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3000字小説バトル

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3000字小説バトルstage4
第32回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、蛮人S作『欠損』です。みなさま、ご投票くださいましてありがとうございました。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
1
2
ロシアンルーレット
夕都
3
蛮人S
2

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

■Entry3
欠損
蛮人Sさん

感想:
「菠薐」
 タイトルはかっこいい。あとはいつもの。

「ロシアンルーレット」
 うーむ。
 大掛かりな仕掛けである。こういうシチュエーションを(主として作者が)やってみたかったんだ、と云われるともう「左様であるか」という他ないのだが、「こういう大掛かりな仕掛けができる財力と(もしかすると)人員動員力」「飲み会の途中で拉致っても大丈夫な人間関係とは」あたりからキャラクターが掘り下げられなかったろうか。
 小説なんぞアナーキーでなんでもありだとは思うけれど、面白くするためにゃあキャラクター造形への想像が要るんであろーと思うのです。で、想像力としては並の域を出ていない。シチュエーションに負けないくらい、キャラクターの方も広げられればなぁ。

「欠損」
 やぁ、いいなぁ。
「ロシアンルーレット」と逆に仕掛けのようなものは特にないのだが、カメラの扱いで見せている。
 仕掛けは何かと言うと、本作中の三人、それぞれ喋るのだが同調しない。会話だけでなくて、奥さんと煙草を吸おうとして結局吸わなかったり、娘の古い携帯を妻に持たせて、娘に新しい携帯を買うくだりも、当の娘はどう思うか、なんていうことは書いていない。あえて会話を避けているようにも見える。
 本作の描写のキモはこのへんかしら、と思って読みました。

「現代的日本語」
 いいですねえブル的。いいですねえサッパー。ママカリのことぢゃあないよ。
 これはこれでちゃんと会話のリズムがあるからいいような気がしてきた。ふしぎ!
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
一時間かけて通っていた隣町の床屋が突然閉店してしまい、店主は都心部の高層マンションに引っ越してしまいました。話し相手がいなくなって寂しいです。時代の移り変わりを見事に切り取った秀作でした。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

■Entry1
菠薐
サヌキマオさん

感想:
『菠薐』 スッポンとホウレン草と因縁が2つあって、鍋としては一体だけど、ちょっと焦点が散った感はある。てゆーか、小ネタ2つをまさに闇鍋にしたんじゃないかって気も。
食べ物をどうこうというのは生理的に訴える力が強くて、そのあたりはうまく行ってると思います。池で死んでから解体した100キロのスッポンとか普通に無理だし。しかしむしろ問題は、肝心のホウレン草が故意か過失か料理として全くのプラスアイテムになっていることだ。困った。スルーしたい。

『ロシアンルーレット』 いや、完全に犯罪者やないかw
これが冗談で済む辺り、日常的にこういう事(拉致とか)をやり慣れた者たちの世界なのか、暗黙の了解が事前にあるユルい関係の世界ということになる。この作品は前者なのかなと思わせながら後者にひっくり返している風だけど、個人的にはどっちかだけで一杯という感じです。日常と虚構の世界の段差は色々な方法で小さくされるべきですが、丸投げされたうえに二回は大変かもしれない。

さて、どうしようか。世界づくりについていけるかどうかを除けばロシアンルーレットの方が描かれている内容は素直で良いと思うけれど、総合的にはホウレン草かなあ。

『現代的日本語』 やっぱアインシュタイン流行ってたんだなあ。
投票者: このバトルへの参加作者