□ 第4回バトルお題(空人さん出題)
テーマ「以下の詩の続きを考えてください」
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
形式制限:詩 文字数・行数ともに自由。タイトルも各自つけること。 投稿期間:2002年5/26〜6/8(24:00) 作品発表:6/9(0:00 一斉発表) 投票期間:6/9〜6/15(24:00) 結果発表:6/16(1:00)予定
□ バトル参加作品 ■
entry 1
想い 〜腐植土〜 爆睡王子作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
ただひたすらに 密着し融合しようと 必死に汗をかいている
不思議に洩れる吐息は 言葉?
ふとそんな疑念がよぎらなくもないのだけど
今こうして一つになろうとしているそのことが
全てを吹き飛ばす勢いで絡みつき
脳髄まで融け崩れるほどの熱をもって
あなたを 抱きしめ 壊そうと するのです
この下半身の疼きさえ 今は愛おしいと感じます
この胸の高鳴る鼓動さえ 今は優しく感じられます
ただそこに居てほしいと願う気持ちが切なく
嗚咽となって アナタを包み込もうとするけれど
あるいは 頬を流れる川が 熱く燃えようとするけれど
それさえ 今は大切なものだと 真実感じることができるのです
言葉なんて面倒なものがなくても
僕とアナタはこうして一つになっている
そのことが とても嬉しく思えて 仕方ないのだけど
アナタが失った言葉をおぎなう術を僕は知らないのです
少し冷たくなってきました
少し風が出てきたような気もします
ゴリとした塊が 一つになった僕たちを 凝り固め
身動きできなくなるかも知れないけれど
伝わらないよりはずっと良いと僕は思うのです
あれほどうるさかったアナタも今は彫像のよう
でも だからこそ伝わる たくさんの気持ち
それを大切にして生きていければいいと
今は心底思えるんです
また少し冷たくなってきました
また少し風が強まったような気がします
融けるように 崩れるように
僕とアナタの肉体が一つになろうとしています
最初からこうしておけばよかったのに
後悔ばかりが 動かない四肢を 駆け巡ります
とても冷たくなってきました
とても強い風が僕たちを運ぼうとしています
でもかまわないよね
もう少しだけこうしていようよ
こもまま もう少しだけ
そうしたら僕たちは本当に一つになれるんだ
それまで僕はアナタを抱きしめてあげる
冷たくなったアナタの体を
思い切り 思い切り
抱きしめて 本当の 一つに
■
entry 2
一つに…… 橘内 潤作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
で 喰べた
もうバクバクと
メキメキと軋む骨
バリバリと咀嚼音
で 解かった
あたし好みの味じゃないって
■
entry 3
無題 フォニックス作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
抱きすくめられ 言葉もなく 鼓動だけが聞こえる
体中にこだまする 暖かな心臓の音
皮膚に散らばる感覚器たちよ
この人の想い 仔細漏らさず感じ取れ
骨よ、肉よ、魂よ こぼれ落ちるひとすじの涙よ
どうかこの人を手放さないで
この想い 心に届くまで
ずっとこのまま ずっとこのままで
■
entry 4
メロドラマ ユキコモモ作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
あなたは私の愛情に耐えようと
足を踏ん張っていた
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
慈悲の眼差しで見つめて
思い切り 私に耐えていた
あなたの目が震えていた
私達は分かり合っていたから
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ とわかっていたから
思い切り 抱きしめることで
気持ちが 真中に届くこと 信じた
あなたの ハナ が濡れていた
思い切り
私を見つめて 目をそらさないで 私を受け入れて 思い切り 思い切り
あなたの胸に顔をうずめたい 少し匂うかもしれない 言葉はいらない
そしてあなたが くぅんと泣く(けど 構わず続けるのですこれはメロドラマなので す)
思い切り
(あーあシロ 駄目じゃない いいところだったのに もう少しだけ我慢してよ)
抱きしめる
(後でジャーキーいっぱいあげるから 次のシーンは 私を命がけで助けるのよ)
思い切り
(感動のクライマックスなのよ だから もうちょっとこのまま 言う事きいて)
抱きしめる 真中に届くまで 届くまで
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったのか
あなたは無言で去っていった(走って逃げた)
大丈夫!
私達は分かり合っているのだから
あなたは 戻ってくる
また 抱きしめてと言ってくる
そしたら あなたを抱きしめてあげる
思い切り 思いっ切り!
