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第30回1000字小説バトル Entry1

ランナー

 僕は今まで、ずっと走り続けている。
スーハー、スーハー、スーハー、スーハー
 いつ頃から走りはじめたのか、自分でもよく覚えていないんだ。
スーハー、スーハー、スーハー、スーハー
 僕は一人で走り続けている。
スッスッハー、スッスッハー、スッスッハー
 何人かの人間が僕に近づいてきたけど、僕が無視していたら彼等は去っていった。
スッスッハー、スッスッハー、スッスッハー
 誰かと一緒に走っていると、僕のペースが乱れてしまうんだ。
スーハッハッ、スーハッハッ、スーハッハッ
 もちろん苦しくなってペースが落ちてくることもあるけれど、それはそれさ。
スーハッハッ、スーハッハッ、スーハッハッ
 いつになったらゴールできるのかわからないけれど、それまで走り続けるしかないんだ。
スースッハー、スースッハー、スースッハー
 やれやれ、また誰かが近づいてきた。
スースッハー、スースッハー、スースッハー
 僕と同い年くらいの男だ。
スッスーハー、スッスーハー、スッスーハー
 一緒に走ろうよ、たってなんで僕が君のペースに合わせて走らなきゃならないんだ。
スッスーハー、スッスーハー、スッスーハー
 この野郎、僕の背後にピッタリ張り付いて、プレッシャーをかけてきやがった。
スッスッハッハッ、スッスッハッハッ
 こうなったら、もっとペースを上げて、振り切ってやるしかない。
スッスッハッハッ、スッスッハッハッ
 くそっ、しぶとく食らい付いてきて、なかなか離れない。
スースッハァハァ、スースッハァハァ
 すこし苦しくなってきたみたいだな。
スースッハァハァ、スースッハァハァ
 よし、奴のペースが遅くなってきたぞ。
スッハッ、スッハッ、スッハッ、スッハッ
 こいつ、もうフラフラで倒れそうになっているのに、うっすら笑ってやがる。
スッハッ、スッハッ、スッハッ、スッハッ
 ふう、ようやく見えなくなったな。
スーハァハア、スーハァハア、スーハァハア
 しまった、さっき飛ばしすぎた反動で、ペースが一気に落ちてきたぞ。
スーハァハア、スーハァハア、スーハァハア
 ぐっ、足が鉛になったみたいに重い。
ハァハァハア、ハァハアハア、ハアハアハア
 あいつ、何故あの時笑っていたんだろう。

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