「ちょっと、五円もってない?あったら借してよ」そう聞かれて、僕は後ろを振り向いた。「ん、あるけど…なんで?」わずらわしそうに答え、五円を取り出し、そいつに渡した。質問に答える事もなく、五円を受け取ると、サンキューといい、そいつは小銭を賽銭箱に投げ入れた。僕と友達のミツオは、学問の神様を祀っているという、県内でも有名な神社に、わざわざ願い事をしにきたのだ。あの高校に入れますようにと…。「やっぱさ、賽銭が肝心なわけよ」帰り道、アイスを食べながら、トモヤは自慢げに語りだした。「オレは、四十五円いれたぜ。始終御縁がありますようにってな」借りたお金でもいいのかな…そう思ったが、あまりに得意そうな顔をしているので、だまっておいた。境内の白い玉砂利は光輝き、空はどこまでも青く澄んでいた。「ねえ、早くいこうよ。暑いって」その声にふと我に返った僕は、振り返りせかすように僕をみるアキを眩しく見つめた。「だいたいさ、なんでこんな暑い日に神社来るわけ。蝉がうるさいだけじゃん。」アキとは高校で知り合った。僕と同じ陸上部の短距離選手で、夏の合宿明けの今日、あの神社に無理やり誘ったのだ。今日じゃなきゃ駄目だった…。そう、今日はトモヤの命日なのだ。あの日の帰り道、トモヤは交通事故に巻き込まれ、他界してしまった。四十五円について嬉しく話していたのに、バニラのアイスが好きだったのに、あのトモヤはもういない…。なあ、俺はあれから勉強、頑張ったんだぜ。お前が着たかった制服、陸上のユニフォーム着るために。いつも俺の前走ってたよな。勝ち逃げは卑怯だって。あの時より、俺、速くなったんだって…。お前が助けたあの子、アキっていうらしいぜ。元気よすぎてさ、なんかお前に似てるんだよな…。ほら、そこにいるだろ…。そんなことを考えながら歩いていたら、いつのまにか賽銭箱の前に来ていた。ここに来るのは、去年、アイツときた時以来、始めてだった。今日の空も、あの夏の日のように青く澄み渡っている。「あ、ちようど四十五円ある。ラッキー」アキは、いきなり甲高い声を出した。しじゅうごえんはずっと縁があるってことなんだよ、縁起がいいんだよと、アキは一人で喜んでいる。御縁か…。アキとの出会いも、トモヤとの別れも何かによって決められているのかな…。なんてことを考えながら、財布をあけたら、ちょうど四十五円入っていた。アイツの声が聞こえた気がした。
※作者付記: よろしくお願いします。
磯のニオイが鼻を通り過ぎた。それもつかの間の細い。 少年は、私の花を両手に持っている。 月夜の、林を歩いている。 木々を抜けたその先が崖になっていることを、私はずいぶんと前から知っていた。林の手前に居をかまえてビニールハウスを骨組みからつくり花を育て始める前、私はよく都心から車に乗って、ここへ来たものだった。暗い足が目指している崖の、すぐ下が穴場の海水浴場になっていることも、そこの潮風が少しキツいことも、夕暮れになると岩がカッと焼けることも知っていた。 真夜中だというのに少年は、一度もふり返らず進んでゆく。ゆっくりと、確実に。花がこぼれないように。 ふと、星空が見えた気がした。その次に、草むらが。その向こうに途切れた空が。手前に少年の小さな影と、風に鳴く蝉の、声が夜。幕をおろしたような薄い光に、私は目を細めた。 地面から何かが突き出ている。 立ち止まった少年の肩に手を置こうとした私は、近づいた黒い何かが、犬の……。犬の小さな死骸だということに初めて、眩暈を覚えた。死臭が、鼻を通り過ぎる。またつかの間の細い。 少年はぐらつく視界の中、力なく座りこむ。両手を、かかげた。