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customer's Voice Iサヌキマオさん
感想:「customer's Voice I」
観に来れば誰しもお客さんなのです。とくに、金銭関係が「学費」というところに発生するにあたって、生徒にとっては両親がスポンサーであるところは大きいでしょう。
そういう話です。こういうところで頑張っていると、授業料を払う方も安心する、という話ではあると思います。
「雄鶏」
これをこう、書き手としてやるか、やらないかというのはすごく判断の分かれるところです。
自分の惨めな状況を、同じように惨め(っぽく見える)雄鶏に仮借して感情移入する――これ、考えようによっては「どんなに負けても、気高く立ち上がって戦いを挑む姿」なのです。こっちの文脈で感情移入すると、もうちょっと週刊少年ジャンプ的な展開に話が行ったかもしれません。
ただし、今回の場合は、そういう姿を見て「うるせえ」ってものをぶつけてしまうわけです。なんかその、惨めである己、という優越感で書いている。
これ、思いついて、やるあたりが、この時代なのかなぁ……日本の私小説だって、そういう露悪的なところはだいぶあるけれども。
逆に、日本の私小説の影響でこういうスタイルに落ち着いたのだと仮定すると、ちょっとおもしろいかもわかりません。
投票者: このバトルへの参加作者
感想:customer's Voice I
役者というのは、娘の将来としてさほど父親を安心させるものでもないと思うけど、何もしないで家に居るほうがそれ以上に不安なのだ。ただ、そういう境地に到るには、高校生の娘というのはまだ若すぎる。
おっさん、娘の夢じゃなくて、自分の夢の投影なんだな。若い今のうちに好きにしないと、後悔ばっかりだ。って娘に言ってみたいけど、それは本当は自分の事だと、自身でも意識はしてるから言えない。さらにはその事が妻子にはモロバレなうえ、まともに取り合うものでもないと思われてるらしい事が、端々に伺われる。丁寧に作られた作品であるが、なんとも切ない話である。
雄鶏
戦前の、日本の統治下における、朝鮮半島の農業校の、落ちこぼれの抱く社会的鬱屈というのはかなり理解が難しいが、その感触には共有できる普遍性が多い。私もしばしば夢に繰り返す、人間だかサルだかが社会行動を始めて以来であろう、ドロップアウトへの根源的な恐れを感じさせる。ただ、何かというと激情がカッと火のように起こってしまうのは辛い。訳す方もボキャブラリー的に大変だ。
投票者: その他のQBOOKS参加作者