Entry1
長編小説(途中まで)
おんど
今月は梶原さんからひとり親家庭についての話を聞いてしまったから最後まで書けないかもしれないがご容赦願いたい。
いつものように平日サービスタイムの残り30分のところで入室すると更に料金が半額になるという制度を利用するため軽トラックで国道沿いあるホテルエンペラーキングダム北鹿沼にやってきたのだが、駐車場のびらびら暖簾をくぐるところで荷台に乗っていた梶原さんが駄々をこね始めた。こんなところで駄々をこねるくらいならホテルの部屋で俺の珍獣をこねてくれよと優しく諭し、毛布でぐるぐる巻きにして猿轡をはめ、目隠しをして3500円の和室に連れ込んだのだが、たまたまテレビで流れていた日本代表戦のVAR判定に納得できないし松木安太郎の駄洒落にも納得がいかないと涙を流した。取り付く島がないのである。つまり梶原さんは御存知の通り市立図書館の無資格司書としてワンオペレーションといえば聞こえはいいがひとり親方として8時半から21時まで本を挿れたり出したりの作業を繰り返していたところ梶原さんの雇用契約を牛耳っている文化政策課の職員がやってきて梶原さんの挿れたり出したりしているときの所作がいい、特に手先だけで挿れたり出したりするのではなく腰を使って挿れたり出したりするのがいいと言ってそのふっくらとした腰回りのお肉をさわさわっと撫で回したり貸出の際に読み込むためのバーコードリーダーを梶原さんの著しく突出した胸の部分に当て、たまたまその日はQRコード柄のブラウスを着ていたため朝の8時半から夜の21時まで本を挿れたり出したりしながらセックスのことしか考えていなかったことが露呈してしまった。ははん、これはいかんな。無資格司書とはいえ市民の公僕たる者が仕事中にセックスのことばかり考えているのはポリティカルエレクトネスに反しているしセックス依存症の可能性もある。それが証拠にこんなにお乳が腫れ上がってその先端がこりこり固くなってしまっているとバーコードリーダーで読み取った情報を嫌がる梶原さんの耳へ生暖かく吹き込むのだった。文化政策課の職員は貸出の列が図書館から敬老館まで続いてしまっているのもお構いなしにひとり親方である梶原さんを黴臭い書庫に連れ込んで今後の方針について車座集会を始めてしまった。二人しかいないのに車座なんて可笑しいわと梶原さんも抵抗したのだったが文化政策課の職員は悪びれることなく梶原さんの座っていた椅子をぐるぐる回し