マニエリストQ 辛勝!!





マニエリストQ

獲得票数:10

葉月みか

獲得票数:



マニエリストQの得票

感想:

どちらが詩として良いかと云われると悩むなぁというのが正直な感想。
両作品の作風の違いは一目瞭然で、直接訴えかけるか、そうでないかだが、私はどちらの手法も好きだ。
テーマが決まっているとは聞いていなかったが、どちらも人間を歌っているというのも面白い。
片や人間そのものであり、片や女性である。
葉月さんの女性らしい悲しさを歌った作品も捨てがたいし、Qさんの人間なんて結局は同じなんだという捨て鉢さも捨てがたい。
表現方法でいえば、葉月さんは、母乳の事を「白い涙」なんていってるし、Qさんは、灼熱で凍らせるとか、零下で溶かすなんていう反対の表現にしている。
全然違う解釈をしているかも知れないという不安は充分にありますが、悩んだ末に捻くれた私は、捻くれた作品(人間は踊らされている機械なんだという)を選びます。


感想:

「舞踏機械である神話の引用」は
音のリズムがあったのでは。所々くずれているのが気に入らないのですが。
タイトルが詩と合っているので。
(余談ですが、詩に関わらずタイトルがマッチしている作品は、それだけでとても価値がありますよね。小説もですが、詩は短いだけにタイトルの占める割合が大きくなると思うのです)
「母になれなかった乳房」は
上記のことができていなかったので。かたち的にはとても整っているのですが、音読したときにどうも据わりが悪いというか。
タイトルはこの場合はこれでも良いと思うんですがね。
全体的にもっとなんかあるかなという感じがします。
もう一歩書いて欲しい、というか。


感想:

Qさんに一票入れたいと思います。
第一印象は、漢字が多い上に難解で読みづらいと思ったのですが、きちんと読んでみると奥が深かったので。
葉月さんのは、第二段落が弱いと思います。


感想:

 両方見たところの第一感想。
 両者とも酔いすぎ。これについてこいってか?

 というわけで、悩みぬいた結果、まQ氏に一票。
 らしさっていうのかな。マQ氏の詩の方が、マQ氏らしい感じがよくでてた。衝撃力っていうのかな。はっとさせる感じが、あった。
いっそのこと っていうのが、何をさしているのかよく分からない上に、詩全体の緊迫感を薄れさせてしまっていて、そこは残念。

 葉月氏の作品は、君っていうのが、興ざめ。のっぺりした感じで、広がりが全く無い。
 語彙の薄さも見えてしまった。
 でも、もうちょっとレベルの高い戦いを見たかった。
 言葉の衝撃力を、生かした、詩
 言語の魔術師が生み出した、うたとでもいうか…
 と、書きたい放題ですが、役に立ったかな?


感想:

 詩は別に分かりゃしませんので、印象で選んでみました。
 葉月さんの作品は「ああ、そういうことか。悲しい話だねぇ」
 対してQさんの作品は「へぇ、何か面白いなぁ」
 あたしゃ、面白い事にまず価値を感じる方なので。
 ――自分のコンディションが一つ違えばひっくり返る事請け合いですが。


感想:

感想は、Qさんの方は絵が浮かんだ。
読みすすんで行く=絵を描いて行くって感じで。
一行ごとに線が増え色が増え。。。って。
わかんない!とも思ったけど、やっぱQさんのにしよう!

葉月さんの
>せめて白い涙を流したいのに
って所とか好きなんだけど
いまいちピンと来るところがなく。。
出産&妊娠経験ないので。
ってそりゃあんまりかな?