(あとで続きやろうね、私の言う事きけるよね? ねえシロ……)
■
entry 5
(作者の要望により掲載終了しました)
■
entry 6
無題 ピロト作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
あなたの骨にまとわる 内臓が
わたしの内臓をくるみあげ
自分の気持ちさえ支えきれず
あなたの 気持ちの 真ん中に溶けるまで
思い切り 思い切り
そうして わたしの剥けきった皮膚が
あなたの 剥けきった皮膚と融合し
なにもかもが 一体となったとき
なぜだか 言葉が生まれた
それは 意外にも 伝わる言葉で
意外にも ちゃんと伝わっていた
思い切り 思い切り
■
entry 7
彼と彼女 氷月そら作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
だけどあなたは不安そうな目をする
思い切り 抱きしめるほど 不安そうに僕を見る
言葉は ちゃんと伝えるためにあるものだ と思ったから
何度も あなたに言ってみた
私の血液に乗ってかけめぐる言葉は
振動となってあなたの耳に届き
脳に伝わり
やがて あなたの血液に乗ってかけめぐり
あなたの 指先の 毛細血管にも届くまで
何度も 何度も
だけどあなたは不安そうな目をする
何度も 言うほど 不安そうに私を見る
僕はどうしたらいいのだろう
私はどうしたらいいのだろう
■
entry 8
どっちだっていい 佐藤yuupopic作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
言葉は あなたの思うより気持ちを乗せて ちゃんと
ちゃんと 伝わっているものなのだと
あなたの体温より時には私にとって真実なのだと
じんわり汗ばむ服を通り越し
ほってた皮膚が密着し
先走ってしまった 体の真中で熱帯びた部分ごと
跳ね返された 愛お憎らしい否定
思い切り 思い切り
どっちだっていいんだ
伝わっているなら
俺は
■
entry 9
小さく決意 rin作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
そこまで来て
ゆっくりと眼を開けた
そよ風がカーテンを揺らす
晴天の休日
白昼夢
というよりこれは、私の妄想
ただただ、あなたが欲しいのだと
泣叫んでいる、私の欲望
ひとつ、またひとつ
私が私を理解するたび
現実がひたひたと近付いて来る
くだらない行き違い
思う通りに鳴らない電話
可愛げのないわたし
溜め込んだ不安
それを塗り込めるための笑顔
あなた色のわたし、わたし色のあなた
望むほど褪せる明日の色
逃げたい
いいえ、本当は逃げたくない。
だって
あなたが生きているから。
もう一度、眼を閉じる
決めた、明日あなたを思い切り抱きしめに行こう。
紫外線をたっぷり含んだ日ざしが
まぶた越しに眩しく光った
■
entry 10
CFFN ぶるぶる☆どっぐちゃん作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
ふと思い出すそんな思い出を
本当は笑えば良いと思う
あなたがいなければあたしはいなかったし
多分こんな所にも来れなかったけれど
そんなことは忘れてしまって
本当は笑えば良いのだと思う
私は投げる
帰ってくる
それを抱きしめる
その度にあたしは
本当は笑えば良いと思うのだ
クラッシャーフリーフォール脳天砕き
略してCFFN
抱きしめた相手を
あたしはあなたと覚えたその必殺技で投げる
密着した肌が
すうと離れていく
その度に思うのだ
それが自然じゃないか
一度抱きしめたら後は離れる
それが自然じゃないか
そう言って笑ってしまえばきっと全て終わるのだ
(終わるのだよ)
誰かが言った
(解っている)
あたしはそう答えた
(終わっているのだよ)
誰かが言った
(解っている)
解っている解っている解っている
解っているんだ
あたしは全てへの言い訳のように
低く勝利の雄叫びをあげた
今日も家に帰ったら、きっと泣いてしまうのだろう
その言い訳のように
慰めのように
低く勝利の雄叫びをあげた
「折ったどー!」
言葉は何も伝えないことを感謝しながら
あたしは満員のファンに向かって
低くそう叫ぶのだ
■
entry 11
心から 身体ごと 骨まで sachi作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
体温の低いようなふりをして
ガラスの向こうで 僕を見つめる瞳を
無理やり腕の中に押し込んで
教えてあげよう 僕のこと
僕の腕の中で 脈打っている あなたと
心から 身体ごと 骨まで混ざり合って
呼吸したり 発熱したり 血を巡らせたり
同じ速さで 同じ温度で あり続けたいと願う
腕を離すと
あなたは赤い顔をしていたから
ちゃんと伝わったのか 訊いてみた
