作者



感想: 今月は意図するところがよくわからない作品が多かったのが印象的でした。読者がどのように受け取ることを想定して書いているのか気になります。
 比較的面白かった作品と気になったものは以下。敬称略です。
7 羊達のアンニュイ(煮込みきゅうり)710 →さらさら読めるしわりと面白いのだが、ネタ的に新鮮味が無いのが気になる。
11 夕立と雷龍(千早丸)1000→お話としては面白くないが、導入を含めて文章自体は悪くない。もう一味なにかほしい。
15 俺達は死ぬための計画を立てた。大丈夫、と彼女は言った(ヘビトンボ)1197 →荒唐無稽ながら面白く読めるのはシチュエーションの魅力と期待通りのどんでん返しからか。でも普通に家出して同棲すればいいじゃんと思ってしまう。
19 薔薇のハンカチ(綾)653 →面白くなりそうなのに、結局ひとつの状況を描いているだけなので物足りない。あと347文字使ってもっと広げられそう。
23 誰も知らない。(きしみ)1311 →シチュエーション自体はイカすのだけれど、前半の彼女のコメントは誰が聞いたものなのか、それとも独り言なのかでまず引っかかる。また後半の考察は冗長な気がする。でもけっこう好きです、こういう話。
24 職場参観(かつお)401 →無駄のないショートショート。いいんじゃないでしょうか。
25 はんぶん(タカギミツキ)990 →地味な題材で人の心をつかもうとすれば当然不利だと思うのだが、読み返すと味わい深い。高野豆腐のよう。
29 雨日余話(3月兎)1000 →これも派手な話ではないけど、文章のリズムが心地いい。
37 IN THE BLUE TIME(蒼月)845 →書きたいことはわかるし話も好きだが表現がもうひとつついていっていない印象。ラストは余韻がほしい。
 今回はとても迷いましたが雨日余話に一票です。
票者:このバトルへの参加作者


護るに値するもの  いつまでんさん
 
感想: インパクトの強い作品でした。
読んでいる間も次の内容が気になり、時代設定が今一つ分からないのに情景の一つ一つを想像できました。
親子間の微妙なやりとりにもぐっときました。

 続いて、エントリ29「雨日余話」3月兎さん。
主人公の複雑な心情が上手く現れていて、最後の考えには共感が持てました。

 エントリ30「夏の二人」黒マテリアさん。
温かさが何とも良い雰囲気を産み出していて、仲の良い姉妹が羨ましく思えました。

 エントリ35「方向音痴」沙風銀(吟?)さん。
なるほど、発想が凄いですね。時空まで越えるとは、凄まじい音痴ですね。


票者:このバトルへの参加作者



感想:37と応募数は多いものの、作品全体のレベルは低かったと思います。
これは個人的な見解ですが、導入部分、そしてオチにもう少し力を
入れてほしいと思います。また一人よがりの内容、もしくは文章が多く。
非常に読みにくい作品がいくつかありました。
私が文章でいつも心がけていることがいくつかあるのですが、
その中で一段落、または一文に同じ単語を使わない、というのがあります。
意外にそういった単語を切り捨ててみると、非常にすっきりとした文章を
書けるので試してみてください(生意気言ってすいません)。
長くなりましたが、いつまでんさんの『護るに値するもの』に一票です。
内容は分かりやすくシンプルですが、ところどころ表現によい部分があり、
選びました。
ただ一つ辛いことを言うと、中盤にある主人公の心の声が少し蛇足だと思います。
心情を語ることより、その行動によって表現することの方が
効果的な場合もあると思います。
次回作に期待します。
票者:このバトルへの参加作者


我が恋人  工藤凛さん
 
感想:不気味な雰囲気でムードがいいです。
票者:このバトルへの参加作者



贈り物  日生藍香さん
 
感想:右ストレートで思わず笑ってしまいました。
素敵な贈り物だなと読んで思いました。
こうゆう作品が大好きなので是非これからも頑張ってください!

票者:このバトルへの参加作者



プレゼント  姫野さん
 
感想:日常にある、あったかさのひとコマ。
ドキドキがゆっくり近づいてくる感じもよかったです。
票者:このバトルへの参加作者



知らない人へ  愁夜さん
 
感想:その状況や風景がよく想像できました。
すっきりとした読み応えがありました。
よかったです。
票者:このバトルへの参加作者



天性のハンター  東 暁彦さん
 
感想:情景描写がとてもお上手ですね。最初のほうなんか特に読んでいてドキドキしました。
確かによくありそうな光景ですが、鋭い描写と表現力でもって躍動感のある文章にまとまっています。お見事です!
票者:このバトルへの参加作者



入道雲  忠 美希生さん
 
感想:うまく言えませんが、とても綺麗な文章だという印象を受けました。
入道雲、台風など、透明感を感じました。
彼の心情がすごく上手に表現されていて、自然に伝わってきました。
話の終わり方もスムーズ過ぎず、とてもインパクトがありました。
大好きなお話です。
票者:このバトルへの参加作者



さよなら第三惑星  偽悟空さん
 
感想: 人死話や精神的な病を扱ったものが多く、本当は感想も投票もしないでおこうかと思ったくらい、苦手な分野の作品が半分くらいをしめていた。一行ずつ改行をいれる書式も、WEBで公開されている小説では普通のことらしい。知らなかった。
 でも、投票するなら自分の基準だけで投票してもいいだろう、という勝手な思い込みで、文章作法が守れていないと思う作品は無条件に投票対象から外してしまった。気にならない人も多いようだが、実際の本の書式と違う違和感が拭えない。頭が固いだけなので、こんな戯言は聞き流すと宜しいと思う。

