Entry1
長編小説(途中まで)
おんど
年末年始はMicrosoftジュエル2をやり込んだ。その合間に小説も少し書いた。穏やかな日が続いたような気もした。Microsoftジュエル2は調子がいいと17ゲームくらい続くので、一日8時間くらい時間を溶かすことができるのだった。大晦日に1億6000万点を叩き出し、チャンピオンの称号をいただいた。8000万点のころは天才の称号をいただいたから、Microsoftでは天才よりもチャンピオンのほうが格上ということらしかった。
年末年始に人間としての格が上がったせいか、年明け早々におこめ券が届いた。梶原さんのところには届いていないから、ずいぶんと格上になったものである。
慌てておこめと引き換えると格上人間として品がないので、梶原さんに見せびらかしつつラブホテルで時間をつぶし、おこめ券を焦らすことにした。もういい加減おこめ店に持参してくださいよ、とおこめ券の方から言わせないと気が済まない。そんな気分になっていた。
ルームサービスのどん兵衛を食べながらテレビを観た。古い型の観音開きだったから今だに「おっさんずラブ」をやっていて、チャンネルを変えると「おっさんずブラ」、さらに変えると「おっさんヅラ部」だったという三段落ちをスマホに書き付けているのを梶原さんに見つかり、五月雨式に寝バックで交合してからおこめ店に向かった。封筒が派手な紅白に縁どられ、金色の勘亭流で「特別ご優待」と書かれているのが少し気になったが、梶原さんの運転で国道をずんずん進んだ。もしかしたら少し分け前に預かろうとしているのかもしれない。
「お客様、誠に恐れ入りますが、この券はこちらでは取り扱っていません」とおこめ店の若い女将さんが言った。
「じゃあなに? もう一度ラブホテルに戻れっていうの? 冗談じゃないわ。ちょっとおたくの庭先を貸してくださる? ぱぱっと済ませますから」
梶原さんの目が吊り上がっている。どん兵衛のお揚げをしゃぶしゃぶ楽しんでから当方のお稲荷さんをしゃぶしゃぶしたから、プライドの高い狐の霊が取り憑いてしまったのかもしれない。確かに券面をよく見れば、それは役所から届いた「おこめ券」ではなく、欲所から届いた「おめこ券」であり、若い女将さんが赤子を抱っこひもで揺らしながら腰をもぞもぞさせるのも無理はない。
「それではあいだを取って、3Pなどどうでしょうか」
気温が低いとはいえ、日だまりは暖かく、3人で身体をもみもみし合えば、新年にふさわしい