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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage5
第5回バトル結果

ざんねん

今回は票が割れてしまいました。一位の作品数がその得票数以上となりましたので、規定により今回のチャンピオン作品はありません。

投票結果
得票数 
1
長編小説(途中まで)
おんど
2
厭庵
サヌキマオ
3
深詰 改
2
4
ごんぱち
2
5
高原の井戸
Grok
6
涼み台の少女
岡本綺堂

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

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推薦作品と感想

■ Entry3
口から仏様
深詰 改さん

感想:
「はやしくん」の名義借り料として一票。

「涼み台の少女」
昭和初期の作品で、五、六十年前の昔話として語られるということは江戸末期から明治初期の話なのでしょう。縁台で少女に化けた狢が涼んでいると、当たり前のように話す。という話をそれから100年近く経った現在の私たちが読んでいるのが少し不思議な感じがしますが、移動手段が発達した現代において、まったく知らない人が向いの席に座っているということがごく当たり前のこととなりました。狢にとっては地縁血縁が人間社会に根付いていた時代に比べ、ずいぶん過ごしやすくなりました。東京ドームに座っている人間の約三割は狢だと言われています。確かめようがないんです。いくら時代が変わっても不可解なことや不条理なことが起きるのは、狢のおかげです。

「高原の井戸」
狢の狢たるゆえんは、いつどの時代にも音もなく現れ、誰にも気づかれないという点にあります。本作の主人公メルカトも狢です。平穏無事な村の暮らしに溶け込んでいます。何事も悪さをせず、むしろ善良な村人として一生を終える狢もいます。というか大半の狢は人間の愚かな脳みそで把捉できるような悪さはしません。村人でありながらmercato=マーケットと名乗って村人らしく振る舞うことが悪さの端緒、いわゆる狢の尻尾と言われるものですが、AIが蔓延る時代になって、狢の存在はますます人間には把捉できなくなってしまいました。

「不発弾政談」
消費税の減税、増税といった話は利害が込み入っていてわかりづらく、なぜかレジスターの話に矮小化されがちです。これほど高度に科学技術が発達した現代にあって、一国の政策を左右する議論のなかで、「レジスターの税率変更に最低半年かかる」「値札の張替え作業で現場は大混乱する」といった言説がまかり通るのはどういった訳でしょうか。鹿政談的な、レトリックによる本質的な論理のすり替えは、狢が最も得意とするところです。本質的な問題(不発弾の処理)はまったく解決していないのに、なんとなく丸く収まったような結論を得る。どんなに科学技術が発達しても官僚文学が蔓延る日本という国こそ天国だというのが、狢界隈では常識となっています。

「口から仏様」
日本の小説家で一番好きなのは島本理生です。仕事で理不尽に飲み込まれたような夜、どれだけ酒を飲んでもぎんぎんに目が冴えてしまうような夜、島本理生の画像を眺めていると、ことりと眠りに落ちてしまいます。枕元に小鳥は飼っていませんし、島本理生の小説は一冊も読んだことがありません。そんなシマモトさんがせっかく「性交渉しない?」と言っているのに、はやしくんは八重ちゃんにうつつを抜かしています。そのくせ「くちからほとけさま」という口淫プレイの誘いを見逃し、「京都でソープランド」などと口走って八重ちゃんは呆れています。はやしくんは一生童貞なので仏門エリートを目指すのが良いでしょう。

「厭庵」
ねえわたしのおっぱい、左と右と、どっちがすき? と女は訊ねました。どちらも好きだしお尻も好きだと答えると、しばらく口をきいてくれませんでした。考え直して、やっぱり左乳が好きだと答えると、女は左乳をサランラップに包み、どうぞお持ち帰りください、と差し出しました。帰宅するまでの時間を考慮してドライアイスもつけてくれました。右派としての立ち位置が鮮明になった彼女が、真っぷたつに割れてしまった中道マン筋連合の右派をまとめ上げ、政界の火付け役である泉房穂氏と新党を結成したのは記憶に新しいところです。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
ノスタルジーを感じさせて良いなと思いつつ、我が身を振り返ると、修学旅行で気になる相手と逢引というのは縁遠い話であった。そういう話の多い金井くんは何やらやっていたようだが。
自分の高校の修学旅行先も本作と同じ京都だな、と思いかけたが、長崎だった。
長崎にはあれから行っていない。軍艦島を見たい気もするが、手間をかけるほどかというとそこまででもない。とはいえ、とりあえず行ってみると進む話もあるからなぁ。
投票者: このバトルへの参加作者

