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第36回1000字小説バトル Entry25

夢中で見た夢話(むわ)

 その日の授業もつまらなかった。
 大講義室の壇上では、初老の教師が謎の言葉を使って講義を進めている。確か講義の内容は「ヒトゲノムの解読に於けるリボ核酸の…」ってやつ。
 トニカク、俺、庄司はとてつもなく眠い。
 前を見渡すと、約70名(約100名中)の「同胞」を発見。内、40名程は、すでに夢の世界へ出発済。
 ま、毎度の事といえば毎度の事だ。
 そして毎度通りならばソロソロ僕も夢の世界へれっつらごぉー

 と、ふと気付いたら、講義室には自分以外に誰もいなくなっている。
 でも、講義が終わったって感じじゃない。
 感じじゃ無いっつったら無いんだから、しょーがなかろう。
 てなことで、別に何をするともなく、講義室の一席でボーっとしていた。
 するとまた、うとうとして来て

 と、ふと気付いたら、友人の澤谷君の部屋にいる。
 部屋の隅の方では、澤谷君が特盛15倍カップ麺を食べている。
 おいしそうなので、一口頂く。
 でも、「おいしい」という感じがなかった。
 感じが無いっつったら無いんだから、しょーがないだろう。
 てなことで、カップ麺と格闘している澤谷君をボーっと見ていた。
 するとまたまた、うとうとして来て

 と、ふと気付いたら、南極にいた。
 氷の大地で、ペンギンがいっぱいいるから…
 うん、トニカク南極だ。
 吹雪もすごいし、ペンギンも鳴いている。
 今、向こうの方で1羽、空を飛んでいた気が…
 でも、そんな事には驚かず、そして、寒さも別に感じなかった。
 南極なのに。
 とりあえず、飛んだペンギンを漠然と探し続けた。
 するとまたまたまた、うとうとして来て

 と、ふと気付いたら、ラブホにいた。
 健全な大学生だから(断じてもてないからではなくッ!)当然来た事ないんだが、断言出来る。ここはラブホだ。
 シャワー室からかわいい女の子(初対面だけどどこかで見た気も…)が出てくる。当然タオル一枚→ 当然自分も脱ぐ脱ぐ!
 でも、何故か感情は高ぶらなくて

 と、何か頭が重い。
 目の前は真っ暗。
 誰かの声…
「…おい、いい加減に起きろー。講義はつつがなく終わったぞー」
 それは、隣で講義をしっかり聞いていてくれた友人の澤谷君。
 どうやら、熟睡していた模様。
「目ぇー覚ませッ!」
 何処から出したか、ハリセンで一発頭を殴られる。
 痛い感覚が、あった。

 講義室出て、最後に想わず独り言。
「ヤッときゃ良かった!」
 ま、別にいーんだけどさっ!

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