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第31回1000字小説バトル Entry25

ダンゴ3兄弟

「そういうことだったのね!」
「なんだよ 三郎、急に大きな声出して。」
「二郎兄さん、私 やっと わかったのよ。ねぇ、いいから聞いて。私達って 生まれた時から、ずっと3人この同じ体よねぇ。」
「なんだ 改まって。そんなの見りゃわかるだろう。昔のダンゴは一個づつ丸めて串に刺してたって話だが 今じゃ機械でガッチャンだわな。」
「その通り。つまりねぇ、私達は 3人の体が1つに くっついちゃったシャム双生児なのよ。」
「ソーセージ? 俺たちゃダンゴだろ。」
「ばかねぇ、腸詰めじゃなくて、3つ子の双生児よ。」
「んなことわかってら。まぁ 俺達 そんなもんかもなぁ。」
「でしょ。私はね、 私達3人は 一卵性のシャム双生児だと思ってたのよ。」
「シャムならそうじゃねぇのか。3つの体に別れるはずが、くっついて出てきたんだろう。」
「私もそう思ってた。でも兄さん達は 男で 私だけ女の子。もともと1つの体だったんだから3人とも男の筈なのに、自分が女だと思っている私は 頭がおかしいんだって思ってるんでしょ。」
「そうじゃねぇのか、お前は 生まれついてのオカマだろ。串を刺すときに変なとこ通しちまったもんだから。」
「私もそうかなって思ってたの、ウフ。でも そうじゃないのよ。」
「じゃ、何なんだ。」
「私たちは一卵性じゃなかったのよ。多卵性双生児として別々に生まれてくる筈だったのが、手違いで 私の体は兄さん達の体と くっついちゃったのよ。きっとそうよ。兄さん達の体と混ざっちゃったから 外見は 男の子になったけど、私は やっぱり女の子だったのよ。2人の兄さんと1人の私の体じゃ 割合的に男の方が強いものね。だから 私は女なんだわ。私は 正常なのよ!」
「変な理屈だな。てことはよ、この体には 男と女が...」
「おい、やかましいぞ、お前ら!」
「ひゃっ、一郎兄さん、起きてたの。」
「サブ、お前 さっきから なに 訳のわかんねぇ理屈こねてんだ。うるさくて寝られやしねぇ。二郎、サブの口にアンコ塗ったくって黙らせとけ。」
「わぁー、兄さん、私は女なのよ。やさしくじげぐぐでぐ....」
「この期におよんでなんだ、くだらねぇ。くたばれ、このオカマ!どうせ俺たちゃ もうすぐ 賞味期限切れで棄てられっちまうんだ。お前が 女だろうが オカマだろうがどうだっていいこったぃ!」
「イヤ。この店のおじさんは きっと 私を 別の箱に入れててもう一度お店に出してくれるわ。賞味期限なんてクソクラエよ!」

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