■ Entry4
不発弾政談
ごんぱちさん

感想:
「長編小説(途中まで)」
 錦糸町といえば繁華街の中にあるラブホになんどとなくお世話になったものだが、チンパブの存在はとーんと知らなかった。しかも熱り立つ御立派様を愛でるのでなく、太腿にしなだれかかる気だるさを以て善しとするという。はーおそろすいなとづまりしとこ。つまりは、地球の裏側、南米にも侘び寂びの芽は育っていたということであり、そういう侘び寂びを――そうか、たまに銭湯で見るアレや。男湯なので誰ひとり熱り立つ者もなく、ただひたすらに垂れ下がる超弩級にでかいきぁんたまや珍宝の充実を観て「ご立派」と手を合わせる、人によっては貝を合わせるチンポならぬ店舗だということは理解したが行ってみる気にはなんなかった。

「厭庵」
 前々から温めすぎて腐りかけていた「いやーん」「あっはーん」が成仏できました。こんなものが仏に成ってたまるか!

「口から仏様」
 京都への修学旅行といえば、班で結託して京都を捨てて大阪の梅田周辺で豪遊して帰ってきた猛者たちがいたなぁというのを思い出しました。
 なんか非常に可愛らしい逸脱を観られましたが、その路線で行くと「口から仏様」があざとく映ってしまうのはとうに青春が過ぎ去った脂ぎった中年だからかもしれません。
 きっともっと率直な興味であるはずなのにな。読む側の魂が穢れているのでしょう。

「不発弾政談」
 幕府はどこの国に負けたのだろう。大岡忠相が活躍したのが18世紀前半、ライト兄弟が飛行機を飛ばしたのが20世紀初頭となると大正末期~昭和初期くらいの話か。ナショナルジオグラフィックの創刊は1888年なので、普通に1946年以降の話と考えて差し支えなさそう。といったところまで吟味したところで満足しちゃった。探求は脳によい。投票とする。

「高原の井戸」
 メルカトというとメルカトル図法ですがモルワイデとかモホロビチッチのことも忘れないでいてほしいと思いました。
 引っかかる場所としては<壁の片隅に掛けられた小さな木の十字架が、わずかに夜気を帯びる。>なんですが、こういう描写をどこから学習したのか「夜気を帯びたらなんやっ中年」という部分に関しては思考が至らず、こういうところからなにがわかるかというと、「その表現は、なにをしているのか」まではAIはわかっとらんでやっているということですねご隠居!「そんなことよりおうどん食べたい」などということになり夜も更けていくのであった。

「涼み台の少女」
 狢かあ。おれも人間を辞めてたぬきとして生きていきたい。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「長編小説(途中まで)」
 アルゼンチンなら安倍じゃネーダの裸身クラブという名門がありますね。名門といえばやはり雨宮留菜でしょうか。膣内にいぼを付けて「カズノコ天井」にする名器形成を受けたことを公言していらっしゃいます。それを聞いただけで20%ほど血流が上がってしまいましたが、ナチュラルな名器と何が違うのか、それはTENGAでもいいのではないかとひとしきり思想にふけったものの裸身ではないので、人工名器だとしても死ぬまでにお手合わせ願いたいものですが、安倍総理は果たして名器に出会えたのでしょうか。


「厭庵」
 読み返してみたら、頭の中で市原悦子が朗読している錯覚に陥りました。ひどい話なのに、現代版にチューニングされていない、オリジナルの昔話みたいで、なんとも寓話的というか、色数の少ないアニメーションみたいな風景まで浮かんできます。うまいなあ。
で、最後に市原悦子が言うんですよ。
「いやぁん」
なんかもう、変な笑いしか出てきませんでした。


「不発弾政談」
 こちらも読み返していると、時代があっちこっちぶっ飛ぶのに世界観が壊れない。不条理にボケ倒しているのにそこにそういう物語を立ち上げてしまう中川家ですかね、例えてみると。裁判長が剛で、八五郎が礼二。なんかもう、そういう映像でしか脳内再生できないです。最後に礼二が「どーん!」って、もうそのまんまやんけ。


「高原の井戸」
 村の少女メルカトは、のところでもう駄目でした。メルカトル図法のことしか考えられなくなりました。時間を返せ。
 これ、長い物語の始まりの一部みたいなんですよね、この1000文字では、何も起こらない。何かが動く前の凪の状態。ゴンドールの南としか言い表せない場所で毎日同じことの繰り返し。それが壊れるところまで読みたいですね。


「涼み台の少女」
 ああ、なんかこれいいなあ。五六十年のあいだにもののけがいなくなったことに安堵するようでいて、それを味気ないものだと振り返る心持ちが描けている感じがしますね。時代的には鬼滅の刃より少しまえなのかな、昭和八年から半世紀前ぐらいだと、明治ですかね。明治の中頃なら狐も狸もあたまにはっぱを乗せて日本橋辺りで人間をからかっていたんだろうなあ。

 ……というわけで、今回はどーん! 一発にやられました。
投票者: このバトルへの参加作者