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第31回1000字小説バトル Entry7

あこがれの女性

あれから・・・
時は流れて・・・
2010年の春うららかな日

ある農村に、初老を向かえたばかりの一人の老人がいた。
遊馬おじちゃんと呼ばれるこの老人、近所の子供や小母さん、お年よりを相手にパソコンを教えていた。
もちろん、老後の暇つぶしのようなものなので、お金などは貰わなかった。
そんな遊馬おじちゃんは、近所の小母さんたちが、畑で取れた野菜や果物を毎日、持ってきてくれたので、収入はなくても食べるには困らなかった。
そんな遊馬おじちゃんであるが、年甲斐もなく、とても若くて美しい一人の女性に憧れていた。
遊馬おじちゃんは、その女性と、ただ話がしたかった
どんな話でもいいから
その女性の声を聞きたかった
優しさのこもった、その女性の声に心が癒されるのであった。
一緒に食事ができたらいいなぁ〜
彼女を誘って一緒に、何処かで食事をする
このことは夢の中にしまっておこう。
2010年の春うららかな日
遊馬は、憧れのひと女性のいるレストランで朝食をすまし
いつものコーヒーを飲んでいた。
しばらくすると憧れのひと女性は、何時ものようにコーヒーを注ぎにきた
「遊馬さんコーヒーお飲みになりますか?」
そして遊馬に、微笑みながら夢の約束のことば一言を残した。

そして夢の約束の日がきた
約束の丘へと車を走らせた
そして陽のあたる緑の丘が見えてきた
その丘は、今にも二人を迎え入れようと温かい陽射しにつつまれていた。

遊馬は丘に花咲くつつじのもとで待った
しばらく待った
そして待った
遊馬はひたすらに待ちつづけた
時間は過ぎていく
憧れのひと女性は現れない
そのとき、そのとき
遠くの方から遊馬を呼ぶ声がした
それは、憧れのひと女性の声であった
しかし姿が見えない
気のせいか・・・
翌日、いつものように遊馬は朝早く、レストランに行った。
いつも座るテーブルに
そこには遊馬宛の一通の手紙が置いてあった

遊馬さん、ごめんね、約束を守れず
遊馬さんが、この手紙を読むときは
私、この地にいないかもしれないの
とおい遠い
北国の方に行っているかも知れないわ〜
うふふっ・・・急な話で驚いた?
私、遊馬さんの気持ちわかるから
お約束したのよ〜
しかし、間に合わなかったようねぇ〜
ごめんねぇー、ながく待っていたのでしょう?
わたし必ず戻ってくるわ〜
そして、きっときっと逢えると思うの
そのときこそ、其の時こそ、お約束、守れるわ〜
しばらくのあいだ
さよならします。
遊馬さんが憧れているひと女性より

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