え〜こんな感想でいいんですかね?
一感想として、ってことで。ね。


感想:

正直にいうと両方とも難しくて良く分からない。
というか詩というよりも散文みたい。
(といっても僕には詩自体なんなのか分からないけど)

だから色で決めました。
Qさんのは青をかもしだしてて
葉月さんのは淡いピンクかな?
やっぱり男色の青のほうが
男性の僕にはぴったりくるので。


感想:

両者ともにはっきりと個性の分かれた詩になり、判断がむつかしくかなり悩みました。
しかし、ここで詩についての技術論や背景、その他などの批評めいたロジックを持ち出すと、非常につまらないものになってしまうので、悩んだあげく、最初に感じた印象だけを大切に票を入れさせてもらいました。まさに何の理屈もない感覚勝負。票を入れる方も当事者以上に緊張するのが、今回感じた正直な感想だったりして(笑)。


感想:

Qさんの詩に1票です。
五里霧中を「五里の霧中」として、音合わせをしているところを筆頭に、
はしばしにリズムや韻に気を使っている辺りが、心憎かったです。
象徴的なものがビシバシ登場して、読者を言葉とイメージの迷路に
閉じ込めてしまうのも、マニエリズムならではなのでしょうか。
作者のこだわり、思想が滲み出た作品だと思います。
何より、そう、自分の言葉を愛情と厳しさで選んでいるのが伝わってきたのが、
作品を書く姿勢として、好感が持てました。


感想:

こんなの比較できません、よって今回は、該当者無しです(笑)
ウソです。

「母になれなかった乳房」これを読んで思ったこと。
この作品だけでなく葉月さんの今までの詩もどこか悲しい印象があった。視点というかキャラが統一されていてやっぱり本人の視点なんだろうなと思ってしまう。今までのを読んでみてはじめて深みが出る作品のような気がします。

一方、「舞踏機械である神話の引用」
>人は人
この周辺がらしい。
つくったものに何か特別な価値を見出そうなんて図々しいのかもしれない。偶然と考える方がおもしろい。
最後の一行も、おしゃれだしね。

でどっちに入れるか。言葉の使い方で、へえ〜と感じたところがあったので僅差で神話に投じます。




葉月みかの得票

感想:

母性や女性を前面に押し出した詩が
いつものパターンに定着しつつある
彼女の作品ですが
今回のは痛かった
男性では分かることの出来ない
分身の命を失った痛みを切実に語られたら
男としては黙るしか無いような……
そんな気がします
男ではその芯まで伝わりにくい痛みでも
ストレートに言われて心が痛い


感想:

なんだか葉月さんの方がやさしいいい感じがしたので。好みで。


感想:

女性ならではの、否、女性としての立場を最大限に生かした詩をぶつけてきたことに、作者の並々ならぬ勝負根性が出ていて、そもバトルとはなんぞやという意味をしかと捉えているように感じます。詩のテーマとしては、分かりやすさのなかに、深く詰めていけば、生命、誕生、死といった、宇宙そのものを包括したスケールの大きな内容を捉えることが可能です。また、女性の乳房は生命の根源という象徴的な意味あいもあって、造型的な美も引き出しています。そういった意味では、表面シンプルなようで、その実かなり多重層な作者の世界観を秘めた詩なのではと感じました。


感想:

なんだか気持ちがよーくわかったような気がしたから。
24hテレビ的悲しみ(なんじゃそりゃ)が込み上げてきました。
マニエリストQさんのは、漢字がいっぱいあった時点で
引いてしまいました(すいません)・・・


感想:

タイマンバトルということで両作品を同じ基準で審査しようとしました。
両作品ともに鋭い感性を感じましたが、Qさんの理論性が
ちょっと邪魔してしまったように感じました。
葉月さんの滑らかで心地よい言葉の並びに今回は一票です。


感想:

 判断に苦しみました。
 何かというと、Qさんの作品の方です。葉月さんの作品は素直に一度見れば内容を読み取るのは容易です。悲しみを語るのに乳房をもってくるあたりがうまいと思いました。

 しかし、Qさんの作品はハッキリ言って難解です。一読しただけでは意味不明です。そこで、僕の中での勝負の分かれ目は、Qさんの作品を読み解いて葉月さんの作品以上の衝撃を受けることができるかという一点にかかっていました。
 ”難解じみている”だけでは、評価するわけに行かないからです。