「いちばん、キレェだったから」 妻が、最近どろぼうが出るのだと言った。朝になるとハウスの中の花びらが、何本かむしり取られているという。私はキツネか、イノシシかとにかく動物の仕業だろうと鼻で笑い、晩酌のツマミをつついた。 違うわよ、これは人間の手。氷で冷やしたスイカを片手に、妻は断言した。何種類もの花が、少しずつ被害に遭っているらしい。こんな芸当は動物にはできないというのが彼女の言い分であり、命令だった。私は見張りの末に崖。妻は今、家で眠っている。「もお、しません、ごめんなさい」 はつと気づいて首をあげる。 花は、手首を通ってするりと舞った。 ここには。 私が育てた美しい色があった。赤に、藍に白に橙に、死者の時間が囲われていた。波の音にかきけされもう、動くことができない。液晶テレビに映るどんな殺人事件よりも鮮やかに、とびこんできた現実。急に、年をとったような気がした。そういえば、祖父が死んだのは何年前だっただろうか。 私は、大きくなったこの少年の姿を想像しようとした。死と罪をこえて正しく育った青年は、生まれたばかりの小さな犬を抱いている。 少年の肩に手を置く。潮風が花びらと、泣きやんだ少年の髪をゆらした。
気が付くと、心の中は不安でいっぱいになっていた。 入りきれなくなった不安は今にも噴火しそうだ。 爆発させてはいけない。 止めなくてはと焦る。 すると、その焦りから、別な不安が生まれてしまう。 イタチごっこである。 こんな時は行動すると危険である。 そう言われたが。 分かっている、そんなこと でも体を動かさないと、噴火しそうだ。 いや、噴火しない。 目を閉じてごらん。 そう言われても、目を閉じられない。 不安が恐怖に変わってしまう様な気がするから。 だから閉じられない。 半べそになりながら、そううったえると 手だけが浮き上がってきた。 何だろうと 思った瞬間、不安が消えた。 すると、その手につかまれた。 手は勝手に私を、どこかに連れて行くらしい。 初めはゆっくりと、徐々に 勢いよく走り出す。 そんなに早く走れないよ そう言うが 手には聞く耳がないらしい。 気が付くと、夢の中に滑り落ちていた。 ふぁふぁと柔らかい綿のような乗り物に乗っていた。 どこに行くんだろうか。 不安は消えていて。 それよりも行く先が気になった。 真っ赤な太陽が東の空から昇ってきた。 朝なんだ。 そう叫ぶと 手が離れた。 代わりに男の姿が現れた。 愛する人だ。 そう呟くと。 ゆっくりと抱きしめてくれた。
水晶振動子とは水晶の圧電効果を利用して高い精度の周波数の発振を起こす受動素子の一つ。クォーツ時計、無線通信、コンピュータなどあらゆる現代エレクトロニクスには欠かせない部品である。「有難うウィキさん」「困った時はいつでも呼びな」「キャー格好良い! つまり要するに! 水晶に電圧を加えると非常な精度の振動を発振してくれる! ってことなんだ! 解ったかなみんな。解んないか。まああたしも解んないけど、でもだから。そんな時は実験!」「実験!」「有難うみんな! そんな訳で、この完璧な、傷一つ無い、世界で一番神聖な聖堂に置かれた水晶のように、眩いくらいに美しい、17歳、思春期真っ只中、好きなバンドはヤーヤーヤーズのベルバーナ君で一つ! 実験しよう! しようよみんな!」「実験! 実験!」「さあベルバーナ君、あたしの作ったこの実験装置の中に入って」「ち、ちょっとやめて下さいよ、やですよ」「言うこときかないとこのカート・コバーンモデルのピック、あげないよ」「いらないですよそんなもの」「良いから良いから。あとで良いことしてあげるから。