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第38回1000字小説バトル Entry14

私の友達

私は放課後、川と野原のある、お気に入りの場所に腰をおろしていた。
緑の草が何処よりも沢山生い茂った場所に私は、制服のスカートが大きくめくれるのも気にせずに仰向けに寝転んだ。

「あ―――――――。気持ちいい」

澄み切った青い空に、ぽわんと浮かぶ白い雲が良く映えている。
そんなのを、ぼんやりと見ていたら私の友達がやって来た。

「お、こんちはっ」

私はふわっと立ち上がった。
すると、友達も一緒に立ち上がった、ような気がした。

なにしろ、私の友達は「風」なのだ。
私がここに来ると、必ず来てくれる風。
その風といつも私はおしゃべりをする。

「ね〜。今日はぁ、数学のテストがあったんだよ〜〜」
「ムカついた女がいたから、そいつを思いっきり蹴飛ばしちゃった。あはははっ」
「今日、彼とねえ、手つないじゃった!!きゃあ〜〜〜っっ!!」

風はいつも答えてくれる。
ざわざわとした時は風が怒ってる時や、私を叱ってる時。
私の頬をくすぐってくれる時は、風も一緒に笑ったり、喜んでくれたりしているとき。
さあっと、私の周りを風が取り囲む時は、一緒に悲しんでくれている時。

風は、いつのまにか私の友達となっていた。
私が死んで、生まれ変わったら風になりたい。
そして、私みたいにこの野原に来て、この場所に寝転んでくれた人と友達になりたい。

そんな夢が私にはある。
風がうらやましい。
感情がある、人間よりうらやましい。

私の友達は本当の友達だ。
友達は今、去って行った。

「じゃあね、私の友達っ」

そう言って、私はすっと立ち上がった。

「おーい、梨絵〜〜!!」

私の彼が、私を呼んでいる。

「はーい!」
「一体、誰と話してたんだよ?」
「えっとねえ、私の大切な友達っ!」
「1人じゃんか」
「あなたにはわからないのっ」

そう言って、私はふふふっと笑って彼と手をつないでテクテクと家路へと向かって言った。

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