□ 第2回バトルお題(葉月みかさん出題) 「あめ」
形式制限:短歌(タイトルの有無は自由) 投稿期間:2001年11/13〜11/27(24:00) 作品発表:11/27 まで随時 投票期間:11/28〜12/4(24:00) 結果発表:12/5(1:00)予定
□ バトル参加作品
entry 1
青葉大地作
たへまなき あきのながめに かすれゆく
まつといへども たれそきたらむ
entry 2
羽田 恭作
雨に濡れ インクがにじみ もう読めず なくなりゆくは 思い出たちよ
entry 3
イグチユウイチ作
街灯を
見上げて鳴りし
この胸の
吐息消えつつ
小雨は雪へ
entry 4
りんね作
ねぇかぁさん レインドロップって どんな飴?
といしむかしも 散る雨滴かな
entry 5
やす泰作
静々と
ただ沈みゆく 沈みゆく
頭の上から
足の先まで
entry 6
有馬次郎作
後ろ手に
花束かくし
傘のなか
雫の瞳に
我えくぼ揺れる
entry 7
那智作
音を飲む
冷えた雫等
膜を掛け
隠して流し また巡るのか
entry 8
3104作
雨粒が源流となり大河となる
大海夢見て切磋琢磨
entry 9
ある晴れた初冬の朝に もんてす・きう作
見渡せば
百光年も澄む空に
ふわり 漂ふ
わたあめのごと
entry 10
ぶるぶる☆どっぐちゃん作
過去と今 折り重なった死身達が
雨なぞに濡れ ひからびている
entry 11
三月作
降り止まず
離れてもなお
この雨は
君と交わした
睦言の雨
番外編
番外参加作品 entry 1
太郎丸作
ぽつりっと ふるあまおとも 静やかに
想いのたけも いえだせぬまま
□ 結果発表 ●チャンピオン決定
第1回テーマ付き詩人バトルチャンピオンは――――
イグチユウイチさんに決定です。
イグチユウイチさんおめでとうございます!
次回のテーマ付き詩人バトルのお題をお願いいたします。
第2回テーマ付き詩人バトルは、QBOOKS始まって以来初となる「短歌」でしたが、予想を上回る(?)作品の集まりでした!
投票してくださった皆様、投稿してくださった皆様、本当にありがとうございました!
次回バトルもお楽しみください!!
作者名 票 イグチユウイチ 3 りんね 2 羽田 恭 1 有馬次郎 1 3104 1 もんてす・きう 1 ぶるぶる☆どっぐちゃん 1 三月 1
感想票
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推薦:羽田 恭作
感想:りんねさんのは、とてもいい。少し作戦も見えますが。
イグチさんもやすさんも那智さんも同系で、とても泣けます。
3104さん、僕の憧れです。
最後に、僕的には『羽田さん』の作品を推挙します。
■
推薦:有馬次郎作
感想:情景が思い浮かぶようです。ちょっとほろ苦い想いが伝わってきて、心をくすぐります。
次点作は、イグチさん 太郎丸さん、青葉さん、です。
■
推薦:もんてす・きう作
感想:『わたあめのごと』からの「雨」と「飴」の連想が面白いと感じました。
『百光年の澄む空に』この言葉の選び方が個人的に好きです。
終わり方が綺麗で、上手くまとまっていると思います。
■
推薦:三月作
感想:自分は、三月さんに一票です。
雨というイメージととても良く合っているような気がします。
睦言の雨というフインキも好きです。
■
推薦:イグチユウイチ作
感想:みなさんがどのように短歌というものを受けとめているかがわかってとても面白かったです。
では、どんな作品に投票すればいいのかと考えました。たぶん「本来の短歌として優れている作品」か「短歌という形式を踏まえた詩として優れている作品」 この二つの見方ができるのでしょう。
失礼ですが、みなさん日頃短歌を扱っているとは思えませんでしたので、私は、前者の考えで、めったに無い機会に一番短歌らしい短歌にまとめあげたイグチさんの作品を推します。
ただ、下の句は、「小雨は雪へ」ではなくて「雨は小雪に」ではないかと思ったのですが、どうですかね。
■
推薦:りんね作
感想:ねえとうさん レインコートは 洗濯屋
酔って ころんで 泥ぬるを
りんね姉さんのレインドロップに一票。
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推薦:3104作
感想:他の人は、切ないイメージで考えたみたいだけど、3104さんは、大きな、包容力のあるイメージを見せてくれました。目を閉じれば、大河に流れるための努力をする、雨だれたちが浮かんできます。
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推薦:イグチユウイチ作
感想:他の方々の作品と比べると、イメージがはっきりと浮かびました。
「短歌」というと難しい感じですが、31音の詩だと考えれば、
いいのかな。ただ、分かち書き(改行)の仕方が単調で、
読んでいて、リズムがいまいちであったきもします。
視覚的にも、聴覚的にも。
でも、今回の作品のなかでは一番気に入りました。
■
推薦:りんね作
感想:いずれの作品も想像以上にレベルが高く、正直びっくり。
興味深いのは「57577」という単位の視覚的な演出が、
投稿されたそれぞれの方によって個性が感じられたこと。
特に印象に残ったのは、
りんね さん
もんてす・きう さん
ぶるぶる☆どっぐちゃん さん
の3作品。
かなり悩みましたが、りんねさんに1票。
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推薦:ぶるぶる☆どっぐちゃん作
感想:るるぶさんに投票します。
短歌なので野暮なことは言いませぬ。
今回の短歌は全体的にすごくおもしろかった。
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推薦:イグチユウイチ作
感想:今回のはどれもこれもおもしろかった。
青葉さん作品は割と古風な感じが出ているし、羽田さんのはわかりやすくてよい。りんねさんのは憧憬と儚さが出ているし、やす泰さんの作品は暗い感じがよく出ている。有馬次郎さんの作品は最終句がたたっともつれるようなのが後を引いて楽しいし、那智さんの作品は相変わらず個性というか視線が光る。もんてす・きうさんの作品は谷川俊太郎がどこかに見えて興味がそそられるし、ぶるぶる☆どっぐちゃんさんの作品はしっとりとしたものを排除しているのがいい。
推薦作は、飛び抜けていいとは感じなかったけれど、この冬の切なさと、題目の雨がうまく溶け合っているなと思った。本格的じゃない短歌でもいい。思いがストレートに伝わる、ひとつの詩の形態なんだから。恐れずに足を踏み出した作者たちに拍手。
感想番外編
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推薦:ぶるぶる☆どっぐちゃん作 (期限を過ぎたため無効)
感想:自分には無いものをお持ちになっていると言う事で、
ぶるぶる☆どっぐちゃんさんに一票です。
とにかくインパクトが強烈でした。
短歌は今回初めて作ってみましたが、とても面白い体験でした。
31語の詩と言う御意見もありましたが、
僕は短歌とは読んで字の如く「短い歌」だと感じました。
恐らく正しい短歌の発表方法は作者による音読だと思うのですが、
実際にひとつひとつの作品を声に出して詠んでみると、
黙読とはまた違った味わいを得る事が出来ました。
きっと人がまず始めに出会ったは、歌だったのでしょうね。
詩はそこから分かれた物なのでしょう。
今回のテーマ詩人バトルではそんな事を思いました。