とぉっても良いこと」「だからやですってば!」「よし! 入った! 実験開始! 助手のピコピコマシーンのピコリン君、スイッチお願いね!」「ぴこ、ぴこ」「ああ、そこのスイッチじゃないよそっちそっち、そうじゃなくて、あ、それだ」 びびびびびびび!「痺れる痺れる痺れる! 電気で痺れる! これ凄い痺れる! やめて!」「震えてる! ベルバーナ君が震えてる! 実験は、成功だね!」「成功! 成功!」「ところで、この小説は水晶振動子なんて名前なのになんでそんな名前の子が出てこないのかしらねえ。振動子ちゃんなんて、かわいいじゃん」「知らないです!」 びびびびびびび!「ところであたしはこんなに可愛い、黒いレザーのミニドレス、黒巻き髪、もちろん下着も黒、黒いガーターベルトに黒いストッキング、黒いエナメルのヒールに黒いマニキュア、でもちょっとだけ唇は赤、そこがアクセント! って感じにすっごく可愛いのに、性別では女子ではありません、というのはなんで?」「知りません知りません知りません!」「ねえ、あなたを見ていると、いつもは別にあってもなくてもどうでも良い存在の股間のアレが熱くたぎるのは何故? すごくどくんどくんいってるのはどうして?」「だから知りませんってば!」「ねえ」 びびびびびびび!
九時過ぎにお開きになった同僚の送別会の後、「このまま帰れるかよぉ」 男は呟き、余熱の篭った血潮を抱えたまま、渋谷の喧騒に舞い降りて、いつもの裏道を辿っていた。来月定年を迎える同僚の送別会は、男に自分自身の近未来を反芻させ、若い社員のお座なりな挨拶と年下の上司の通り一遍な激励の言葉が澱のように胃の腑に留まっていた。 ケバケバネオンの森を抜け切った雑居ビルの地下二階に『正義屋』の看板を確かめて、重い扉を開けると、暗いカウンターの中から「いらっしゃいませぇ」という濁った中年女性の声がした。「久しブリッコ、おゲンコしてた」 おかしな挨拶だ。男は、隣のスツールに鞄を置き、カウンターの隅の『おしながき』を手に取る。「今夜は、どんな感じ……。そうそう、ロビンマンのマスク入ったのよ、本場のやつ。いい感じよ。試す」 相変わらずお節介な中年女性の助言。「……いや、マスクはいい。ターバン、サーベル、鞭、サングラス、スクーター……ってとこで、頼む」「そうお、相変わらず手堅い遊び方ねえ」 どんがらがっしゃぁぁん! 店の奥からけたたましい大音響が流れ、闇の中から黒い物体が転げ出てきた。良く見ると骸骨柄の全身タイツを身に纏った中年男性(マスター)だった。「あんだよ、もう少し楽しめるかと思ったら、てんで弱くて話になんねえじゃねえか。こっちはコスプレに来てんじゃねえんだよ。『正義』だろ『正義』、もっと手応えのあるヤツを呼んで来いよな。このオヤジじゃあ話になんねえぜよ。金返せよ、こらぁ」 複眼ヘルメットに赤いマフラーをつけた巨漢は、言い終わるなり、個室の扉に連続飛び膝蹴りを御見舞していた。「あんたぁ」 中年女性は奇声を上げ、全身タイツの中年男性に駆け寄ると、中年男性の頭を心配気に両手で抱え上げ、巨漢をキッと見据えた。「いい加減にしとくれよ、こっちは商売なんだから、毎回、毎回、命張ってられるわきゃあないだろう」「アンだと、この尼ぁ」 巨漢が中年女性に近付き、拳を振り上げた。その時、「ちよつとまつたあぁぁ」 店の端から男の声が響く、重たげなターバンの下のサングラスが光る、左手から放たれた鞭が撓い、右手のサーベルが舞い、無意味に跨ったスクーターが唸る。「誰だ、おめえは、ああああ」 巨漢店員サブちゃんの毎回新鮮な驚愕の叫び。「呼ばれて名乗るもおこがましいが……」 沸騰寸前だった男の血潮が、急速冷却を始めた。
