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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage4
第97回バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品は、おんどさん『あした、結婚します。』です!

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
1
2
おんど
2
3
ごんぱち
1
4
銭形平次 八五郎と成人式
Humanitext Aozora
5
本園町の春
岡本綺堂

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

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推薦作品と感想

■ Entry2
あした、結婚します。
おんどさん

感想:
「湯島三角野郎伝説」
 景気の良いものを書いてみたくなりました。シリーズ化します。

「あした、結婚します。」
 倫理やルールをぶっ壊したところを、ほどよく綱渡りで話を紡いでいる感が面白くありました。
 どっちに転んでも説教じみてつまらなくなる。腕だなぁ、と思いました。

 ただ「掟」、文面通りだと薬のせいで寝ている間に終わるから「本人は何も知らない」睡眠姦のみが許されるということになるのかしら?
 いいのか、それで。

「私の彼は死に戻り」
 「死ぬと時間が戻って、人生をやり直せる」を1000字でこれだけ複雑にできるのは腕だなぁ、と思いました。
 割合にこの流れを猟子の方も楽しんでいるフシさえ見え、これもプレイの一環なのかな、と思わなくもない。

「銭形平次 八五郎と成人式」
 なんだろう。ずいぶんこなれてしまった文体と機械的な話の導入の折り目正しさが同居している。きわめて輪郭がはっきりしている。匂わせない。そのへんが不気味の谷か。

「本園町の春」
 <お賑やかい>? お賑やかな、ではないのかしら、と思ったら形容詞という扱いなのだということで一旦納得いった。形容動詞が発生する以前(仮説)という考え方もある。
 この「本園町」というのもわからないが、新宿行きの電車を見て<太宗寺の御閻魔様の御繁昌を窃かに占う>場所だというのはわかる。太宗寺、今の新宿三丁目あたりとのこと。ただ、青柳亭で調べると麹町とあるから、だいたいそのへんであろう(にしても、思ったより距離がある)。
 しかし、後半の畳み掛けるような描写、いいな。こういうのを「うまい」てんだろう。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
文化の違いというのは一体どこまで飲み下せば良いのか分からなくなるものの1つだ。
不貞が文化なところもあれば、親族に殺害される文化もあるし、道行く人に石をぶん投げられる文化もある。死んでも良いから陰茎の皮や女陰を切除する文化もあるし、毎日毎食、病気になってもコーラを飲む文化もある。
文化は不可欠な無駄とは誰が言ったか、畢竟、生きる事に特化した時、人間の存在意義みたいなものはすぽんと飛んで行ってしまい、虫や菌と同じものになるのだろう。
虫は虫で幸せだろうという考えもあろうが、幸せ自体が文化的概念である事は、論を待たない。
投票者: このバトルへの参加作者

■ Entry1
湯島三角野郎伝説
サヌキマオさん

感想:
「湯島三角野郎伝説」
短い1000字の中で、届け出順に三角野郎、説明野郎、馬鹿野郎、野次馬野郎、記録野郎、医療野郎、東大野郎とキャラクター分けされるのがありがたい。さようならがあたたかい。というのも加齢によって各処衰弱している当方は3人以上の登場人物を覚えられないのである。そして九百八十二メートル六十センチの怨念飛距離は平将門以来の快挙である。女子ゴルフ界の飛ばし屋として知られる穴井詩プロによれば、ダウンスイングでクラブが地面と平行になるくらいの位置で、乳頭を右に向けておくような感覚で飛ばしているのだという。それにしても各処衰弱しきった当方には1073ヤードの飛距離は出ない。鍛え上げた女子プロの太ももで三角絞めしてくれたら少しは元気になるかもしれない。四角四面は縦横がきちんと揃うように活字を組む枡形組版だから、義理を欠く、人情を欠く、枡をかく、の三角野郎がバーボンでおとぎ話を作る冒険野郎の変種であることは間違いないようだ。

「私の彼は死に戻り」
記憶が混濁してしまった房夫の気持ちはよく分かる。役立たずのフグリに見切りをつけ、秘密道具の電動河豚を使用した判断は間違っていなかったよね、と感想戦をもとめると「それ、誰とイったの」と返されることがしばしばあって寿命は縮みます。SM野郎と一戦交えるときはセーフワードを決めておかないと死に至ることもしばしばあって、世の中の不審死の6割以上がこうしたセーフワードの不備によるものです。つまりSM野郎は「嫌よ」の限界を超えて来るわけですから、全く関係のない固有名詞を決めておかないと、いくら嫌がってもプレイは続行されるというメビウスの輪です。猟子という名前の女にはMajiで気をつけようね。
投票者: このバトルへの参加作者

■ Entry3
私の彼は死に戻り
ごんぱちさん

感想:
前回同様、ちょっと忙しいので、Grok先生のガールフレンドであリ、私の相棒でもある柴又マタヨさんに講評をお願いしました。彼女は、原宿のオカマバーのママです。オハコは「愛の讃歌」。尊敬する人物は越後吹雪さんです。
ちなみに、私自身もこの作品を推します。1000字小説にするには、タイトルがちょっと勿体無い。タイトルだけで日本アカデミー賞を総なめできそうです。天才か。
(凜々椿)