「さよなら第三惑星」
 設定が分かりづらいのが難点だが、おそらく近未来の地球を書いたものと思う。この作者の書きたかったことが全部表現できていないのだと思った。誤読していなければ郷愁漂う作品。物語としては不完全かもしれないが、個人的に好み。

「はんぶん」
 単純に笑い飛ばせる日常風景がいい。

「方向音痴」
 過去のどんな些細な事柄を狂わせても、今と同じ現在はありえない、というSFの時間律とでもいう基本設定を無視しているのが意外だった。これ以上の長い話ではきっと、書けないんじゃないかと思った。

 ここら辺がいいのかな、と思った。
 一応、「さよなら第三惑星」に投票するが、この三作のなかで一番1000文字に近い、というか、ちょうどで纏めた努力に一票を入れておく。
 その他であげるなら、1000文字ちょうどで書いている作品はそれだけで凄いんじゃないかと思う。後は、読者の好き嫌いの問題なので、票が入っていようがなかろうが、自分でいいと思って投稿した作品にはそれぞれの思いがあって当然なので、作者の方は胸張っていていいだろう。
票者:このバトルへの参加作者



Sample.No0001  遠野浩行さん
 
感想:※感想文がありませんでした(QBOOKS) 

票者:このバトルへの参加作者



さらば提督  順平さん
 
感想: いいな。シュールでいいな。作者が作品のオチをぶん投げてしまったようにも見えるのだけれども、世の中のコトに疲れて乗った船が不条理だった、と考えればなかなか面白い。
 なんでこの船があるのか。なんで船に乗るのか。そんなことは誰にもわからないが、誰しも乗っちゃうんだな。そう、この作品にも乗せられてしまった。ので、一票。
票者:その他のQBOOKS作者



傍観者  strangeexpectant さん
 
感想:なんかジ〜ンと来てしまいました。
票者:純粋読者



はんぶん  タカギミツキさん
 
感想:今月気になった作品は下記6作品です(敬称は省略しています)。
15「俺達は死ぬための計画を立てた。大丈夫、と彼女は言った(ヘビトンボ)」
(1と見せかけて、実は2! というオチは面白い)
20「さらば提督(順平)」
(気の優しい(?)幽霊船(!?) しかし食料はどうなっているのやら/汗)
25「はんぶん(タカギミツキ)」
(お母様、ナイス・ボケ!)
29 雨日余話 3月兎 1000
(屋久島行ったことないですが、木は好きだ)
30「夏の二人(黒マテリア)」
(子供っぽい姉としっかり者の妹の対比がいい)
35「方向音痴(沙風吟)」
(命懸けの方向音痴になりそうだ)

ここまで絞り込むと、あとは趣味の世界ですか。
「雨日余話」と迷ったのですが、今回はタカギミツキさんの「はんぶん」に投票します!
なんだか安心して、ゆっくり読める作品だったものですから。
(by千早丸)
票者:このバトルへの参加作者



豚の尻と竹箒  メソポタさん
 
感想: ネット小説を問わず短編小説に精神障害をテーマや小道具に扱うものをよく見かけますが、大抵の作品が特異性に飛んでいそうな状況に甘んじるだけでリアリィティがなく、周囲の人間の辛さや苦悩、怖さとは程遠いのが常です。しかし忠美希生さんの『入道雲』には、過酷な家族の心情がしっかりと根付き、空の景色と主人公の心情が絶妙のコントラストを醸し出していると思いました。黒沢清監督の映画『キュア』を思い出しました。

 梵論子さんの『陰』はとにかく面白かったです。単語の選び方がどこか冷めていて、情景の展開にも一歩引いた視点を感じ、思わず溜息が漏れました。最後の締めかたが実にすばらしく、何度も何度も楽しく読み返していました。

 以上の二作をはじめ、面白くてとても上手い作品は沢山ありましたが、今回はメソポタさんの『豚の尻と竹箒』に一票を投じます。
 何より五感を、特に臭覚や味覚をフルに揺さぶられる力に圧倒されました。小屋の匂いや飴の味が鼻や舌に浮かんできました。空気感がリアルに伝わってくる感触は、本当に大事だと思います。テクニックは他の数作に劣るかもしれませんが、事物の捕らえ方と姿勢に特別な可能性を感じました。
票者:その他のQBOOKS作者



蒼の持つ風紅の持つ森  雪恋うさん
 
感想:すごく私好みの作品!これからもがんばってください。
票者:このバトルへの参加作者



おくじょう  空さん
 
感想:きっと屋上は都会の中で一番空に近い場所なんでしょうね。
票者:このバトルへの参加作者



IN THE BLUE TIME  蒼月さん
 
感想:まわりの描写等がとても細かくて、素敵でした。「蒼」って言うのがいいですね。
票者:このバトルへの参加作者



なし  
 
感想:今回はみんなおもしろくて優劣つけれませんでした。
好きな作品がたくさんあって、迷って、結局決めれませんでした。
次回は頭角を現す作品、期待しています。


日生藍香
票者:このバトルへの参加作者