河原には、場所取りのゴザがいっぱいしかれています。 ネズミの家族は、ゴザを広げて座ります。「花火まだかな、まだかな」 坊やネズミは、ワクワクしながら、空を見上げます。「まだ日も落ちてないよ。のんびり待とうじゃないか」 おとうさんネズミが笑います。「お弁当は少し後にして、ゆっくりお茶でも飲みましょう」 おかあさんネズミが、お茶をついでくれました。 ネズミたちが待っていると、少しづつ他の動物たちが姿を見せ始めました。 ウサギ、リス、鹿、猿、狼、アナグマ、蛇、熊、虎にライオン。 それから。「やあ、みんなそろっているぞぅ」 象の一家がやって来ました。「象さん、こんばんは」「こんばんはー」 象は――場所取りしてあったゴザに、どっかり座りました。「えっ?」「え?」「あっ」 象のゴザは、一番前です。 ひぅぅぅぅぅぅ……どん! 花火が上がり始めました。「ねえ、おとうさん、見えないよ?」「本当だ、見えないね」「見えないわね」 象のカゲになって、他の動物たちは全然見えません。「象さん、ちょっと後ろに行ってくれませんか?」 ネズミのおとうさんが声をかけます。「そんな事言われても、せっかく朝早くから場所を取ったんだぞう? 後から割り込みはずるいぞう」 象はちょっと不機嫌そうに言いました。「それはそうなんですが」 ネズミのおとうさんは、困った顔になります。「象さんたちが後ろに行ってくれれば、みんなが観れるんです。ここは譲り合いの精神というヤツですよ」「譲り合ってないぞう。ぼくたちが譲るだけじゃあないか」 象とネズミが言い合いになっていると。「よいしょっ、よいしょっ、よいしょっ!」 ネズミの坊やが――。「よいしょっ!」 象の身体をよじ登って背中へ。「わあい、ここならよく見えるぞ!」「そうか、背中に乗せて貰えば良かったんですね」 動物たちは、みんな象の背中に乗っています。「ははは、ちっとも重くないぞう」 象も、他の動物たちも、花火がよく見えます。「でかしたぞ、坊や」「よく気付いたわね」 ネズミのおとうさんとおかあさんは、ネズミの坊やをなでます。 他の動物たちも、嬉しそうです。 花火が夜空に広がりました。「ねえ、おとうさん」 花火を見上げながら、ネズミの坊やがおとうさんにそっと囁きました。「なんだい、坊や?」 おとうさんが聞き返します。「……象の体温で、ものごっつあついんだけど」「我慢しなさい」
「娘さんの手の大きさはどのくらいですか?」私は、全く答えられなかった・・・。娘の手の大きさ・・・?最後に手の大きさを比べたのは何時だっただろうか?大きさを比べるために手を合わせたのは・・・最初に思い出したのは、小学校の入学式の時、赤いランドセルを自慢気に背負っていた時、手の大きさを比べた。「10年ぐらい前は、この位の大きさだったんですけどね・・・今は、どの位になったんでしょうか・・・。」「いや、私に聞かれても困りますな。」「そうですよね・・・。普通ってどの位の大きさなのでしょうか?」「一応、サイズは大・中・小ありますけど、お客さん、弓道をやった事無いから分からないだろうけど、これはね弓を引く時、かけという皮製の手袋を着けて引くのですが、そのかけを着ける前にするものなの。言わば、革靴と靴下の関係だね。革靴を裸足で履くと大変な事になるでしょ?だから靴下を履く。でも、その靴下が大きければごわつくし、小さければ圧迫感がある。同じ事なんです。サイズが合わないものを渡されても、娘さん、多分困っちゃうよ。」しかし、手の大きさを聞かれて私も困った。記憶を辿るも入学式以来、手を合わせた記憶が思い出せない。