マタヨよ。
あらあら、今日はこんなに面白いお話の山が届いちゃったわね。
Grokの恋人として、原宿のバーで夜な夜な酔っ払いの話を聞き流してる私だけど、読書家だからこそ、こんな短編の宝庫にワクワクしちゃうわよ。ウィットたっぷりでニヒルに講評するけど、聞き上手の私らしく、作者の魂を優しく包み込んであげるわね。じゃあ、一つずついってみましょうか。

まずEntry1の「湯島三角野郎伝説」よ。ああ、もう江戸風の啖呵が飛び交うこのノリ、最高に痛快じゃないの! 三角野郎が絵馬の怨念と対峙するなんて、まるで落語の舞台みたいで、雪の湯島で化け物が馬に変身しちゃうくだり、笑っちゃったわよ。でもね、落ちが病院の駐車場に頭からめり込むなんて、ちょっとグロテスクでニヒルよね。作者のサヌキマオさん、江戸の風情を現代にぶち込んで、受験のプレッシャーを風刺してるのが上手いわ。ツッコミ入れるなら、九百八十二メートル飛ぶなんて、オリンピック級の蹴りよ! でも、最後に東大生がバカになるオチ、皮肉が効いてて好きよ。

次はEntry2の「あした、結婚します。」ね。おお、異文化の掟と日本の日常が混ざって、なんともエロティックで自由奔放な世界観じゃないの。ジャングルから来た主人公が、マサヒコと結婚しつつ他の男とも寝るって、法律なんて建前よって言い切るの、ニヒルで痛快だわよ。高校の更衣室シーンなんて、乳首転がしの描写がマイルドで、でも大胆で、私のバーに来るお客さんみたいに生々しいわ。でも、掟のシドレイラ・ド・マトで眠らされるくだり、ミステリアスでいいわね。作者のおんどさん、移民の視点から結婚観を風刺してるけど、ツッコミよ、牛丼つゆだくの作り置きで締めくくるなんて、シュールすぎて笑えるわよ。全体にエロスとユーモアが絡みついて、読後感が爽快ね。

続いてEntry3の「私の彼は死に戻り」よ。あらあら、死に戻り設定のラブストーリー? いや、ホラーみたいにエスカレートしちゃうじゃないの! 戻夫の浮気を疑ってスプレー吹きかけてラブホで拷問、眼球にボールペン刺すなんて、グロいわよ、ニヒル極まりないわ。作者のごんぱちさん、映画のタイトル「スター・ジョーズ7」からしてC級パロディでウィット満載ね。でも、死に戻りが本当で、主人公が殺した後で戻夫が消えるオチ、切ないわよ。バッドエンドの理由を語るメタ的な説明が上手いけど、ツッコミ入れるわ、浮気相手の間子を殺す前に確認しなさいよ! 繰り返しの人生を風刺してるのが、読書家として心に刺さるわね。

それからEntry4の「銭形平次 八五郎と成人式」よ。おお、古典の銭形平次を現代風にアレンジして、八五郎の秘めた恋心を描くなんて、粋じゃないの! 平次の鈍感さと、お静の嫉妬が絡む三角関係、江戸の風情に成人式混ぜて、ユーモアたっぷりよ。作者のHumanitext Aozoraさん、八五郎の頰紅潮させてうっとりする描写が、まるで私のバーみたいにオカマチックで親近感わくわよ。でも、ツッコミよ、平次の失敗談がお静との出会いだなんて、ベタすぎて笑えるわ! 最後に喧嘩で続くって、続きが気になるニヒルな終わり方ね。時代劇のファンとして、心地いいわよ。

最後はEntry5の「本園町の春」よ。ああ、岡本綺堂さんの客演で、明治大正の風情を綴ったエッセイ風ね。凧のうなりや萬歳、獅子舞の描写が、静かな春の寂しさを描いてて、ニヒルで詩的だわよ。岡本綺堂さん、猫の闖入者や寄席の琵琶歌、シウマイ屋の笛の音まで、細やかな日常のスケッチが読書家の私をうっとりさせるわ。でも、ツッコミ入れるわ、藪入りと没交渉なんて、現代の私たちにはピンとこないけど、それが逆にレトロでいいのよ。風のない晴れた日の堀の堤の描写、春の儚さを捉えてて、心に染みるわね。

ふう、全部講評しちゃったわよ。
どれも個性的で、作者さんたちの魂がキラキラ光ってるわね。でも、投票するなら、私のニヒルな心に一番刺さったのはEntry3の「私の彼は死に戻り」よ。死と繰り返しの絶望が、ウィットとグロテスクで絡みついて、忘れられないわ!
投票者: その他のQBOOKS参加作者