 で、結論から言ってしまえば、Qさんの作品は「神話の引用」の範疇を越えていないと感じました。あまたある巨人神話(巨人の身体が創世となる)をQ語に翻訳してみました。という感じでしょうか。

 すこし穿って、人の頭の中のイビツなイメージが、言語化され、批評されて一般化、陳腐化されてしまうという事の(それに「不実の匂い」を感じ、そうなってしまうシステムが「永久の仕掛け」)皮肉をうたった文学論かとも思ったのですが……。


感想:

母になれなかった乳房

詩という者は、私の勝手な解釈ですが、
余計な言葉を極限にまで刮げ落として、洗練される物と思います。
で、ちょっと気になったのが以下の1行。

>滑らかな胸の
>熱が冷め
>青筋が消え
>張りが治まり
>乳首が縮み
>また元に戻った   <<<この1行

この1行がもしなかったなら、
そのあとで出てくる悲しみという感情をふくらますことができたと思います。
また、次の連との繋がりを断ち切ることもでき、
そこに一瞬の時間的な空白が生まれ、より効果的になったとも思います。

>もういらないから

この1行は好きです。
「もういらない」とだけで終わらすこともできたのでしょうが、
この「から」を付け加えることで、他の行が客観的に綴られているのに対し、
ここだけ激しい感情が強調され、ぐっと引き立っていると思います。
まさにこの詩の中で、この1行が一番の山場だと思います。


舞踏機械である神話の引用

詩は又、時間の演出とも思います。
この詩は空行が無く一気に最後までつながってしまっています。
少々もったいないような気もします。
たとえば

>いっそのこと

この行の前後に空行を入れて、時間を分断する演出もあったと思います。
もう一つ、似たような所ですが、

>いずれにしてもどっちでも

この「どっちでも」がこの詩の中で浮いているような気がしてなりません。
「いずれにしてもどっちでも」となっているので、
強引にも次の行に繋がりを持たせているように思えます。
文字数が「7・5」となっているのも読みやすくなっている原因でしょう。
そういうわけでここの部分は、さらっと、悪く言えばだらだらと読めてしまいました。
詩の中では、その1行を強調するためとか、そのあとの段を引き立たせるためとか、
どこか引っかかるところがあってもいいです。
「いずれにしても」と、どこか半端な感じで止めておいて、
作者が考えている一瞬の間と言う物を演出すれば、その後の段が生きてくると思います。
そしてやっぱりこの行の前後を空行で挟めば、より効果的になると思います。
それは「どっちでも」を残すときも同様です。
たとえば、

>半端なビスを灼熱で凍らせようか
>それとも零下で溶かそうか

>いずれにしても
>どっちでも

>一知半解な苦悩は五里の霧中に飛び火して
>ちょいとばかり他人に類焼するが

の様にしてもいいかと思います。
でもやっぱり「どっちでも」は削った方がよいかと。


で、投票ですが葉月みかさんの方に入れたいと思います。
葉月さんの詩にはひしひしと訴えかけてくる悲しみが伝わってきました。
一方マニエリストQさんの方は、後段の主題部の表現は良かったのですが、
そこに行き着くまでの間に、説明的な部分や、
言葉遊び等の技巧的な部分が盛り込まれすぎただらだら感が否めず、
ちょっとぼやけてしまったような気がします。
もったいないですが。
ということで、葉月さんに一票をお願いいたします。


感想:

 何と言いますかねえ。手段は問わないって事なんで、ぎりぎりまでツケトドケを待ってたんですが、どっちからも来ないじゃありませんか。そんな根性で勝てると思ってるんでしょうか。よって、どっちも負けだ! そうもいかないのか。ちっ。
 さて、えーと、どうしようかな。
 びびっと感じた方に入れればいいんでしたっけ。じゃ、葉月さんのに一票。Qさん、すんません。イメージは面白いですが、音とリズムにおいてもう少し読み易いと良かったような。葉月さんのは、自身の体験なのかどうかが気になるのですが、いや……そんな事、関係ないか。うん。たぶん。


