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長編小説(途中まで)
おんど
記憶にコンダクターを取り付けたのに相変わらず記憶が混濁しているのは何かコンダクターの取り扱い方法が間違っているのだろうかと梶原さんに確かめてみると、梶原さんは鞄から広辞苑を取り出してコンダクターの意味を調べ始め、「コンダクターとは英語で指導者、導くものを意味し、主にオーケストラの指揮者、列車の車掌、あるいは電気を通す導体を指す言葉です」という字面はごっくん飲みこんだものの、それはもしかしたらコンバーターのことではないかと云うのでいちど鞄に仕舞ってしまった広辞苑を引っ張り出して指を舐め舐め調べてみるとコンバーターとは「異なる形式のエネルギーや信号、機器を相互に変換する装置」のことであり、さはさりながらさわさわ触りながら中指を伸ばして梶原さんの奥の飛騨飛騨にさぐりを入れてみたところ襞襞が力強く収縮しながら機微な情報を抜き差ししていることがありありと感じられ、本当に入れたかったのはさぐりではなくふぐりだということに気づいたのがもうサービスタイムも終わらんとする午後三時五十分で、溜まっていた市立図書館の振替休日を中途半端に消化しかけた夕まぐれ、西の空を雷鳥が横切るところを買い替えたばかりのスマートフォンの魚眼レンズで切り取ってアルゴリズムにしたがって拡散したいと格さん助さん助平爺さんシェケナベイベで何かお口に入れたいわとぱっくり梶原さんが開くのでそのなかをぱんぱんにしてやろうか、どうだい俺の茹でたうどんと巾着でぱんぱんにしてやろうかとDV男みたいな口調で唾を飛ばしてはみたものの、冬の夕まぐれは情緒がちるちるになってしまうのは仕方のないこととしてせっかくちるちるするなら口を揃えてちるちるしたいものだね、もう15年間もセフレ以上愛人未満の歌詠み仲間として天皇を頂点とする歌壇のヒエラルキーという急斜面を直滑降してきた間柄だというのに観音開きのテレビをサービスタイム終了直前にハンドでPKを与えてしまったみたいに点灯させてミラノポルチオ冬季オリンピックの開幕戦を観ているなんてちょっとおセンチな気分になりますね、なんて他人事みたいに僕のおちんちんをしゃぶしゃぶしてくれるのは良い気持ちだけれども真剣に少子高齢化のことを考えるならアイスダンスの義務化を若いうち、そうさな小学校低学年のうちから文教族のドンである萩生田先生にお願いしてみるのはどうだろう、せっかく八王子のホテルで大切な仕事を片付