そんな僕に あなたは教えてくれたね
心から 身体ごと 骨まで
そう 言葉じゃなくて
■
entry 12
リ・ボーン カピバラ作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
この体が 砕けて ばらけるほど
思い切り
粉々の体は あなたの中で あたらしい形になる
温かい子宮につつまれながら
胎盤を通して 体液を共有する
互いの心臓が脈を打つのが
聞こえなくても わかる
今なら 言葉がなくても伝わるだろう
あなたも きっと もう知っているはず
わたしは
あなたがいるから
生きてゆけるのだと
□ 結果発表
■
entry 0
無言の事実を超える言葉 空人作
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
着ている服を通り越し
皮膚が密着し
その下の脂肪や筋肉が押し潰され
自分を支えている骨までが
あなたの 気持ちの 真中に届くまで
思い切り 思い切り
ある時 飛び降り自殺の 現場に遭遇した
人間は 潰れていた 突っ伏していた
赤い血 飛び散る肉片 ざわめく喧噪 獣の匂い
しかし くまなく探しても そこに言葉の姿はなかった
伝わってきたのは 無言の事実だった
言葉は 意外にちゃんと伝わらないものだ と思ったから
思い切り あなたを抱きしめてみた
心臓の鼓動が速まり 細胞が呼吸し 脳波がシンクロする
いま こうしてあなたを抱きしめている
いま あなたが何を考えているのか
60兆個の細胞が あなたの気持ちに鋭い照準を向けている
そして
無言の事実を超える言葉がなにかを
じっと考えている●チャンピオン決定
第4回テーマ付き詩人バトルチャンピオンは――――
sachiさんに決定です。
sachiさんおめでとうございます!
次回のテーマ付き詩人バトルのお題をお願いいたします。
投票してくださった皆様、投稿してくださった皆様、本当にありがとうございました!
次回バトルもお楽しみください!!
作品名 作者名 票 心から 身体ごと 骨まで sachi 3 無題 ピロト 2 一つに…… 橘内 潤 1 メロドラマ ユキコモモ 1 流れゆくもの 檸檬 1 小さく決意 rin 1 CFFN ぶるぶる☆どっぐちゃん 1 リ・ボーン カピバラ 1 推薦作無し −−− 1
感想票
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推薦:小さく決意 rin作
感想:爆睡王子さんの「想い〜腐植土〜」とrinさんの「小さく決意」とどちらにしようか 迷ったのですが、前者の詩のほうがなんとなく説明っぽくとれるようにも読めた のに対し、後者は詩的かつ気持ちがこめられている、と感じたので、rinさんの 「小さく決意」に一票!
あと、もったいないなーと思ったことなんですが、テーマ付きバトルで「無題」 っていうのはなんとなく、そこで作者の詩のカラーが薄くなってしまう気がしまし た。
私だけかも知れませんが、そう思いました。
■
推薦:心から 身体ごと 骨まで sachi作
感想:一番素直な感じがして素敵ですわ。
■
推薦:心から 身体ごと 骨まで sachi作
感想:さすがに有志たちの作品だけあって、レベルが高いです。どの 作品にもそれぞれ光る部分はあるのですが、最終的に1番を決 めるとなると、はやり全体的な完成度を求めてしまいます。そ こでsachiさんの作品を推します。リズム、日本語の美しさ、 イメージ喚起力、トータル的なバランスに優れていました。
■
推薦:メロドラマ ユキコモモ作
感想:まさかこうくるとは思わなかったです。意外。そして面白い。カッコの使い方 も絶妙です。微笑ましいと言うか、なんと言うか、くすっと笑わせてもらいました。
■
推薦:推薦作無し −−−
感想:普段の場合は特に推薦したい作品が無い時でも何とか選ぼうと努力しますが、今回は何て言うかどれもこれも反省会クラスの出来、ていうか、全員死刑!(自分含む)というような惨憺たる有様だったので、自戒の意味も込めて、推薦作無しでいきたいと思います。
今回、結構楽しみにしていたんですけどね。
■
推薦:流れゆくもの 檸檬作
感想:3日くらい空人さんの置かれた前半とじっくり向かい合われたという、
ご本人の言葉が納得できるような、大切に向かい合っている感じが
作品ににじみでていてよかったです。
今回の投稿作の中で檸檬さんの作品に一番それがあったので、
投票につながりました。
とても大切なのだけど、いつもは忘れてしまいがちな、
対象としっかりと向かい合う姿勢を、意識の上で再確認させていただく思いでした。
詩にとって本当に大切な、言葉の妙、手癖、口先だけじゃないもの。
そこに胸に響くヒントがきっとあるということ。
檸檬さん本当にありがとうございました。
■
推薦:一つに…… 橘内 潤作
感想:うははは、喰うか、喰ったか、そうきたか!