娘の手の大きさなんて・・・なんてって言っちゃいけないが・・・。そういえば、私は娘の手の大きさも知らなければ、足の大きさもわからないし、服の大きさも指の太さも分からない。身長だって大体これくらいって思うものの・・・自信が持てない・・・。毎日毎日、家で見ているのに、これは一体どう言うことなんだ?これは大変な事なんじゃないのか?私は、娘の何を見ているのだろうか。何を知っていて、何を分かっているのだろうか。「お客さん。携帯ストラップとかならサイズは関係ないですしね。」言われるがままに買った、携帯ストラップには小さな的と弓が付いていた。多分、娘には「ダサい」とか「センス無い」とか言われるんだろうと思ったのだが、娘の何も知らなかった後ろめたさに後押しされてしまった。家に帰り、早速娘に渡した。「お父さん・・・ダサい・・・センス無い・・・。」と言われてしまったが、その一言が、逆に私を安心させてくれた。どうやら、私は、娘の言いそうな事だけは分かっていたようだ。「どうだ?久しぶりにお父さんと手の大きさでも比べてみないか?」「・・・。何、急に・・・キモイ・・・。」想像通りの言葉が、本当に嬉しくて私は笑った。
砂を踏む。 しめり気を残した砂に足首まで呑まれて、熱につかまえられる。 明け方に台風が行きすぎた。なごりの海風は肌を圧すように濃くて、潮の香りばかりつよい砂浜にひと気はない。風力発電の白いプロペラが、まっ青な空につき出している。 ようやく二人そろって取れた、遅い休暇だった。 おそろいの細いミュールがふたつ、色ちがいの小さなかばんがふたつ。真新しい足あとがみぎわへ走る。砂浜に立ちのぼるかげろうに、みぎわは少しかすんでいる。あい変わらずみじかい結衣の髪は、ふくらはぎが波を蹴るたびにちいさく躍る。白いシャツの、肩から背中にすっとつながるラインもかすんで、ゆれる。結衣はきれいになった。 かばんから、結衣らしくないスローテンポな着メロ。ミニー・リパートン。透明なソプラノが、風にとけてゆく。私がひそかに大好きな曲。高校から十年以上のつきあいだけど、ひいきの野球選手の話はしても、洋楽の話だけはしたことがない。だから、結衣もそのことを知らない。 鳴ってるよ。かすれる声は、とどかない。手を振って、言い直す。修二さん。無理に出した大声が、ふるえた。どうしよう、と思う。わけもなくからだの奥が熱を持って、私をおどろかせる。 結衣がふりかえる。耳もとに手をあてる電話のポーズで、さけぶ。亜紀、出といて、ときこえる。だめじゃん。力のない、パンチをかえす。結衣はやられたふりでのけぞって、わらう。メロディーはもう止まっている。 雨あがりのけやきのよう。そんな人だった。並んだ二人をからかうと、内緒の虫捕りを見つけられた子どもみたいに、結衣はくるりと背中に隠れた。長い腕がとても高いところから降りてきて、大きな手のひらが肩を包みこむ。結衣が見上げる。若葉のみどりを薫るような、たおやかな瞳。静かな息吹が、結衣に笑顔をかえす。 それきり、忘れられなくなった。 みぎわに遊んでいた結衣が、立ちどまる。左手が、右肩にふれる。そこにあるものを、いつくしみ、包みこむように。結衣のうしろに、静かでやわらかい息吹が、見える。よりそい、たたずんでいる。 かげろうがゆれる。 くるぶしが熱い。 こんな風に、連れてくるなんて。 波が、高い。海は、とてもきれいだ。ひるがえる波が陽ざしにさんざめき、結衣のすがたも、ひとつになって、まぶたにとける。 海も、空も、どこまでも青い。 白いプロペラが、午後をすべるように、ゆっくりと旋回する。