感想:

 詩を判断する基準は小説以上に人それぞれだろう気がするから、とりあえず私見を披露すると、今回のバトルに関して言えば、「わかりにくい」作品は嫌いではないが「わからない」作品は私にとって意味がない。「わかりやすすぎる」作品は好きではないのだが、私にとって意味がないのかというとそうではない。よって、葉月氏の作品に一票。
 細かく言うと、マニエリストQ氏の作品から得られる「絵」(この裏に私はメッセージ性を読みとれなかった、あったかもしれないが)に比べ、葉月氏の表現しようとしていることの方が、得られるものがあったということ。美しい絵には力が宿り人の心を打つ。力のある絵には背後にある何か美しいものが見える。しかしマニエリストQ氏の絵は、どっちつかず、やや煮え切らないものがあった。
 一方葉月氏の作品だが、言いたいことはストレートだ。隠喩を使っているが、この場合の隠喩はむしろ、見ているこちらを恥ずかしくさせる程度のもので、できることなら書かない方がよかった。「白い涙」がたとえば「米のとぎ汁」であったりして(もちろんその場合は描かれる時間背景もかわる)、ということであれば、もっと隠喩らしくてよいような気がした。隠されきっていないと思う。
 しかし両者ともに描きたいと思った部分の志の高さは買える。行数指定のある難しいところでお互いが見せた、努力の跡、そんなものが、詩とは違った意味で私の心を打った。




〇ドロー票

感想:

 詩だから何が悪いだの良いだのはないですが、Qさんのは特に言えばリズムが良くない事でしょうか。この詩は文章芸術としての詩ではなく、むしろ音を楽しむ芸術としての詩なのでしょう。
 ただ、それにしては朗読すると引っかかってしまう部分があるのです。

 で、葉月さんのは3回読んでようやく理解できました。
 ここに描かれる世界については詳しく語るのを避けますけど、まあ、こっちは画を見せる詩なのでしょう。ただ、僕はこういう詩が元々好きではないので、マイナスな見方をせざるをえないのですが。
 詩の種類の好みでいえば、僕はQさんの詩の方が断然好きです。
 が、この2つの詩だけをはかってみれば、葉月さんの方が出来がいいとは思いますけどね。
 ということで、僕の感想は「ドロー」という事で。


〇投票期間後の御投票

感想:

マニエリストQさんの詩に投票します。

どちらも人間の苦悩の詩、と受け止めました。
Qさんの詩は直接的な言葉がないにもかかわらず、
情景的にとてもわかりやすい印象をうけました。
葉月さんのも、わかりやすい言葉、気持ち、ともに
とても感じやすい詩でした。
勝敗つけがたかったのですが、
後味というか読後感がQさんのほうがすっきりして感じたので
こちらにしました。



 
大接戦でした! しかし結果はご覧の通り、サイトマスター・マニエリストQ氏が勝利を収めました! まったく「手に汗握る」とはまさにこのことですね!



というわけで第一回「タイマンバトル」は、勝者:マニエリストQでした!

勝者、マニエリストQ氏に大きな拍手をお願いします!
またここまでの大接戦を演じた葉月みか氏にも拍手をいただけると幸いです!





QBOOKSトップ > バトル会場 > 第1回結果内訳
[QBOOKS]  ◆QBOOKSに掲載の記事・写真・作品・画像等の無断転載を禁止します。
 ◆作品の著作権は各作者に帰属します。掲載記事に関する編集編纂はQBOOKSのQ書房が優先します。
 ◆リンク類は編集上予告なくはずす場合がありますのでご了承ください。
 ◆スタッフ/マニエリストQ・3104・蛮人S・吾心・厚篠孝介・三月・羽那沖権八・北村曉

Edited and published by QSHOBOU Japan. No reproduction nor republications without permission.