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第1回 詩人部門チャンピオン of チャンピオン参加作品 ―6
終焉
大覚アキラ
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あと僅かで私は死ぬのだ
まるで掌から零れ落ちる砂のように
私が生きてきた証と呼べるものはすべて
私だけを置き去りにして
恐ろしい速さで形を失っていく
それは緩慢で感傷的なものではなく
私は崩れ落ちていく現実を両手で掻き集めながら
己の無力さに打ちのめされ
ただ翻弄され蹂躙されている
ひとつだけ私の心に残されたものは
幼い頃のお前の笑顔の記憶
私は為す術もなく
ただこれだけは決して手放すまいと
お前のあどけない笑顔に縋りついている
ああ
私にとって本当に大切なものは
お前だけだったのだ
そう気づいた刹那
私は世界から切り離された
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