でも、あたし好みじゃなかったか。わかるなぁ〜。
喰ったのにね、バリバリ喰ったのにね……ぷぷぷ。
若い子ちゃんの勢いみたいなのを感じました。
グロいけど、かわいいのでこれにします。
■
推薦:無題 ピロト作
感想:これ、投票するのがムチャクチャ難しいです。悩みまくりです。
さんざん悩んだ挙句、ピロトさんに一票。リフレインを使って、お題そのままのイ メージで真直ぐに広げているところが好感持てました。勿論、他の作品も素晴らしい んですけれど、自分が一番やってみた書き方ということで、この作品に投票します。
■
推薦:無題 ピロト作
感想:言葉を信じられずに「あなた」を抱きしめていたら
産まれたのは想いを伝えてくれる言葉だった。
というどんでん返しに、ヤラレタという気持ちです。
「思い切り」というお題中の言葉を
効果的に使っているところもイイです。
■
推薦:リ・ボーン カピバラ作
感想:選考するのに大変難しかったです。
氷月そらさん作の「彼と彼女」はお題のかたまりを1まとまりと考えずに、足してか たまりにしていてその上できちんと対になっているというまとめ方が大変上手いと思 いました。sachiさん作の「 心から 身体ごと 骨まで」は妄想や空想をさまよって いると感じる作品が多い中、「無理やり腕の中に押し込んで」という文で現実味を感 じさせることで成功していたと思います。
さて、投票なのですが、分解、吸収、再生、そして今もドクドクと鼓動を感じること が出来るような恐ろしさ(本当はそんなに恐ろしくないのかもしれないけれど)、読 み後味がすごく良いというわけでもないのですが、なんだかその味がとても気になっ てしまったカピバラさん作の「リ・ボーン」に投票したいと思います。
■
推薦:CFFN ぶるぶる☆どっぐちゃん作
感想:さんざん悩んだ挙句、ぶるぶる☆どっぐちゃんさんに1票入れることにしました 。
テーマを上手く利用していて、一つの作品としての完成度が高いと思ったので。
メリハリのある構成がいいですね。
■
推薦:心から 身体ごと 骨まで sachi作
感想:積極的に推すものが他にないので……。
やはりタイトルが「無題」だと興がそがれる気がする。それでもって、この作品のあとを書くというテーマの性質上、前段の文章とトーンが違わないことが望ましい(あえて変える手もあり)。
そうすると、相当作品は絞られてくる。「メロドラマ」ユキコモモ作は、カッコの使い方が秀逸。詩の流れをそのまま引っ張ってぐっと変えるという手法も成功している様子だ。が、今回はこのカッコの技術を使うための詩になってしまった気がする。本当にこういう結末にしたかったのかが、見えない。
「流れゆくもの」檸檬作は、詩の内容もストレートで好ましい。突き通る思いと「あなたの細胞のひとつひとつまで 旅をし」と言った比喩もなかなか見事。ただし、最終連でなぜ樹が必要なのか、若干イメージに落ちた感がある。惜しい。前段をそのまま受けてしっかりと返す姿勢はいいと思う。
「彼と彼女」氷月そら作は、前段の最終で連を変えない手法を採った。個人的にはそれが一番雰囲気を受け継いでいくのにすぐれていると考えていたので、この作者とあとひとりしか気づかなかったのは不思議でもある。なぜだろうか。しかし、その手法を取り立てて活かすこともなく作品が小さく縮んでしまった。
「CFFN」ぶるぶる☆どっぐちゃん作は、CFFNの略号で笑わせていただいた。が、前段と明らかに違いすぎる。連詩の意味がなくなったか。
そして推薦作「心から 身体ごと 骨まで」sachi作だが、陳腐なきらいはあるが、大きなミスがなかった……という形だろうか。大変消極的で申し訳ないが、一票。同じく「リ・ボーン」カピバラ作を推す、ということも考えたが、後者は若干陳腐から抜けようとしてしまった。陳腐で行くなら最初から陳腐と覚悟していく方がすっきりしている気がする。
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