Entry1
長編小説(途中まで)
おんど
新年早々腰痛の激痛である。
本日1月12日現在、依然として激痛であり、読者諸兄には大変失礼ながら布団に横たわりスマートフォンのフリック入力で、この文章を書いている。何かおかしなことを書くかもしれないが、フリックに免じて御容赦願いたい。
毎年のことだが、新年は家族と過ごす。梶原さんは私と逢えないことがわかっているので、年末年始はどこか遠くへ出かけてしまう。どこへ行ったかは教えてくれない。休みが明けたら東京ばな奈をくれるのだが、どこでなにをしていたかは教えてくれない。休みの間ずっと梶原さんのことを考えてしまう。休みが明けたら国道沿いのラヴホテルで当方ばな奈を突っ込むことになる。梶原さんはたっぷり濡れているのに、乙女のように「痛い痛い」と繰り返し、眉間にしわを寄せる。年末年始に他の男と交わっていなかったことを伝えようとしているのだった。数えで48歳になろうかという地方都市の図書館司書の、白くてたっぷりした肉体を弄んでいると、もはや鏡開きの儀式を済ませたようなさっぱりとした気持ちになる。
そんなことを考えながら、妻と連れ立って元旦の参拝の列に並んだ。二礼二拍手一礼の作法に従い、家内安全と長編小説の完成と梶原さんとの不倫関係がだらだら続きますようにと願った。そして、下げていた頭を戻した瞬間、腰に激痛が走った。参拝の列は参道の入口にあるチョコバナナの露店まで伸びていた。私は賽銭箱の前から動けなかった。横にも縦にも動けなかった。妻が怪訝な顔で覗き込んだ。苦痛で顔は歪んでいたはずだったが、妻ははははと笑って列を離れ、御神籤を引きに行ってしまった。
よくあることなのだ。突然黙り込み、苦痛に顔を歪めて動けなくなってしまうことが、家庭ではよくあることなのだった。背後から咳払い、苛立った舌打ちが起き、列が詰まった。それに気づいた朱色の袴を着けた巫女が声をかけてくれた。
「よくあることなんですよ」と巫女は微笑んだ。
極寒の境内で二礼二拍手一礼をした途端にぎっくり腰になってしまう。おでこにニキビのある巫女はテキパキ動いて社務所から車椅子を出してくれた。一歩も動けない私の身体を抱きかかえ、車椅子に座らせてくれる。その動作には激痛が伴うはずだったが、巫女に抱きかかえられていると、まったく痛みを感じないのだった。それが神に仕える巫女の信力なのか、白衣の上からは想像もつかないほどの巨乳に心を奪われたためなのかはわ